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街道防衛へ

2019年 1月13日 整合しない部分を修正しました。

迫り来る魔虫の存在を感知した後のゴルビーの対応は速かった。


通信魔法で魔獣の接近を軍関係者に知らせるとともに、出動できる軍人の士官を貴賓館に呼び寄せ、対策を指示した。


タケルはフェルト騎士団とは別れ、ゴルビー一行と一緒にいた。

エルフィニアの将官としてのゴルビーの指示であった。


ホヤンスクに早馬を送るとちょうど入れ違いにホヤンスク側から連絡便が届けられた。


森林の結界の外では通信魔法がほとんど使えないため、昔ながらのやり方で連絡をするのである。


内容は、北方調査の先遣隊から魔虫モスラスがホヤンスクに接近しているという情報を得た、ということであった。


ゴルビーの探索魔法で取得した情報と一致している。


また、連絡便には、大門(ヴァロータ)駐留の部隊にはホヤンスクと大門を結ぶ街道の防衛を任せたいという依願も加えられていた。


ゴルビーも同様の考えであった。

この街道の防衛が最優先だ。


ホヤンスクに援軍を送る動脈であるばかりでなく、万一ホヤンスクが落ちると見込まれた場合、住民たちが避難できる唯一のルートだからである。


ゴルビーは己の権限で、出動可能な弓手(アーチャー)魔法師(キャスター)を集めるとそれらの者を率いて、大門を発し、街道を進んだ。


その後列には、矢や解毒剤、魔緑石を運ぶ小規模な輜重隊も続く。


3人の獣人もタケルもゴルビーに従っている。


ゴルビーは軍馬に乗り換え、その後ろには熊の獣人ミーシャが乗る。


馬の扱いに慣れた兎耳のラビーネは単独で乗馬し、残りの栗鼠型少女のリズがタケルの後ろに乗る。


ゴルビーが、なぜかタケルの後ろに乗るように指示したのである。


リズはラビーネの後ろに乗るのがいいのではとタケルも伝えたが、


「タケル殿、エルフの豊満もよいですが、獣人少女の華奢も時に良いものですよ」


と意味深なことを言って、ゴルビーは指示を変えなかったのであった。


「タケルはんは、モスラスと戦いしことありや?」


後ろからリズが訊く。


「残念ながら、ありません」


「さなりや。あの魔虫は鱗粉の毒がおぞましきなるよ」


「そうなんですか、やはり?」


「皮膚がただれてしまうなり。普通の木はボロボロになるなり」


「怖いですね~」


(化学兵器のマスタードガスの作用に似ている。要注意だ)


「されど大丈夫なるよ、ごルビー様がいはるから!」


「それは頼もしい」


タケルはふと馬上から街道の左右を眺めた。


森林結界の北端に位置する大門と結界の外に位置するホヤンスクを結ぶこの街道は実質の幅は30メートルほどであろうか。


道の両端には両端には皐月のような低木の生け垣が続いている。


そこには一定間隔で警備の者が佇んでいた。

彼らにはこれから弓矢が供される。

魔虫の襲来を聞いて緊張感も高まっているだろう。


その外側は樹木が伐採されているのか、ずいぶん開けていて数十メートル障害物が見当たらない。


防衛上の理由なのだろうか。

森林が街道に迫っている場合、魔獣や敵の急な襲撃に対応しづらい。

重要な街道ならそのようなリスクは避けたいであろう。


そして、またタケルは今更ながら気づいたのであるが、この街道には木の板が敷き詰められていた。


かつて日本の鉄道では枕木として栗の木が使われていたと聞く。

強くて腐りづらいという理由らしいが、この敷き詰められている木材もきっと劣化に強いのだろう。


木材に恵まれたエルフィニアらしい道路だとタケルは思った。


大門とホヤンスクの中間地点に物見やぐらが見えてきた。


「ぼ~くらはここらへんで準備しよう」


先を行くゴルビーが馬を停めて振り向いた。

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