息抜話 夢の処女召喚2
息抜話 夢の処女召喚2
俺は自称であるが勇者である。
何故自称かと言えば、異なる表現をするのものが多いからだ。
俺は召喚体質という、何だか聞き慣れない珍しいギフトを持っている。
ある条件で召喚されるのだが、実はその時にとても変な対価が必要なのである。
そして、その変な対価のせいで召喚者は大抵俺のことを『魔王』と呼ぶ。
今までは、『淫魔』とか多少は呼称が変わったこともあるが、まあ、例外はない。
けれども、契約して、対価をもらえば最強の勇者であることは間違いない。
絶大なパワーとチート能力を発揮し、はっきり言って無双である。
まあ、それでも制限はついているのだが、それは仕方がないだろう。
何でも無制限では、世の中に不満が溢れるからだ。
俺が言うのも何だが、無制限というのは卑怯すぎて面白くない。
怪物と戦えるのは内部バッテリーの範囲内とかの制限がある方が、観客も喜ぶことだろう。
そんな話しをしている間に、新たな召喚者から呼び出しがあった。
俺は召喚者の所へ飛ばされていく。
原理や理屈や拒否権などない。
そう言う体質だと説明したよなあ。
さて、今回の召喚者は美人かなと、いたぞあれだ。
彼女は現在、自分のであろうベッドの上で、スキンヘッドの大男に犯されかけている。
上にのしかかったスキンヘッドの大男が彼女の左脚から純白のパンツを引き抜こうとして、太股の途中で止めたから、そう言う趣味であろうことは明かだろうと思う。
かなり質素な部屋で、生活臭はあまりしない感じだから、召喚者の身分はかなり低いか、恵まれない家庭なのだろう。
引き裂かれたワンピースも、痛々しい感じだ。
さて、契約のためのシンキングタイムにしようか。
時間を一応止めておく。
もう数秒で、彼女は処女ではなくなるかも知れないからだ。
女は見かけじゃ処女かどうか分からないから、この召喚を信じなければ、彼女の処女は永遠に失われてしまうかも知れない。
時間は止めたが、彼女の意識と会話が出来る。
彼女の身体は動かないが、エクトプラズムみたいな、一種の霊体のような形で会話することが可能になる。
これが俺の能力に含まれるのかどうかは良くわからない。
ただ、契約前にどうしても必要な事は確かだから、能力として備わっているのかも知れない。
契約前にしか意識して使えないから、召喚の条件であり、能力ではないのかも知れない。
「俺を呼んだのはお前か」
「あああ、勇者様なのですか。どうかお助け下さい」
「しかし、助けるには契約しなければならない。そして契約にはある条件を承諾してもらうしかないのだが、それは君にとって助けてもらう意味が失われる可能性があるんだ」
「どんな条件でも頑張ります」
「しかしなあ、かなり過酷な条件になると思うぞ」
「ここは今、大変なのです。助けて下さい」
「君は13歳の処女で間違いないな」
「処女って、えっちしたことないって意味ですか。えっちってどんなことするのでしょう」
「それを知らないなら君は処女だろう」
「そう言えば先月、公園で変なおじさんが1万円あげるからと言うので」
「ので?」
「走って逃げちゃいました。1万円貰って、えっちした方が良かったのでしょうか」
「そう言うときは助けを求めるか、警察に通報しなさい」
「でも、可哀想なおじさんでしたよ。35歳で童貞なんだとか。童貞って、破産とか失業者とかはみ出し者とか負け組って意味なんですよね」
「いや、そこまでひどくはないんだが」
「そうですか、てっきり悲惨な日々を送っている方かと」
「まあ、ある意味ではそうかも」
「だったら、1万円貰ってはいけませんよね。只でえっちしてあげないといけ」
「やめなさい!」
「でも」
「いいからやめなさい」
「はい、勇者様」
「良い子だ」
ふー、俺は霊体なのに汗を拭った。
「どうして、この人も私も動けないのでしょう?」
「今、時間は止まっているんだ。俺はシンキングタイムと呼んでいるが、契約が済むまでの特典みたいなものだ。君が処女なら俺と契約できる」
召喚者は、己の置かれた状況を確認したようだ。
大男の視線が彼女の股間に注がれている。
しかし、身体は止まったまま動かない。
俺と契約すれば彼女は助かるし、変なおじさんに処女を捧げたりしないですむ。
