二章第一話 大きな人間と島生活の始まり
海岸にボートを上げたリックは、島の中に入った。
島を人間に荒らされてから100年以上も経っている。 既に荒らされた痕もなく、木々が青々と茂っていた。
水と食料はある。 しかし、すぐになくなるであろう水は探す必要があった。今日中に寝床も作りたい。そう思いつつ、森へと足を踏み入れた。
哺乳動物は居ないだろう。 しかし、それらよりももっと危険な生物がいるかもしれない。 サソリや蛇だ。 これらは落ち葉を好み生活している。 気付かずに近づくのは危険である。 左足が裸足であるリックは尚更の事であった。 運悪く踏み付けてしまえば刺されて死んでしまうかもしれない。 なるべく落ち葉を避けて通った。
突然大雨が降ってきた。 急いで木陰に避難したものの、防ぎきれていない。 リックの体はビショビショに濡れて、右足のブーツの中まで水が溜まった。 しかし、通り雨だったのかその後すぐに日差しが戻ってきた。
リックは着ている布切れを全て脱いで絞り、ブーツを逆さにして水を出す。 少し疲れた表情をしたリックだったが、休んでいる暇はない。 再び探検を開始した。
あっちこっちが泥になっている。 左足は裸足のまま泥を踏み突き進んだ。 ヌルッとした感触がやる気を削ぐ。とは言え、ここでようやく泉に出られたのだった。
リックは一息つこうとドカッと腰を落とした。
結局リックは泉のほとりで眠ってしまったのだった。