異変 2
「直人~!」
授業が終わり、さっそく帰ろうとしていた俺のもとにやってきたのは、栄介だった。
「なんだ。栄介か」
「なんだって……もう、酷いなぁ、そんな言い方」
不機嫌そうに頬を膨らませる栄介。俺はそれを無視して帰りの支度を進める。
「なんだ。何か用か?」
「あ、うん。その……あのね、直人に謝らなくちゃいけないことがあってね……」
「……謝らなくちゃいけないこと?」
手を止めて俺は栄介の方を見た。
栄介は俺が見ると、少し視線を反らして申し訳なさそうにしている。
「あ……だ、だから、ごめんね……」
「……で、何をしでかしたんだ?」
俺が聞くと、栄介は答えにくそうにもじもじとしていた。
ただでさえ最近のことでイライラしている俺は思わず栄介を睨みつけてしまった。
すると、栄介は観念したように俺の方を向く。
「あの……直人って、眼鏡の女の子の知り合い、いる?」
「……眼鏡の女の子?」
「うん。髪が短くて、なんというか……落ち着いた感じの女の子なんだけど」
「知らん。そんな奴とは会ったこともない」
意味のわからない栄介の言葉に俺は焦った。
其れが一体何を示すのか俺には理解できなかったからだ。理解できないということはなんとも恐ろしいことである。
「そっか……やっぱり不味かったかなぁ」
「なんだ。その女と何かあったのか?」
「うん……ホントごめん。その子がね、『逢沢直人君の家はどこですか』って聞いてくるんだよ」
「……は? お前、もしかしてそれで教えたのか?」
「ご、ごめん! だって、名前知ってたし、直人の知り合いなのかな、って……」
呆れて俺は何も言えなかった。そして、同時になんだか面倒なことになったと思った。
そんなどこの誰とも知らないヤツが俺の家を探しているというのだ。
さすがの俺としてもそんなことを言われれば、動じないわけがない。
思わず大きくため息をついてしまった。
「あ……ほ、ホントにごめんね……」
「どうしたの?」
そこへ、さらにまた面倒なヤツが割って入ってきた。




