地図とユニークスキル
説明回が入ってきました
「そこは、どんな所なんですか?」
ラタンさんからの申し出が気になり、尋ねてみる。ラタンさんは指を頬にあて、んーとねーと少し考えてみせる。
「さっきも言いました通り、近い所なのです。具体的にはこの森の北には草原があるのですが森と草原の境目らへんにある所です」
ラタンさんは懐からカサっと薄いなにかを取り出して広げる。それは集落でもたまに見かけることがあった紙のように感じたがそこに描かれている図は今も自分の脳裏に焼きついている何かにそっくりだった。そして指である一点をさす。そこから指をつつつと動かし、グリグリと印がうたれているところで止まった。
「私の手描きなので少し大雑把ですが、今は大体この辺に居るはずです。目的はここなのです。そうですね……大体三日でつくでしょうか」
「あの、これは一体……なんていう名前?」
「およ、キルヴィ君は知らなかったか……この紙は地図というものなのです。どこになにがあるのかをこうして描いておくことで迷うことが減るのですよ」
まあそれでもたまに地形が変わったりしてて迷っちゃうのですけどねと苦笑するラタンさん。
せっかくなので聞いてみようか。
「あの、ラタンさん。ラタンさんってMAP?とかユニークスキル?ってものを知ってるかな」
「MAP?いや、聞いたことはないですが……ユニークスキルは知ってますよ。一般的なスキルはある程度努力が必要となりますが一応は誰でも取得が可能なのに対し、ユニークスキルは特殊な条件が必要ですが、その分普通のスキルを合わせたような強力でレアリティのあるものになるのです。それがどうかしましたです?」
「えっと、実は僕昨日そのMAP機能という名前のユニークスキルが発現したんだ。それを使ったらこの地図っていう物と似たイメージが脳内に浮かんでて。それと、その能力があったからこそ、ラタンさんが近づいてきたことに気がつけたんだ」
「ほー、ユニークスキル持ちなんですね。どんなものなのか具体的なものが気になりますが……それはさておき」
ラタンさんは立ち上がりながら言う。僕もそれにつられて立ち上がる。
「いつまでもここにいても仕方がありませんし、歩きながら話しましょうか」
ラタンさんが歩き始めたのでそれについていく。気がつけば太陽が昇り、起きてから時間がだいぶ経っているのであった。