協力者、再び 4
「そうだ。別に俺は構わないんだぜ? 力ずくでお前と藤野が犬井をイジメている最中に止めに入っても」
「え……な、何? アンタ、私達に勝てると思っているの? あ、あはは……ば、馬鹿じゃないの? アンタなんて……」
しかし、長澤は言葉を続けられなかった。
いくら不良で通っている長澤だって、男相手に喧嘩をしたことなどなかったのだろう。
そうなると俺の言葉は文字通り脅し以外の何者でもないわけである。
俺はそれを見越してそれを言ったわけでは在るが。
「そうか。じゃあ、八百長はなし。ガチで腕力で、俺がお前達のイジメを止めることにするか」
「え……ちょ、ちょっと待ちなさいよ。わ、わかったわよ……アンタが来たら、駄犬をイジメるのをやめるようにするわ。そしたら、アンタがちゃんとフォローしなさいよ」
「ああ。そうか。わかった」
不機嫌そうにそう言っていながらも、俺が納得したのを見ると、長澤は小さく溜息をついた。
しかし、俺は割りと本気だった。
別に俺の新しい人生のポリシー、つまり、犬井の悲しみに塗れた表情を見るという目標のためには、ある程度の強行的手段もやむなしと思っていた。
それは、協力者である長澤であっても、邪魔をするようなことがあれば致し方ない。たとえ長澤が女であっても。
「じゃあ、そういうことだ。時は放課後。場所はあまり人気のない場所……校舎裏とかでいいんじゃないか?」
「え? 何? 教室でやるんじゃないの?」
「ああ、だめだ。俺はあまり目立ちたくないからな」
そう言ってそのまま俺は教室に戻った。
目立ちたくない、か……
自分の言った言葉をこれほどまでに矛盾したものだと思ったことはない。
俺は一人で気持ち悪く微笑んだのであった。




