魔獣との死闘
タケルは柩の大きさの穴で仰向けになりつつ上段に太刀を構えていた。
殺戮トカゲの腹部が地上を通過するであろうときに斬撃を食らわす。
今回の策の要だ。
魔獣の頭部がタケルの上方に差し掛かったと感じた瞬間、
バリッ
と土塊の蓋が壊された。
魔獣はタケルの気配をきっと察知したのであろう。
しかし、タケルの反応は蓋が破れると同時だった。
縦の斬撃を魔獣の口先に叩き込んだのである。
下に振り下された太刀は、次には刺突となって、魔獣の喉をついた。
「グュリャー」
魔獣は首を力離して叫びを上げた。
土を被ったタケルは直ぐに穴から這い出す。
魔獣は青い血を滴らせながら、鋭い牙の揃った顎門を開き、タケルに噛み付こうとする。
タケルは脇にずれ攻撃を回避し、そして今度は横の斬撃。
虐殺トカゲ口蓋の右側が次々裂けて、地面が青く染まっていく。
首元まで側面を斬ったタケルに、鋭い鉤爪が襲いかかる。
タケルは巧みに避けると、その爪が生えた足首部分に切り込みを入れた。
外皮の硬さのためか、一撃では切断できなかったが、二の太刀で切り落としたのである。
「グュリャー」
叫びが強くなっていた。
痛みのためか天に向けて、毒を吐きちらす虐殺トカゲ。
後ろ足を斬りにいくタケルに対して、尾が鞭のように迫った。
「ガシューン」
縦に太刀を構えたタケルに直撃し、そのまま後ろに飛ばされたが、路上にうまく着地できた。
長い太刀で受けたため、ダメージはほとんどない。
魔獣の前方では、魔法師が毒への障壁を作り、魔弾を口から首にかけてできた傷口へ打ち込む。
最初とは違って、魔獣は攻撃を痛がり、毒の炎で反撃しながら、前方に移動していく。
右前足の一部を失っているため、平衡を失った進み方だ。
早く動けなくなりつつあるのは、タケルの喉や側面への攻撃が効いたのだろう。
タケルは、沿道の建物に身を隠し、攻撃の機会を伺う。
それは、アスカや猫獣人のミニャも同じだった。
短いですがアップ。
夜に話を追加します。




