表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

第5話 爆発の洞窟 後編


町に戻ると、シオンが巨大なアイスを食べながら、3人を待っていた。


「おい。なんで、そんな、デカいアイス食ってるんだ!?」


「・・・ん?美味しそうだから?」


「いや、そうじゃない・・・。300円で、その量のアイスが買えたのか?」


「違うよ~。何か、体に付いてた粉の一部と交換してもらったんだ~♪」


「やはり、何か怪しいな・・・?ちょっと、行ってくる」



ダイチが、再び、爆発の洞窟へと戻る。


すると、先ほど閉じた扉は開いており、商人の姿はない。


「この中にいるのか?」



ダイチが、再び、爆発の洞窟へと入っていく。


「ケケ、今回は、なかなか、大量に落ちてるじゃねえか~♪」


洞窟の奥で、商人が、地面に落ちた金色の粉を拾っている。


「・・・おい。何してるんだ?」


「うげげ!なんで、お前、戻ってきてるの!?」


「普通に怪しいからに決まってるだろ・・・」


ダイチが、地面に落ちた金色の粉を手に取る。


「これは、さっきの、妖精の鱗粉か・・・?」


「ピーンポーン、大正解だ。・・・ケケ」


「じゃあ、さっき拾ってきた石は?」


「特に、何の価値もない石だぜー。ケケ~!」


採掘した場所に、先ほど拾ってきた鉱石を、元に戻した形跡がある。



「何で、わざわざ、そんな回りくどいやり方をしている?」


「ん~?そんなに、知りたいか?・・・オレはよぉ、以前、別の地方で、同じような洞窟を発見したことがあるんだ」


商人が、静かに昔話を始めた。


「そして、その洞窟の権利をすぐに、全力で買って、鱗粉集めを始めたらよォ・・・」


商人が、やけくそ気味に泣いている。


「雇ったやつが、みんな勝手に鱗粉を持ち帰りやがる!バイトに至っては、妖精ごと連れて帰ろうとするしで、あっという間に、妖精が全滅したんだよ!」


「バイトもお前も、バカなのか・・・?」


「だから、オレは閃いたんだ・・・。バイトには、石をもって来てもらおうと!」


「微妙に賢いな・・・」



商人が、再び落ちた鱗粉を拾い始める。


「でも、バレたからと言って、バイト代はアップできないぜ~?」


「分かってる。むしろ、そこを聞くために戻ってきた」


「・・・ケケ?」


「さっきの缶を計量したときに、大体5kgと言ってたが、石は間違いなく、もっと少なかったはずだ」


「あ~?普通、そんなとこ気にするか~?」


「軽く見積もるなら分かるが、重く見積もるのは、どう考えても不自然だ」


息吹ダイチは、几帳面なバカだった・・・。



「あれは、単純に、大体4人で手に入る鱗粉とかの利益を半分渡しただけだよ。ケケ!」


「無駄に良い奴かよ・・・!じゃあ、もし石を持って帰れなかったら、どうなるんだ?」


「そんときは、可哀そうだから、とか言って、適当に理由つけて、4分の1ずつ渡してるよ」


「それ、お前の取り分増えてるのに、評価は上がってるみたいじゃねえか・・・」


「これ、みんなには、内緒だぜ?ケケ」



商人が、落ちていた鱗粉を拾い集め終わる。


「ところで、さっき、俺たちの中にも、粉を持ち帰ったやつがいるんだが、それはどうすればいい?」


「ああ、別に構わないよ。ある程度、服とかにも付いちゃうしな。ケケ」


すると、入り口の方から、さっさとシオンが走ってくる。


「え~。そうなの~?じゃあ、残りのこの粉、僕が全部もらっていくね!」


シオンが服のポケットから、大量の金色の粉を取り出し、すぐに逃げていく。


「さすがに、それは返せよ~・・・。ケケ~~・・・」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