2人の美戦士
出入り口にタケルが行ってみると、そこに2人の人物が待っていた。
1人は一緒に戦ったアスカ、もう1人はローブを着た初めて見る異性。
彼女はフードを被っているが篝火の灯りに照らされる顔立ちは可愛い系と思われた。
「あ、アスカ、どうした?」
「この娘があんたに会ってみたいって言うから連れてきたのよ。
あたしらの宿がこの辺に近いの。
あんたに会いたいから来たわけじゃないからね!」
と言って、アスカが連れの手首を掴んだ。
「え? アスカが会いたいと言うから…」
アスカは慌てて、
「何、言ってるの、フォクラ。タケルに興味あるって言ってたでしょ!」
(興味あるとは言ったけれど、わたし、会いたいとは言ってないよ。素直じゃないんだから、アスカは。)
「うん、そういうことにしておく」
フォクラはいつものことだと思って、数年来の友人の言葉に反論するのをやめた。
「初めまして。フォクラです。アスカと一緒のパティーを組んで旅しています。よろしく、タケルさん」
フードを外して挨拶したフォクの頭の左右には、狐耳が付いていた。
(うわ、可愛い…)
タケルはフォクラに少し心が揺れた。
「一乗タケルです。アスカとは、今日、一緒に戦いました。それ以来の戦友ですよ。
フォクラさん、こちらこそよろしくです」
タケルは狐耳をついみてしまっていた。
こういう部位はやはり新鮮で目を引きつける。
「戦友って何、戦友って!麗しい乙女にいうことなの?」
「冗談だよ、アスカ。冗談。
じゃなんて言えばいいんだい?」
「一目惚れした相手とか…」
プッとフォクラは吹き出しそうになった。
それ自分のことじゃないの、と言いそうになる。
(確かにアスカが一目惚れするのもわかるわね。
精悍で優しげな顔立ち。
物腰も柔らかそうでそれでいて剣もたつのなら。)
フォクラの思いを知ることもなく、タケルは苦笑いを見せて、
「そうそう、アスカ、パティーの他の人たちはどうだった?」
「あ〜、一応大丈夫だったわ。怪我して救護班のところにいるメンバーもいるけど、命に別状はなし。
他の2人は宿で寝てるわ」
「そうなんです。女子だけで抜けてきました〜」
とフォクラはお茶目な表情を見せる。
アスカよりやや小柄だが、ローブ越しに胸の膨らみが小さくないことが分かる。
獣人のそれもやはり人のそれと同じ形、同じ感触なのだろうかと好奇心も感じてしまう。
(いやいや、初対面の人にこんなことを思ってはダメだ!)
タケルは邪な好奇心を振り切って、
「メンバーが一応無事でよかったですね。怪我の人、早く治るというですね」
「タケルさん、怪我したメンバーにもそう伝えておきます」
「ええ、よろしくお伝えください」
「タケル、今時間ある?立ち話もなんだから、屋台に行かない?お酒やお茶、飲めるわよ」
「そうか。…警備の任務まで結構時間あったなぁ。
酒は控えると思うけど、うん、屋台に行こう」
2人の異性は表情を緩ませた。
タケルは、受付担当者に太刀を預かって貰い、アスカたちに従った。




