静かな森の中で
短いです
「この時間に集落を離れたのは初めてだなぁ」
あの後特に何事もなく集落からでた僕は明りの一切ない森の中を歩いていた。時々虫が鳴く声が聞こえるものの、冬が近いためか静かな静かな夜だった。
「この木でいいか」
いつもの癖で木に傷をつけるマーキングをしようとして、それが意味がないことに気が付く。もう帰るつもりも、帰る場所もないのだ。
「最後のあの態度でなんか怒ってたし、積極的に探すようなことはしなくても見つけたら殺すのぐらい許可しているかもしれないなぁ」
安易に想像ができ、ため息をつく。できるだけ遠くに移動したほうがいいのは明らかであった。
「しかし、こう暗いと何も見えないから進むに進めないなぁ。考えなしではなく早朝に出たほうがよかったのかもしれないよ」
ようやく解放される。その考えでいっぱいいっぱいになって勢いですぐに発ってしまったことを後悔していたその時であった。
〈キルヴィのユニークスキルMAP機能レベル1が解放されました〉
〈効果:あたりの地形が大まかにわかる、周囲の生物の位置がわかる、目視の範囲の暗視が可能になる〉
自身のスキル発現の声が聞こえたのであった。