第2話 海賊大陸
「うおおおぉぉ・・・。」
空からダイチが、時空を切り裂いて、砂浜のような場所に落ちてくる。
「おい。どこだ。ここ・・・?」
「おお!?ダイチ殿も、降ってきたでござる。これで、助かるでござる~」
ただただ、広い砂浜に、飛ばされた4人が集結する。
「・・・まあ、良く分からないけど舞風に連絡しておくか」
ダイチが、スマホで連絡を取ろうとする。
しかし、画面には、圏外と表示されていて、連絡が取れなかった。
「ん?電波が悪いのか?」
「違うでござる。どうやら、ここは、海賊大陸らしいでござるよ~!」
「・・・!?」
海賊大陸。
それは、周りとの通信手段が遮断されている、特殊な地域となっている。
「ということは、軽く遭難してるじゃねえか!」
「そう・なん・でっす・とろいや~!」
シオンが、嬉しそうに答えている。
「とりあえず、まちの方に向かうでござるよ~」
遠くに見える町に向かって、3人が歩き出す・・・?
「いやいや、シオン殿。1人でどこに行くでござるか!?」
「忍者。何か、向こうから、冒険の匂いがするよ!」
「しないでござる!早く帰るでござる~!」
・・・再び、遠くに見える町に向かって、4人が歩き出す。
「いや~、朝から、散々でござるよ~。こうなったら、せめて、遭難なうとかつぶやいて、笑いとるでござる~」
忍者が、自分のスマホを使おうとする。
しかし、電波は届かなかった・・・。
「そうだったでござるッ!!クソがッ!」
「お前は、バカなのか?」
俺太刀忍者は、ネットの世界に毒されていた。
「くぅ。最悪でござる~・・・。マジもう無理でござる~・・・。ならば、仕方ないから、この不運のパワーを使って、逆に、ガチャで神引き失礼しちゃうでござるよ~。でゅふふ・・・」
しかし、電波は届かなかった・・・。
「あああああああああああああ。こんなクソみたいな大陸、さっさと脱出するでござるよおおおおお!!」
広大な砂浜の上を、忍者が駆け抜けていく。
「ふっふっふ・・・。忍者。そんな、君にいいことを教えてあげよう」
「え?なんでござるか?」
シオンが着ていた上着を、さっそうと脱ぐ。
「なんと、僕の体に流れている膨大な魔力にスマホを近づけると、この大陸でも少しの間だけなら、ネットが使えるよ!」
『え!?』
忍者と、ダイチが、素早くシオンの体にスマホを押し当てる。
「・・・ふふっ。マジカル・ジョークだよ~♪」
荒れ果てた砂浜に、シオンの体が埋まる・・・。