88 月下美人
88 月下美人
全裸で空を飛ぶ母さんは美しかった。
多分、15万人ほどがそう思っていることだろう。
俺は馬の背に立ち上がり、左手のワイヤーを氏氏氏のすぐ脇に打ち込むと、望楼を横になって駆け上がり、空飛ぶ母さんを抱き留めた。
すぐに、ワイヤーを緩めて、母さんを抱きながら地上に降り立った。
だから、ロッククライミングの成績は良かったんだってば。
母さんは涙目になっていて美しいが、全裸なので両軍15万の兵士たちも困っている。
「よろしければ、これを」
振り向くと総大将がフンドシ一枚になり、自分の着物を母さんに差し出していた。
背中に大きく毘沙門天が描かれていた着物を受け取ると、そそくさと着込んだ母さんは赤くなって、
「ありがとうございます」
と、乙女のように小声で礼を言っていた。
長尾氏虎氏は、160ぐらいの精悍な顔をしたイケメンだったが、30歳ぐらいなのに照れて赤くなっていた。
周りの武将たちが、戦場であることも忘れて、はやし立て、更に二人を照れさせていた。
母さん、ほれっぽいだけなんじゃ?
「ありがとうございます。それから、関東管領ご就任お祝い申し上げます。上杉氏虎様」
俺は、お礼を言って、革袋の金貨を全部渡した。
「金貨100枚!」
武将たちが驚いていた。
「いやいや、そのような大役、某にはちと荷が重いのじゃが」
謙遜しながらも氏虎氏は、まあ、嬉しいようだった。
「落ち着きましたら、改めてお礼にお伺いします。今日の所はこれで失礼します」
俺は母さんを馬の前に乗せて跨がると、おっちゃんの村に戻っていった。
母さんはちょこちょこ氏虎氏を見ていたし、氏虎氏は母さんに釘づけのようだった。
望楼の上では、氏氏氏が帷子を持ったままフリーズしていた。
エリダヌスに母さんを連れて帰った。
母さんを地球に連れて帰らない時点で、俺の故郷はエリダヌスになってしまったのだ。ミッションコンプリートだと言うのに、出発前と人生がだいぶ変わってしまった。
まあ、今更一夫一婦制に戻れないよな。
4長官は特別措置法を制定し、妻および妻候補者は14歳への若返り処置を認めていた。
お陰で、領内はみんな14歳の処女に戻っていて、誰が誰やらわからない状態だった。
エリダヌスでは3年が過ぎていたのだという。
「オペレッタ!」
「だけど、3年飛ばなければ、お母さんは見つからなかったはず。それに、ユーキが変な飛ばし方をしたのが原因」
言われてみると、その通りだった。
普通に飛んでいたら、母さんには出会えないところだった。
だが、14歳に戻っていないものもいた。
「チカコ!」
推定二十歳のチカコは驚くべき美女になっていた。
「だって、誰も私を妻候補として認めてくれないのよ。失礼しちゃうわ」
「ナタリー!」
外見二十歳のナタリーも凄い美女だった。
17歳とは違う迫力があった。
「私は閣下の侍女ですから、その、その、プロポーズして頂けるまではと待っていました」
タキとレン、サラスとイリスも二十歳前後で、色っぽさは増しているようだった。
「すぐに帰ってくると信じてました」
うんうん、妻とはこういう落ち着きがなければいけないよなあ。
ドタドタドタ。
「リーナさん?」
「だって、オペレッタちゃんが14歳が最強だと言うから」
「でも、その下半身は?」
確かに外見は14歳ぽいが、下半身は以前の2倍はあろうかという大きさである。巻きスカートがはじけそうだった。
「オペレッタちゃんに勝つために、色々機能を盛り込んでいたらこんなになっちゃって」
「却下!」
「ふええ」
「泣いても駄目。元のリーナさんに戻ること」
「祐貴の意地悪ー」
ドタドタ走っていった。
そのとき、柱の陰から覗いているものを発見した。
奇跡の鴇色である。
「ラーマ!」
「は、は、はい」
ラーマは諦めて俺の前に来た。
だが、どう見ても12歳ぐらいにしか見えない。
「あの、ラーマさん?」
「若返れば、いっぱい子供を産めると思って」
流石はラーマ遺伝子の提供者と言ったところだろうか、やりたい放題である。
「だからといって限度があるんじゃ」
「ラーマは、来月こそきっと女になりますぅ」
女になりますって、初潮前に戻ったの?