「でも、お話しできてます」
「契約までの時間、幽体離脱のようなまねも可能なんだ。何故だかは聞かないでくれるとありがたいが」
召喚者は、少し動いてみて、コツを掴んだのか、ズルズルと這い出てくる。
霊体のようなものだから、当然全裸である。
しかし、薄く透けているので、多少は慰めになるだろう。
「ふー、このおじさん、重くて怖くて臭いんです」
召喚者は霊体でスキンヘッドの大男を触ろうとするが、手が素通りしてしまう。
「そろそろ契約の話をしたいのだが、いいかな」
「はい。勇者様」
「ユウキ、と呼んでくれ。君は?」
「1年2組で学級委員をしているミサコです」
「それで、ミサコ。君は何を望むんだ」
「この里を助けて下さい」
「君じゃあないのか」
「私はどうなっても良いのです。ただこの里にいる子供はみんな孤児なんです。最近、この里の土地が悪い人たちに渡ってしまって、パチンコ屋にするから立ち退けと毎日嫌がらせに来るんです」
「そうか、それでは君も?」
「はい、両親が会社の経営に失敗して蒸発してしまいました。私はここの神父様に助けられまして。きっとご恩返しにもなりますよね」
「ああ、喜んでくれるだろう。それで、こいつを追っ払えば良いのかな」
「いいえ、追い払ってもまたすぐにやってくるでしょう。警察は民事不介入とかで助けてくれません」
「悪い奴らは何匹、いや、何人くらいいるのかな」
「さあ、駅前に事務所があるとか言ってましたが、きっと権利がある限り誰かがやってくるでしょう」
どうやらこの少女は頭が良いようだ。
いくら広範囲殲滅魔法が使えても、土地の権利をどうにかできるわけではない。
当然、やっつけるだけでは解決しないことになる。
町中のヤーさんを叩きつぶしても、権利がなければ意味がないだろう。
「撃退は可能だが、土地の権利を奪うのは悪いことだよなあ」
「土地の権利を書き換える魔法とかないのでしょうか」
「いやあ、流石に土地の権利を書き換える魔法など聞いたことがない。おそらくそんな魔法はないだろう。あれば一瞬でこの世の土地の権利が書き換わってしまう。だが、今でも土地成金や地上げ屋が存在すると言うことはそんな魔法は存在しないのだろう」
「それじゃ、毎日撃退していくのですか?」
「それも面倒だ。どこかにここの土地の権利でパチンコ屋を開こうとしている奴がいるんだ。心当たりはないのか、ヤーさんまで使って嫌がらせをしそうな奴。そいつに土地を寄付させれば介入しているヤーさんも諦めるだろう」
ミサコは少し考えていたが、首を振った。
「心当たりはありません。それに暴力団ならともかく、土地の権利者を暴力で脅かすのは、いけないことだと思います」
「では、どうするのが君の望みなんだ」
「そうですね。暴力団を暴力でやっつけるのは有りだと思います。そのために勇者様が現れたのでしょうから」
「魔法ですべて吹き飛ばす手もあるが。とりあえず権利書は消滅できて、君は安泰だと思うが」
「普通の人に損をさせることはできません。神父様が寄付を集めていますから、それで納得して貰う方が良いと思います」
「しかし、寄付金が集まらず上手く行かないかも知れないぞ」
「望みがある内は、頑張りましょう」
「そうか、それで契約の対価なのだが」
「そんなこと言ってましたね。何を払えばいいのでしょう。お金も土地もありませんが」
「いやあ、その、君の処女なんだ」
「もう一度言って下さいますか?」
「君の処女が代価だ」
「それって、あげられるものだったんですね」
学級委員ミサコは、嬉々としながら寄ってきた。
霊体のくせに器用な奴だった。
「そうだ。君はそのスキンヘッドの大男から助けられても、俺に処女を奪われることになる」
「それで助かるんなら、ミサコ頑張ります。処女をあげたことないのですが、大丈夫でしょうか?」
「正確には処女喪失と言って、俺とえっちすることなんだよ」
ミサコは目を輝かした。
霊体なのに器用な奴である。
「このおじさんや公園の変なおじさんがしようとしてた事ですよね。1万円や只でするより、お得ですね」
「いいや、お得という訳でもないのだがな」
「その辺のことは、良く知らないので、勇者様にお任せします」
実は、俺は少し混乱していた。
勇者の力に処女の生け贄が必要などという話しは聞いたことがないのだ。
