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僕の365日(仮)  作者: 河村 侑李
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二日目 非日常

 次の日、僕は約束通り同じ時間に昨日と同じ場所であの子を待った。

 けれど、待ち始めてから15分たった今でも、それらしき姿は見当たらない。約束を忘れてしまったのだろうか。もしくは寝坊か…。

 どちらにせよ、面倒なことになってきた。

 このまま待つのをやめて学校に行けば、すれ違いになるかも知れない。かといって、このまま待ち続ければ、遅刻になる可能性が出てくる。

 この場所から学校までは、約15分。始業時刻は8時30分。今の時刻は7時15分。

 まだまだ間に合う時間帯ではあるが、遅くとも20分前には校内に入っておきたい。

 そうだとしても、置いていくのはどうかと思うな…。かといって、学校には遅刻したくない。どうしたものか…。


 「あの」

 不意に小さな、澄んだ声が聞こえてきた。

 すぐに辺りを見回したが人影は見あたらない。


 「下です。下!」

 今度は少し怒りを含んだような声が聞こえた。

 その声に促されるようにして、自分の目線を下ろしてみると…。


 「う、う、うわぁぁあああ!」

 「…うるさいですよ」




 その声は、昨日出会ったあの子のものであった。

 …相変わらず不思議な現れ方をする。


 「ああ、昨日のあの子じゃないですか。なにかあったのですか」

 「すいません。寝坊してしまったもので」

 「なるほど」

 僕のことを嫌っていたわけではなかったようだ。


 「ところで、大祐さん。あなた、一人で何をしゃべっていたのですか」

 「え、もしかして、何か言ってましたか?」

 「はい」

 「何を聞きました?」

 「私が聞いたのは、学校には遅刻したくないんだよなぁ、です」


 うわ、この状況で一番聞かれたくないところ聞かれたな…。かなりの罪悪感…。

 それより、この子。今僕の名前を言わなかったか…?もし僕の聞き間違いじゃないならば、なぜ知っているんだ。


 「私があなたの名前をなぜ知っているのか、ですか」

 「うん、そうなんだけど…っえ」

 「実は私、あなた方に神と呼ばれる存在の者ですから」


 ん?え?

 今なんかすごいこと言わなかったか?え、神、髪、紙。え、ええ…。


 「ああ、深く考えなくてもよろしいですよ」

 「そう言われても…そもそも、本気で言っているのですか?」

 「ええ、もちろん。私はいつでも本気です」


 ああ、どうしたもんだろうか。この彼女の顔。嘘をついているとは到底思えない。かといって、そう簡単にはいそうですかと認められるような内容でもない。


 「ああ、信じなくても結構ですよ。それが普通の対応というものです」

 「はあ、すいません」

 「いえ、いいのです。この先、認めざるを得なくなるのですから」


 あ、これは何となくやばい気がする。そう思ったときには時既に遅し。不敵な笑みを顔に貼り付けたまま、この子は僕の両手をしっかりと掴んだ。

 そして彼女は少し足を曲げ、力を入れる。そして一言。

 「危険ですので、私の手をしっかり・んでおいて下さいね」




 その言葉が終わると同時に、彼女は勢いよく地面を蹴った。勢いよく体が持ち上がる。その状況について行けなくなった僕の意識は、ここで途切れてしまった。

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