大丈夫なのか? おっぱいが殆ど無いんだが。
「すぐに大きくなるもん。ユウキのいじわるー」
走って逃げていった。
その後、ヨリとミヤビとミサコが、お目々キラキラの真っ赤っかのワクワクどきどきで現れて、やっとの事でファーストキスすると逃げていった。
それを10人委員会だったり、母親10人委員会だったり、ホエール娘だったり、その母親たちだったり、新潟娘たちだったりが、赤い顔をして覗いていた。
みんな、14歳以下だった。
そして、トップレスのノーパンだった。
「セリーヌ!」
「はい!」
「そんなに短いスカートを穿いて、ホエールは大丈夫なのか!」
こんなんでも、一応ホエールの女帝である。
ホエールの安全のために来ていたはずなのに、本末転倒じゃないのか。
「豊作が骨抜きになっているので、チカコが市場を見守ってくれてます。それに」
「それに?」
「私が男の子を産んだら、将来ホエールの代表にするって260星系の首相たちが……」
どん!
「あら、私が産んでも良いって言ってたわよ。首相たちは」
「豪華! あなたずるいわよ!」
「何、今度こそ長年の決着をつけるわ」
「良いでしょう、後悔しないでね」
「あ、それなら私も」
「私も」
すぐにカエデやカエデや彩子やカエデが、あれ?
「私は、ツバキよ」
「私は、モミジ」
「私がカエデよ。妹たち、邪魔よ」
なんかドタバタして誰が誰だかわからない。
「でも、ユウキは私が一番よね」
「セン!」
「ああ、やっと第1夫人が決まりました」
センはそう言うと、俺の膝の上に座った。
良い匂いがしたが、やはり14歳以下なのだった。
「こら、セン。後から来てひどいわ」
「そうよ、私は今度こそ男の子を産むんだから」
「あら、私もよ」
段々人数が増えていくので、俺は逃げ出した。
その夜は迎賓館で、村長たちが帰国のお祝いを開催してくれた。
迎賓館の隣にはかなりデカい侍女館が建てられていて、侍女250名、侍女見習い300名、女官200名が住んでいるという。
侍女たちはメイド服ではなく、トップレスだった。
何故か外国人官僚も普通に混ざっていた。
みんな、14歳以下だった。
俺は各村長やゲストから、順番に挨拶を受けた。
タルト村、村長タルト。
カリモシ村、村長カリモシ。
ニタ村、村長ニタ。
サンヤ牧場、牧場主マリブ。
ラシ村、村長ラシ。
カマウ村、村長カマウ。
イタモシ村、村長イタモシ。
パルタ村、村長パルタ。
ロン村、村長ロン。
ギルポン村、村長ギルポン。
ナルメ村、村長ナルメ。
ミト村、村長ミト。
トチ村、村長トチ。
ウマヤ村、村長ウマヤ。
ユザワ村、村長ユザワ。
トオカ村、村長トオカ。
ウオヌマ村、村長ウオヌマ。
サク村、村長サク。
ドウトンボリ試験開発地区、代表小堺睦夫。
薩摩黒豚保存会、エリダヌス地区長ヒカリ。
元族長、タマウ。
元族長、スルト。
カナ・ホテルグループ代表、ミゲール玉置。
七湖荘、支配人サンヤ。
湘南リゾート代表、ツバキ。
ユザワ・カナホテル支配人、モミジ。
大工連盟会長、父ジャケ。
鍛冶連盟会長、ミタ。
ロシア村長連合総長、タガーノフ。
ボルネオ島バラモン、スコッティ。
チベット王、ドジェ・ゲーモ。
ガンデン寺名代、ダワ・メトゥ。
村長たちは、少しも変わっていなかった。
タルト村は表高1000石を越えたという。
トオカ、ウオヌマ、サクの3人はユザワの友人や後輩で、農業高校の卒業生である。
小堺氏は大阪市の職員だという。
大阪人が美味いものを食べたいとうるさいので、市長が懇願してきて試験開発を許しているという。
現地妻を持ったら大変なので、それだけは守っているが、もうそろそろ限界で、移民に切り替えたいとぼやいている。
妻候補者が100人を超えたそうだ。
部下はアンドロイドだけだ。
寂しいだろうな。
ヒカリは、薩摩の黒豚が、日本の農業の基準では育てられないと危機意識を持った人たちで結成された団体から派遣されているが、処女再生を『ついで』に受けてしまったという、やり手である。
黒豚は薩摩人や保存会のメンバーにしか売らないのだという。