経験はしているのだが。
これのせいで、不本意ながら『魔王』と呼ばれてしまう事は既に話したと思う。
しかし、自分では勇者のつもりなのだがな。
何しろ13歳の処女が助けてくれと召喚してくるのだから、正義の側であると信じたい。
だが、この純粋で汚れのない少女にこれからすることを考えると、我ながら勇者とは呼べない気がするのだ。
「えっち、えっち、勇者様とえっち~」
ミサコは歌って踊っている。
霊体なのに器用だよな。
「それでは、契約する事でいいな。俺は準備するから、自分の身体に戻るように」
「ちょっと待って下さい」
「いや、俺も結構つらいんだよ。心の準備が色々と必要なんだ」
ミサコは、スキンヘッドの大男にのしかかられている自分の姿と、俺を見比べている。
霊体なのに汗もかいているようだ。
大変、器用な奴である。
「その、処女をあげるのはどれくらい時間がかかるのでしょうか?」
「すぐに、いや、20分くらいはかかると思う」
処女に見栄張ってどうすんだよ、俺。
「そうですか、それじゃあサクラコちゃんの方は間に合わないですね」
「何だ、そのサクラコちゃんとやらは」
「実は、隣の部屋に金髪の男の人がサクラコちゃんを引っ張って行ったのです。きっと、えっちされるんだと思います。20分も時間が経ってしまったら、間に合いませんよね」
「うっ、俺の力は特殊で、処女パワーというのか、処女を奪ってからなら無敵だ。特別に3分で終わらせよう」
「流石は勇者様、凄いです!」
「これは契約が成立してからの限定的能力なんだ。決して普段から早い訳じゃないぞ」
「良かったです。3分ならきっとサクラコちゃんも間に合うと思います」
ミサコは泣き出した。
霊体なのに涙まで流している。
何度も言うが、器用な奴である。
「じゃあ、契約しようか」
「はい、よろしくお願いします」
その瞬間、一部の処女パワーが流れてきた。
仮契約のようなものだが、一部の力が解放される。
俺は、スキンヘッドを消滅させようと魔力を込めたとき、チラリとミサコの机の時間割を見てしまった。
「ミサコ、ここは地球なのか?」
「変な勇者様、ちゃんと日本語で話してるじゃないですか。ここは都心に近い、下野毛商店街の奥の方ですよ」
「下野毛?」
俺は、ついミサコの下半身を眺めてしまった。
「違います。神奈川県の下野毛です。こっちはえーと何て言うのでしょう」
「陰毛かな」
「そうです。私、この前2本も見つけたんですよ。おっぱいはサクラコちゃんの方が大きいけど、陰毛は私の方が先でした。サクラコちゃんよりも大人です。見て下さい勇者様、本当ですから。サクラコちゃんは産毛だと馬鹿にするのですが本物なんですよ」
いや、陰毛も産毛も、不毛な話だ。
何と、地球に、それも日本ですぐのご近所に召喚されていたのだった。
これじゃ、魔法を使うわけにはいかないじゃないか。
このスキンヘッドが消滅したりすれば、ミサコが警察に連行されてしまう。
今まで、好き勝手に魔法を使えたのは、異世界に召喚されたからだ。
異世界なら何をやっても後腐れないし、科学的に追求されることもない。
しかし、日本の警察は優秀だ。
魔法は認めなくても、俺が犯人であることはバレるだろう。
その後は、国家か、自衛隊か、CIAかが乗り出してくる。
日本どころか、地球に住めなくなるだろう。
「ミサコ、俺は瀬田に住んでいるんだ」
「えっ! 勇者様は異世界人じゃないのですか?」
「実はそうなんだよ。普通は異世界に召喚されるはずなんだが、何かの手違いがあったのだろう」
「でも、それなら毎日二子玉川でデートできますね。嬉しいなあ。時々サクラコちゃんも一緒で良いですよね。一緒にえっちして貰うんだから」
いやいや、それも拙い。
中1女子二人とえっちしたなんて、それこそ警察だよ。
しかし、困った。
こちらから契約破棄などできないし、ミサコは契約すると言ってるから成立してるんだよなあ。
処女パワーがドンドン上がっているような気がする。
「ミサコ、お前とえっちできなくなった」
「ええっ、私、何かいけないことしましたか」
いいや、いけないことをしたらアウトなんだよ。
「だが、お前とサクラコちゃんは助ける」
