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シュワルツの覚悟

「ヨハン様、直ぐに馬小屋に行ってここを脱出ください。私があの者たちを食い止めます。

アマデウス、ヨハン様を頼んだぞ!」


「シュワルツ、汝も来い」


「いえ、私が足止めしなければすぐに追いつかれます」


「シュワルツ様、私も残ります。

残って敵を一緒に足止めします」


「いや、だめだ。ヨハン様をエルフィニアまで辿りつけるように貴殿が付き従うのだ」


「シュワルツ、俺も残って3人一緒に戦おう!」


「それはなりませぬ、ヨハン様。

今一番大切なのは、ヨハン様が逃げ延びて今回の冤罪を晴らすこと。

もたもたしてると敵の援軍が来る可能性もあります。

ここで足止めを食らっては、国境の警備がいっそう厳重になって国外に出られませんぞ」


「だが…」


「私もヨハン様に仕える、古参の魔法師、食い止めてまたはせ参じますよ」


シュワルツは急に微笑んだ。

ヨハンはそれに安心したのか、


「ならば、シュワルツ、死ぬなよ。また会おう」


「承知しました」


シュワルツは頷いた。

そして、アマデウスを見やり、2人の視線が合わさる。


追手は手練れの騎士たちや宮廷魔法師。

シュワルツ1人だけでは到底勝てまい。

シュワルツは命を捨てて主君のヨハンを逃がすつもりなのだ。


アマデウスにはシュワルツの覚悟が胸の奥にも伝わってきた。


「アマデウス、ヨハン様を頼んだぞ」


アマデウスは返す言葉が出なかった。

ただ、シュワルツの目を見て頷くだけだった。

シュワルツは微笑んで頷き返した。


「さあ、ヨハン様、お行きなされよ!」


「アマデウス、行くぞ」


ヨハンとアマデウスは馬を留めている農家の馬小屋に駆けていった。


遠くに見えていた追手がシュワルツの目には大きく目に映ってきていた。


馬は6頭、剣士、弓手、槍術師、魔法師などが見える。

5人は見たことのある顔だが、1人、見慣れないものがいた。


シュワルツはヨハンに仕える直属の騎士であり、古参の魔法師でもあった。

殆どの騎士は知っているはずだ。


(ブリツェンの者か?ならば道連れにあの世に連れて行くまでよ)


「天地を想像し給う神よ、我が身に御ちからを授け給え。

土をもって敵を防ぎいかむ」


シュワルツがこの言葉に次々と詠唱を重ねると、地面に裂け目が生じ、地竜のように馬たちが走る前方の地面に迫る。


しかしそれはすぐに動きが止まりなだらかな地面に変わった。

追っ手の魔法師が無効にしたのだった。


(やはり一筋縄ではいかないな)


追っ手の一団は馬を停止させると、弓矢を放ってきた。

魔法による速度と強度の付与が加えられていた。


シュワルツの詠唱とともに急に出現した土の盾が矢波を防ぐ。


「石と土塊(つちくれ)をもって、宙より敵を打たむ」


詠唱とともに魔緑石をシュワルツが宙に投げた。

すると魔緑石が光りを放ち、地の石や土塊が舞い上がった。





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