メンバーは女ばかりで来ているが、今のところ危険は無いそうだ。
ミゲールは出世して、ユウキカナホテルだけではなく、3つのホテルの代表になった。
更に、地球のタルトワイン愛好会の会長にも就任して、地球、ホエール、エリダヌスと3つの世界で役職を持つ珍しい人物となった。
だが、本人の夢はパルタと暮らすことらしい。
気の毒に。
ツバキはカナホテルの重役から独立して、湘南リゾート全体の責任者となった。
移民で、ススから許認可を貰っている。
モミジもカエデの妹で、カナの家系の第2夫人が母親だから、最初からカナホテルチェーンに就職していた。
そして、ユザワの温泉が婦人病に効き、美容効果も高いと知ると、ホテルを建ててしまった。
お陰でユザワ村には大きなGが落ちてくるが、ユザワ村長は金の使い道がないと嘆いている。
父ジャケと、ニタの従兄弟であるミタは、この世界では名誉職だろう。
村長ではないのに、村長並みに尊敬すべき人物として、祭り上げられた。
確かにそうだ。
ミタは砂金から銅を分離して使い、残った金は金塊にして俺の領地に送って寄越す。
お陰で金塊が煉瓦のように積み上げられていて、使い道がない。
タガーノフはロシア移民団の団長だったが、最初の村の村長でもあり、本国との貿易や交渉の責任者でもある。
まあ、外交上は首相だろう。
威張らない、気さくないい男である。
現地人のために村を作り、スキーリゾートまで計画している。
スコッティ元大統領は、すべてを乗り越えた賢者のようだった。
地球に帰りたいなどとは、もう思わないようだ。
少し、乾涸らびているようなのが心配だったが。
とはいえ、ここまでは俺にとってほんの2、3日留守にしていた感覚なので、相手の3年間不在だったという心情とのギャップがある。
各村長が涙ながらに挨拶してくるが、こっちにしてみれば大げさな話に感じてしまうのだ。
だが、最後の二人のゲストは、俺にとっても懐かしい。
ダライラマ氏とガンデン・ティパ氏である。
「ユウキ、そなたはちと薄情だ」
17歳のダライラマ氏は、それはもうオーラを放っているようである。
一国の王なのだから仕方が無いが、17歳の美人で女王でトップレスって、耐えられないんじゃないか。
普通に立っているだけで見えそうなミニ丈だし。
「昔から、人の気持ちなど考えない人でしたよ」
二十歳になるガンデン・ティパ氏も、もの凄いと言える美人で、俺がかなり夢中になっていたのは今でも最高機密である。
勿論、マナイしか知らないはずだ。
「どうして、二人ともトップレスなんだよ」
「たわけ、ユウキがこれを正装に定めたのであろう」
「そうですよ。そうでなければ誰がこんな恥ずかしい格好をするものですか」
「いや、先生時代も僧服を着てましたよね」
「あの頃とは、立場が違うのじゃ」
「ええっ、今の方が偉いんですよね」
「違います。あの頃はユウキの教師でした。直接の教え子ではありませんでしたが」
「そうじゃ、ユウキの先生だったのじゃ。今はただの一国の王、星系連合代表とじゃ釣り合いが取れん。偉いのはあの頃の方が上じゃ」
「そうかなあ、そうは思えないんですけど」
「おぬしは、余が死ぬほど恥ずかしい思いで着ておるのを無駄にする気か」
「そうですよ、こんなの本国でしたら、みんな気絶します」
いや、俺も気絶した方が楽なぐらいなんですが。
「それで、どうなのじゃ」
「何がでしょう?」
「うぬぬ、相変わらずの唐変木じゃ。若い女がこんな格好をして聞いておるのじゃ。感想ぐらい無いのか」
「ああ、ええと、素晴らしいと思います」
「うう、何か気に入らぬ。もっと気の利いた感想はないのか」
「はい、とても成長されたと思います」
「く、棒読みで逃げようなどとは小賢しい。今まで、何度も何度も女が命がけになっておるというのに、今宵は逃がさぬ。ティパ、ユウキを風呂につれて行くぞ」
「はい、猊下」
「いや、お客さんも一杯いるし、抜けるのは拙いんじゃ」
「みんな、空気の読める客じゃ。余らの覚悟は見せてある。それに、こっちも侍女を20人連れてきて、客の相手をさせておるから文句など来ないじゃろう」
ええ、チベットの侍女?