俺は、素手でスキンヘッドを殴り倒し、隣の部屋に駆け込んで、サクラコちゃんにお尻をあげさせている変態金髪ピアス男を蹴り上げて倒した。
二人の男を道端に放り出すと、更に下っ端に見える男が三人襲いかかって来た。
勿論、返り討ちにして、事務所の場所を聞き出した。
俺が事務所に行こうとすると、パンツにコートを羽織っただけのミサコと、『パンツが見つかりません』と顔を赤くするミニスカートのサクラコちゃんが追いかけてきた。
「サクラコちゃんも一緒にえっちするそうです」
その瞬間、俺の中の処女パワーがぐんと上がった。
これなら、魔法なんか使わないでも大丈夫だという確信があった。
俺は二人と手を繋いで、繁華街の事務所に乗り込んだ。
事務所の1階はいかがわしい風俗店で、半裸以上の女たちが男たちに奉仕していた。
「あんな事をするんですね」
「勇者様は喜んで下さるでしょうか」
よくわかってない二人には刺激が強すぎたが、ここまで来て帰るわけにも行かない。
俺たちは1階のフロアを突っ切って奥の階段に駆け込んだ。
途中、ウエイターみたいなのが殴りかかって来たので、店の天井まで放り投げた。
それから2階の事務所に入ると、下の風俗店より凄いことをしている幹部たちがいた。
「ああー、組長大きい、大きいの」
「あんなやり方もあるんですね」
「さっき見たのと違いますー」
「きゃー」
「何だ、お前は」
「ガキがガキ連れて何しとんじゃ」
全裸の女たちが逃げ出すと、幹部たちがズボンを引き上げながら喚いてきたが、2発で片付けた。
幹部は身体を鍛えなくてもいいのか。
それはともかく、幹部の一人を締め上げて、土地の権利者を吐かせた。
「オジキが知っている」
そのオジキの店に殴り込むと、高級な、しかし過激な風俗店で、ミサコたちには勉強になったようだが、オジキが吐いたことは、たいした情報ではなかった。
「兄貴が知っている」
兄貴というのは、どこかの会社の社長らしい。
組長の上にオジキがいて、その上が兄貴らしい。
どうも組織は苦手だ。
組長が一番えらいのかと思っていたのだ。
次長代理とか、副部長補佐とかなのだろうか。
そこでもう一度同じようなことを繰り返したが、兄貴の上には会長がいて、その上にオジキがいて、若頭がいるらしい。
若頭も相撲みたいに3枚目とか10枚目とかいるのだろうか。
最初の事務所の組長って、名ばかりの管理職だろうか、相当下っ端である。
ブラック企業だな。
それとも、下請けの下請けなのだろうか。
派遣の組長とか、パートのオジキとかもいるのだろうか。
しかし、何処も同じような風俗店の上の階で、段々と店の女たちが若く、美しくなっていくことぐらいしか分からなかった。
謎の処女パワーは時々怪しくなったが、その度にミサコがコートを開いたり、サクラコちゃんがミニスカートをめくったりして補充することができた。
何故か風俗店のお嬢様たちも、たっぷりと見せてくれたりした。
高級店には処女もいるのだろうか。
力が漲るような気がしたが、ミサコがコートを脱いで張り合うので、すぐに切り上げた。
俺たちはついに、大きな屋敷に殴り込んだ。
ドーベルマン6匹と、ガードマン4人が現れた。
1、逃げる。
2、暴れる。
3、ドーベルマンを味方にする。
ここは、3だ。
謎の処女パワーとミサコのパンツを使った。
ドーベルマンが味方になった。
ドーベルマンを連れのガードマンたちに噛みつかせて撃退する。
次は木刀を持った二人組が現れた。
1、殴って木刀を奪う。
2、謝る。
勇者は木刀を手に入れた。
今度は特殊警棒を持った3人組だ。
1、たたかう。
2、にげる。
3、サクラコがスカートをめくる。
何故かサクラコちゃんがスカートをめくり、俺は動けなくなった特殊警棒たちを叩きのめした。
サクラコちゃんの麻痺攻撃だろうか。
勇者は特殊警棒を手に入れた。
日本刀を持った、クッキョウなおとこがふたりあらわれた。
ミサコがコートの前を開いた。
勇者のパワーが3上がった。
サクラコちゃんがスカートをめくった。
日本刀の動きが5さがった。
特殊警棒で日本刀を粉砕し、屋敷内を動き回ると、何度か同じようなキャラと同じような戦いを繰り返すことになった。
やがて、超ミニスカメイドたちを見つけた。
前でも後でもパンツが見えそうだ。
話を聞きますか?
