第6話 トロピカルカフェ
2人が町に戻ると、忍者がステーキを食べながら待っていた。
「おい。何、お前1人だけ肉食ってんだ・・・」
「・・・ん?美味しそうだったからでござる?」
「・・・空の彼方まで、蹴とばすぞ?」
「いや、これちゃんと、自腹の方のお金でござるよ!?」
ダイチとシオンがハイエナの如く、ステーキに襲い掛かる。
「ああ、ちょっと。せめて、横のポテトは、自分に残すでござるよ~。・・・で、何してたでござるか?」
「バイト代を増やしてもらってきたぞ」
ダイチが、追加分のバイト代を、机の上に置いてあった、4人のお金の袋に加える。
しかし、それを聞いた忍者は、深刻な顔をしている。
「ありがとう、ダイチ殿・・・。まさか、モンスターを恐喝までして、お金を手に入れてきてくれるとは・・・」
「いや、違うよ!?ちゃんと、交渉したからな?」
「そうだよ、忍者・・・。ダイチ君は、悪い大人の交渉をしてきたんだよ・・・!」
「それって、やっぱり、恐喝でござらぬか・・・?」
「もういい・・・。ところで、赤羽はどこに行った?」
「何か、バニーガールのお姉さんを追いかけて行ったでござるよ?」
「バニーガール?」
「お。いたいた~。みんな、聞いてくれ。すごい良い情報を手に入れたよ!」
赤羽が、嬉しそうにお店のチラシを持ってやって来る。
「なんと、この近くにカジノがあるらしいよ!?」
「それは、普通にダメだろ!?せっかくある程度たまった金を溶かす気か!?」
「そうじゃなくて、そこのカジノに、モンスター闘技場があるらしいんだけど、人間も出れるらしいんだ!」
「・・・おい?じゃあ、モンスター闘技場って言う必要なくねえか?」
「ダイチ・・・。今はそこは、どうでもいいんだよ!」
「分かったよ、赤羽君!それに出て、賞金をもらうんだね!」
「いや、賞金は2000円くらいしか出ないみたいなんだけど・・・」
「すごく、安いでござる・・・」
「え・・・?でも、僕が500戦くらい出れば、簡単に100万円も貯まるよ?」
「お前は、バーサーカーか・・・。そんなことしてたら、途中で、出禁食らうだけだぞ?」
「いや、そうじゃなくて!勝つのは、1回で良いんだって」
「・・・?」
「誰か1人が出場して、それに、全額賭けるのさ!」
「・・・それで、もし、負けたら?」
「・・・すごく、ヤヴァイ!」
3人が真剣に話し合ってる間に、シオンがこっそりとチラシを見て、闘技場の場所を確認している。
「・・・別に、勝てば良いんだよね?」
「待て、シオン。さすがにもう少し慎重にだな・・・」
机の上に置いてあったバイト代の袋を持って、シオンが走り出す。
「・・・いやっふぅーーーーい!」