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友達の日々 2

 といっても、俺も隣の席なのだから同じように席に戻る。


 机の前には未だに栄介がいて、不満そうに俺のことを見ていた。


「なんだ。栄介。まだいたのか?」


「なっ……な、直人……へ、へぇ~……直人は、ホントに、最近仲いいよねぇ~」


 栄介はなぜか大層わざとしらしく俺に向かってそう言った。


 犬井はその言葉を聞いて、ドキッとしたようで、小さく縮こまってしまった。


「ああ。そうだな」


 しかし、俺は特に否定しない。


 俺のそのリアクションに栄介は戸惑ったように俺を見る。


「……な、何? どういうつもりなの? 直人」


 そして、なぜか俺の耳に口を近づけて小声で聞いてきた。


「どういうつもり、って?」


「だ、だってさぁ……いや。いいんだけどさぁ……僕、直人ってそういうのには興味ないのかなぁ、って思ってたから」


「そういうのって、どういうのだ?」


「いや、だからさ……な、直人も男の子なんだなぁ、ってね……あ、あはは……」


 その言葉を聞いて俺が栄介を睨むと、栄介は気まずそうな顔をしてそのまま自分の席に戻っていってしまった。


 そして、俺は犬井のほうの顔を向ける。犬井は相変らずすまなそうに身体を小さくしていた。


「どうした? なんでそんな小さくなってんだ」


「あ……ご、ごめんね……」


 そして、なぜか謝る犬井。


「なぜ、謝る?」


「だ、だって……わ、私の相手なんてしなくていいよ、やっぱり……」


「なんだ? 俺が何か悪いことをしたか?」


「そ、そういうわけじゃないんだけど……」


 そして、顔をあげて一瞬だけ俺のことを見る。そして、そのまま何も言わずに俯いてしまった。


 犬井と俺が友達になって、一週間が経った。


 しかし、どうにも犬井と俺は友達にさえなりきれていない気がする。


 犬井はなぜか未だに俺に対して一線を引いているのだ。


 まるで野生の猫が人間に懐かないのと一緒で未だに俺は犬井に警戒されているようなのである。

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