YES。
超ミニスカメイド1:奥の部屋に総長がいます。
超ミニスカメイド2:少女が二人、犯されてます。
超ミニスカメイド3:総長には護衛が二人います。
超ミニスカメイド2:総長は早いからもう二人目も犯されています。
私、総長では一度もいったことないのです。
若い男もいるのですが、総長の呪いが怖くて手を出してくれないのですよ。
超ミニスカメイド1:奥の部屋に総長がいます。
超ミニスカメイド3:私もいったことありません。
超ミニスカメイド2:総長は早いから……
俺たちは奥の部屋に向かった。
どうやら、ラスボスのようだ。
部屋には、総長と拳銃所持の二人の護衛がいた。
いや、正確には全裸の少女も二人いた。
護衛たちは少女を連れた俺に驚いて、発砲することなど考えられないようだった。
正当防衛にはなりそうもないし、少女を撃ったりしたら、銃刀法違反どころではない。
「不法侵入だぞ、警察を呼べよ」
俺が護衛二人に笑って言うと、ガウンを羽織った総長が膝をついて
「何が望みなんどす」
と、降参した。
これ以上、事態を悪化させたくないという計算はできるようだった。
二人の少女は二人の少女に抱きついて泣いていた。
「孤児院の土地の権利者を知りたい」
「それだけは勘弁やで、いや、して下さい」
「何故だ」
「我々が信用を失うと、食われてしまうんですわ」
「解決策はあるのか」
「下の組一つ潰しまひょ。後は金でッしゃろ」
「よし、お前が匿名で毎月300万、孤児院に寄付しろ」
「そんな殺生な」
「もう一つの手は、優秀な護衛が二人いなくなり、お前は少女『4人』に乱暴した罪に問われる。どっちが安いんだ?」
保釈金だけでも億になるだろう。
いや、そもそも保釈になるのか。
少女の片方はぺったんこのつるつるだぞ。
それに、マスコミに叩かれでもしたら、ひどい金がかかる。
大体、このクラスの護衛の年収はいくらだ。
拳銃を撃てば、もう警察は許してくれないだろう。
それで、すべて暴かれれば10億でも安いんじゃないのか。
「3年間は何とかしましょ」
「よし、いいだろう」
1億で手を打ちやがった、ケチ。
警察やマスコミが騒いでるのを遠目に見ながら、俺は4人の少女を連れて孤児院に帰ってきた。
途中、二人の少女は二人の少女に
「えっちって、痛いだけよ」
「そうなの?」
「凄く痛いわ。血も出るし」
「ええっ、ちょっと怖いかも」
「でも、痛くても我慢したくなる男とするものらしいわ」
「へえ、じゃあ勇者様としよ」
「私もそうする」
「じゃあ、私たちもいいかな」
「もちろんよ」
などと、変な話をしていた。
後日談ではあるが、孤児院には仲の良い4人の美しい少女がいて、それを見つけた足長おじさんが、成長を楽しみにして莫大な寄付をしているそうだ。
目を開けるとミサコがいた。
「えへへへ、来ちゃった」
「来ちゃったって次元じゃないぞ。スカートを穿け」
「だって、最近ミサコの順番がないんだもん」
「誰かに見られたらどうするんだ」
ここは4段目の草原である。
通信プロープを資材船で打ち上げて、寝てしまったらしい。
「あら、サクラコがうろついていたから、見せつけてあげたの。妻はえっちしてもいいんだって。まだ、あの辺から覗いてるわよ」
確かにサクラコだろう。
真っ赤な顔をしているから間違いない。
「ねえ、誰を想像して興奮してたの」
「言いがかりだ」
「うそです。誰かの夢を見てましたよ」
「ミサコだよ」
「うん、うそでも嬉しいな」
「いや、本当にミサコだった」
「へえ?」
「でも、ミサコは処女で、えっちは痛いからいやだってさ」
ミサコは少しだけ考えていた。
「うそだわ。処女なら痛いって知らないでしょう」
「知ってたんじゃないのか?」
「知りません!」
15のミサコも十分に可愛かった。
しかし、あの長い黒髪のミサコとも、ちゃんと契約したかった。
END