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平和な国の魔王は、国の英雄と言われ王女と?!

作者: アマテラス

2023年3月14日更新

俺が魔王としてこの世界に来てのからの第一声である。


 「なんだ、この世界」


 この世界の2代目魔王になり、はや30年が経った。30年間魔王の俺は色々な事をした。そう色々、、


 この世界では魔王は恐れられていない。そう恐れられていないのである。それどころじゃなく、尊敬の念ですら見られているのである。


 それはなぜか?


 魔王とは魔族を従え、人間を滅ぼし、世界征服をするのが道理だが、初代魔王は人間の女性に恋をした。それが全ての始まりであると言われている。


 初代魔王は人間と和睦を結んだ。


 魔族は人間より200年ほど寿命が長く、知性があった。そして、魔族は病気の薬の開発、領土問題、戦争の後処理等、民を助け、人間は魔族を差別したりしないという誓いを立てたらしい。

もちろん当時は魔王や誓いを結んだ人間に反発した魔族もいるらしいが、平和となるにつれて、復讐、憎しみのような感情が薄れ、反発しなくなったという。


 俺は前の世界でも魔王として活動していた。俺は世界征服する為、人間と戦い、連戦連勝であった。まぁ最後は勇者にやられたわけだが、、、


 そんな俺に対して神は

「もう一度魔王として人間を追い詰めて欲しい」と頼んできた。

 

 そして俺はこの世界の魔王になった。


 世界には目に見えない秩序があるらしい。神は魔王を使い民の人口を減らしたりして、秩序を守って来たらしい。そこで俺がその秩序を整える為来たのだが、、


 おそらく平和であるが為のデメリットもここ30年間人間同士の戦争の終焉のお手伝い、新型の疫病の薬の開発等してきて、わかった気がする。


 人口増加である。人間の人口と魔族の数が毎年増加し続けている。このままいけばいずれ餓死者等が出るくらいまで増えるかもしれない。もしかしたら、神が疫病のような病気を流行らしたのかもしれない。俺が何もしなければある程度の人間が死んだからだ。


 俺は悩んでいる。30年間人間と仲良くしてきて、復讐や憎しみの感情がほぼなく、人間と戦う気がしないのである。誰も殺されてないから当たり前である。だか、このままいけば人口が増え、俺の想像以上に悲惨な結末を迎えるかもしれない。


 そんな時俺の部屋に王宮の騎士団が来た。


「魔王様、王宮騎士団のマーク でございます。この度我が騎士団団長エドリット様の結婚式があり、出来れば結婚式に参加してもらいたいのです」


「俺はやることが多い。なぜ俺が行く必要があるのだ?」


「お相手は第2王女エリス様であります。あなた様の疫病の薬のおかげで彼女は死なずに済みました。他にも第1王女様も命を助けられました。そのお礼をしたく招待致しました。」


「了解した。後日、日が決まり次第報告してくれ」


 まぁ別に感謝される事に抵抗はなく、むしろ気分がいいから、なんとなく行く事にした。

まさかこの出来事が自らの妻になる女性と出会うことになるとは思っても見なかったのである。


 約半年前全身に湿疹が出る病気が王都で流行した。その病気に王女様達がかかってしまい事態は急変した。俺の所にも王の使いが来て病気の原因の調査依頼を頼まれた。


 その後俺や王都の薬剤師が1週間寝ずにひたすら原因探してわかったのである。原因は口紅であった。


 口紅は、元々貴族向けのものであったが、現在では平民も持てるようにコストが削減された。その大量生産された口紅の1つに使われてた原材料に人間の体に影響が与える有害物質の反応が出たのである。


 患者に女性が多い事から女性が普段使うものを一つずつ調べるのに時間がかかったが、原因が判明してから、約1日で俺が有害物質を分解する薬を作った。そのおかげであり、王都で流行した病気は解決の道を歩んだのである。そのせいで魔王である俺は、英雄と呼ばれたり、尊敬のまなざしで民が見てくるのであった。俺は別に悪い気分ではないが、神様としては自らが魔王に与えた力がこのように使われる事に対して良い気分ではないだろう。


結婚式当日

 パーティ会場には王様や色々な人が来ていた。


「魔王よ。来てくれたか、感謝するぞ。我ら王族の命を助けてくれた恩人よ。何か1つ願いを叶えるぞ。わしができる範囲でな」


 彼はこの国の王エイト様である。


「エイト殿、そのような事ありません。俺は、誓い通り当たり前の事をしたまでです」


「魔王よ、そなたはこの国の英雄であり、皆尊敬しているのだ。もう少し大きい態度をとっていいのだぞ。それにしても当たり前か、ますます気に入った。何か1つ叶えたい事があればいつでも言うがいい」


 俺はその場を去った。1つ願いと言われても困るものだ。別に何も望んでないし、神様が望むであろう願い、「人間の数を減らしたく思います。」とか言ったら大変なことになりそうだしなぁ・・・王との会談が終わり次に話しかけて来たのは、このパーティーの主役である王国騎士団の団長のエドリット様と第二王女エリス姫であった。