うん、見たい。凄く見たい。
「誰が見せるか。こういうのは分かり易いのじゃが。何故じゃ。いやともかく風呂まで来い」
俺は二人に『無理矢理』風呂に連れて行かれた。
ドウ、公式記録にしてよね。
風呂場にはナミとナリが徴発されていた。
この二人は、恐ろしいほど従順で、嫌がったり躊躇ったりしたことがない。無口で感情がないように見えるが、可愛い笑顔を振りまいたりする。
侍女であることは俺の女であることと同義であり、我が儘など言わない。
「よし、ティパ。ユウキの前に立て」
「はい、陛下。いや、猊下」
うーん、今夜は昔の呼称にこだわりがあるようだ。
チベット王にしたのが、そんなに不満だったのだろうか。
俺は左右をナミとナリに押さえられ、動け無くされていた。
ナミとナリは俺に従順なはずなのに、なぜダライラマ氏の言うことしか聞かないのだろうか。
「良いか、ベスト10に入らなかったら諦めよ」
「はい、猊下」
ガンデン・ティパ氏は、美しい裸体を俺の目の前にさらした。
恥じらっている分、余計に美しい。
「ユウキ、好きな女を10人あげよ」
「げ、猊下、それでは絶対に無理です」
「では、どうするのじゃ」
「生意気なようですが、美しい女でやってもらえないでしょうか。その方が諦めもつきます。できれば現地人は除いて頂きたいのですが……」
「そうか、それくらいのハンデは必要じゃろうな。では、ユウキ、ティパを見て答えよ。美しい女は誰じゃ、10人じゃぞ」
俺が答えずにそっぽ向くと
にぎり!
ナミが握りしめる。
「ら、ラーマ」
「現地人は除くことにしたぞ、次は?」
何、この拷問?
「チカコ」
ナミが肯く。やっぱりわかるの?
「次じゃ」
「ナタリー」
「次」
「ヨリ」
「次」
目の前に裸のティパ氏が恥じらいながら立っているのだ。
他の女を思い出すことも難しいのではないだろうか。
俺はクラとかレンとか混ぜてしまう。
その後、サクラコやカオルコまで混ぜたが、9人目にポリーナと言ってしまった。
これは拙かった。
可愛い女や好きな女ならポリーナを1位に入れてもおかしくない。
だが美しい女で、しかもティパ氏の前でポリーナをあげられるとは思えない。
客観的に見てもティパ氏はベスト5ぐらいなのだ。
変態と思われても、母さんにしとくんだった。
にぎり!
ナミがにぎり直し、首を振る。
「ティパ、勝ったぞ。9位でボロを出しおった」
ティパ氏は涙を流しながら湯船の中を歩いてくる。
「バカー!」
ばほん!
俺は横面を張られた。
「怖かったんだから、どうしようと思ったんだから」
ティパ氏は俺の胸の中でポカポカ叩いてきた。
それはとても美しかった。
「猊下、わかってたんですか」
「いつか、そやつの名を教えると言っておったじゃろう」
「ダワ・メトゥ。月と花ですか」
「こめられた意味は、月下美人じゃよ。いくらラーマやヨリが太陽でも、月の美しさはまた別じゃろう?」
確かに。
「ですが、猊下が入って無くても良かったんですか?」
俺は嫌みで聞いたのだ。
「13歳の余が入っておったらおかしいじゃろう。もしそうなら」
「なら?」
「千切っておったぞ」
そのまま、猊下は笑いながら出て行ったが、俺は背筋に恐怖を走らせていた。
それは千切られる恐怖ではない。
17歳の自分を見せたぞという意味だ。
いや、千切ると契るをかけたのか。
その日は一晩中、月下美人を愛でたのは言うまでも無いだろう。
ナミとナリはチベット語の生徒だった。
先生は生徒より偉いのだと教えたのは俺だった。
翌日、クラとロマが帰郷すると、俺は自分が大切だと思う女性が全員領内に揃っているのを確認できた。
好きだとか、大切だとか、側にいて欲しいとか、女が選択するルールの星で、俺は自分から言うべき言葉を、相手が選んでくれるまで我慢し続けた。
使える女。
可愛い女。
美人の女。
癒やされる女。
察しのいい女。
全部、ここにいる。
俺が好んだ女性が全員揃っている。
しかもだ、元人妻まで全員処女なんだぞ。
更に、対人関係の魔女、マナイ。
更に、経済関係の魔女、チカコ。
外交も経済も、この二人がいれば負けることはない。
戦争なんか仕掛けてきたら、ホエール軍ですら、オペレッタの敵ではない。
愛する女?