「本当に魔王様が来てくれるとは思いませんでした。私は騎士団団長としてこの国の為に精進してきましたが疫病が流行した時、私は他国に遠征に行っており、疫病の事は後で聞きました。もし魔王様が疫病について偉業を為さなければ、エリスは今居なかったでしょう、ありがとうございます」


「私がこうして生きているのも魔王様のおかげです。本当にありがとうございます」



「2人とも顔を上げてくれ。俺は魔王として当たり前のことをしたまでだ。今後も何かあれば助けてやる。2人とも幸せな結婚生活をするのだぞ。」


 「「はい」」


 その他有力貴族等、ひと通りの挨拶が終わった。政治的に魔王の力を利用しようとする人間もおり、多くの人と話をしなければ、特定の誰かないし勢力に肩入れしていると誤解される恐れがあり、中立を保つのは大変である。


この後のディナーショーでは、1番奥の席に王が座り、主役である団長のエドリットとエリス姫は王様の隣に、その他俺も含めて色々な人が順に空いている席に着いたが、そういえば第1王女の姿がないと思っていた。


「エイト殿、第1王女マリア姫の姿が見えませんが、何かあったのですか?先ほどのパーティにも参加していなかったみたいですが」


「彼女は人見知りでなぁ、そなたも見たことがないだろ?このような沢山の人がいるパーティ等は参加しない、先日魔王への感謝の手紙を貰ったが、やはりお礼は自分の口から言った方がいいだろうし、後で彼女の部屋に行ってはくれぬか?」


「わかりました、後で行っておきます」


 第1王女のマリア姫 は他国の王がプロポーズする者が出るほど美人な女性らしい。今年齢は20歳くらいのはずである。もちろん見た事がない人の方が多いようだから、噂にしか過ぎないが。


俺は部屋の前まで来てノックした。


「なんのご用ですか?」と可愛い声がした。


「魔王です。王に頼まれてきました。ドア開けてもらってもいいですか?」


「ま、魔王様ですか、あ、え、準備します、少し待っててください」


 まぁ女性だし色々準備とか必要なのだろう。少し待ってやるか。


 ドアが開いた。


「魔王様、わざわざお越しいただきありがとうございます。第1王女マリアです、、」


 俺は扉が開いて目があった時時間が止まった。そう。時間が止まったような気持ちになった。彼女も同じ気持ちなのか目が向かい合ってから時間が止まっている。俺は無意識に声が出た。


「、、、美しい白い花のようだ、、、」


俺の心に何か刺さった。前世での勇者の剣より深く。無意識のまま声がでる。


「もしよければ、俺の妻になりませんか?」


俺自身、自分が何を言っているのかまったく分からない。結婚パーティーに参加して、自分も結婚したくなった?いや、そんな生半可な思いではない、なんとなく懐かしいような運命として言いようがない、そんな強烈な思いが自分の全身を支配する。




そんないきなり告白したら、マリア様はどう思うだろうか、自身がなぜ告白したのか長い時間、客観的には僅かな時間、下を向きながら考えていると、儚く、なくなってしまいそうな声で

「はい、よろこんで。」

「わ、わたしは、一度死を覚悟しました、魔王様が居なければ今この世の中に居なかった私は魔王に生涯この身を捧げます」


マリアの顔はとても赤くなっていた。


 魔王である俺は一目惚れしたのである。なぜ、突然の告白が成功したのか、マリアに今後聞こう。そもそもなぜ一目ぼれしたのか。


 前の世界では恋など抱ける訳がなかった。しかしこの世界で初めて心が動いた。前の世界も合わせれば何百年の年月の間で初めてである。もしかしたから、記憶はないが前世より前の世界で出会っていたのかもしれない。記憶は失っていても魂に刻み込まれているかのように。


 彼女の言葉を聞いて俺は決めた。第1王女マリア姫と結婚する。と


 マリアに、後日正式に挨拶する旨を述べて、俺は王の前に急いで行った。いまだディナーパーティーをしていた王は驚いた表情で何が起きたかわからない様子であったが、俺の本気の表情を見て何かわかったような顔していた。


「1つの願いを話に来ました。俺は第1王女マリアと結婚させてください。」


 これじゃ初代魔王と同じではないか、でももう後戻りは出来ないし、そのつもりもない。世界の秩序?そんなもの関係ない。


「本気でマリアを愛せるか?そなたは魔王であり、マリアは人間であるぞ。本当に良いのか?」


 「「もちろんです」」


 俺がいる限り人口増加の問題は農民の暮らしの充実化等すればいい。神が俺を排除する為、勇者を召喚しても全力をもって滅ぼそう。彼女が寿命死ぬまでそして俺の寿命が尽きるまで、、


 魔王はそう決めたのであった。





 翌日には魔王と第一王女との結婚の話は、王都全体に広がっていた。

その後2人の間に生まれた子供が次期王様になり、神から勇者としての力を得て、俺に挑んでくる事はこの時誰も予想していなかったのである。


誤字脱字、見つけ次第更新していきます。

初めての作品で色々と読みにくいところもあったと思いますが読んでいただきありがとうございました。

今後腕を上げて次の作品も書いていきます。ブックマーク等付けてくれるとありがたいです。

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