勿論、これから一杯愛し合うのだ。
まあ、ナナとサラサは人妻だから、どっきどきのNGなのだが、それが楽しいのかもしれない。
きっと、いつかは再選択の時が来るのかもしれないが、焦ることはない。
だから、長屋を借りないでね。
その後、領内の14歳以上の女性は、全員が俺の妻になり、妻の邸が増設されていった。
これこそが、本当に奇跡である。
いや、男の夢か。
毎晩、毎晩、天国で地獄だけどさ。
大丈夫、ボルネオ島には優れたバラモンがいるから、色々と秘訣を教えてもらえる。
こういうとき、男友達がいれば、何というのか教えてもらえるかもしれない。
「でも、ユウキ君。高校は留年よ」
14歳のポリーナ先生は、気の毒そうに告げてきた。
どひぇー、ずっと頑張ってきたのに!
おしまい
補足
母さんは処女に戻り、惑星日本で上杉謙信公の正室になった。
謙信公は、俺が輸出した『スタンガン』で、誰も殺さずに天下を平定し、越後に新潟幕府を開いた。
この星は金が少なく、地球の300倍以上も貴重なので、謙信公に20万トンほど預けると、外国から『黄金の国、日本』と呼ばれて、恐れられるようになった。
成人した織田虎長は、謙信公の命により大明国を平定しに行き、誰も殺さずに中国を統一すると、ロシアとインドにも農民の国を広げていった。
一方で竹千代は、いや松平虎康は、謙信公の命によりアメリカ大陸に派遣され、アパッチやシャイアンといった部族に農業を普及させ、一大農業国家を築いた。
謙信公はその辺りでエリダヌス同盟に参加し、選択法、再選択法を普及させた。
謙信公の周りは処女ばかりになり、生涯不犯の人と呼ばれるようになった。
母さんはどうなるんだよ、という俺の突っ込みに答えてくれる歴史家はいなかった。
そう言えば、氏氏氏はあれ以来、小田原城から一歩も外に出なかった。
俺は、夫に離縁された北国美人のねね(10人に一人はねねという名前だそうだ。
美人につけられるという)を処女14歳に戻して、小田原城に送りつけた。
効果抜群だった。
親父と校長は妻を20人まで増やし、幸せに暮らしていた。
「この星は、最高だぜ」
「僕も、妻がいる生活にあこがれていたから、ここは最高だよ、祐貴君」
親父はともかく、校長は相変わらずのロリコンだった。
母さんと母さんは、二人とも処女に戻って俺を再選択した。
「いいえ、ユウキが最初の選択よ」
「ユウキの赤ちゃんばかり」
ラーマとは16歳で結婚し、領内最後の妻と呼ばれた。
ラーマより幼い少女が、あのときにはいなかったからだ。
最初の妻で、最後の妻とはラーマらしかった。
最後まで応援ありがとうございました。
皆様のお陰で、挫けずエンディングを迎えられました。
厚く御礼申し上げます。
それから、このサイトにも感謝いたします。
ど素人にもチャンスを頂けて、感激です。
まあ、これで私もレベル2ぐらいにはなれたかと思います。
次は、夢の処女惑星2で、お目にかかりましょう。(ないけど)
調子に乗って、外伝を始めてしまいました。
リンクの貼り方がわからないので、興味のある方は探してください。
でも、馬鹿なので、できれば探さないでください。