64 冬フェス
64 冬フェス
いつもならタルトに任せる族長の接待だが、タルトは相撲の行司をやることになっているし、他の村長たちも村の相撲チームにかかりっきりで、暇そうなのはサンヤとニタの食えない親父コンビだけだったので、俺が直接ロン族長を接待することになった。。
今、一番の問題は、ロンの第1夫人とロマが裸であることだった。
本人たちは平気でも、こちらは気になる。
サンヤは一応ロンを連れて来た責任があるから仕方がないが、スケベオヤジのニタは完全に面白がって眺めている。
俺のミスにより(ロマ命名事件)、侍女たちの視線が痛いので、相撲が始まるまで自由行動にして解散させた。
侍女たちは、小遣いをたっぷり貰ったから(200リナ)、とりあえず許すか、と言った感じで市場に散っていった。
ススは、お冠でナミとナリを連れて行ってしまった。
気が重いが、これも外交の一種だと言いきかせて、何となく会いづらいナナとサラサの臨時店舗に、ロンたちを連れて行った。
まずは夫人にスカートをプレゼントする。
夫人は、それだけでもう大満足だった。
この世界では珍しいくらいラブラブのロン夫妻は、サンヤを引っ張り、ご機嫌であちこち買い物に行ってしまった。
サンヤが何を吹き込んだのか分からなかったが、ロン夫妻は(多分)娘のロマを置いていった。
ニタは、ロンの夫人がスカートを穿いてしまうともう満足したらしく、キンたちを見つけて、声をかけに行った。
今、ここにいるのはナナとサラサにじっと見つめられているクラとロマである。
片方は背が高く若いが、白い肌と褐色の肌という組み合わせは双方が良く似ていて、暫く4人のお見合いが続いたが、やがてナナがロマに話しかけることによって、変な緊張は解けていった。
その後は何故か現地語で盛り上がる4人に蚊帳の外に追いやられ、領主が新しい女に買い物をしているという否定しきれない噂で村人たちにも優しく配慮されて、一人寂しく店の入り口で佇むことになった。
『名誉称号という実態のないものは、禁止できない』
以前、ドウに一蹴された問題を再び起こしてしまった。
きっと、キンやススは怒っていることだろう。
今の俺に必要なのは、軽い慰めや、僅かな癒しであるのに、外交問題には関わらない妻たちから遠く離れて、孤独で寂しかった。
この寂しさを癒すには、奥のフィッティングルームにいる4人の裸しかない思い立ち、奥を覗きに行く。
以心伝心?なのか、4人とも(正確には3人、一人は最初から裸)スカートを脱ぎだしていた。
全裸で、お互いのサイズを測っている。
一体、何やってんだろう?
しかしだ。
考えてみれば、スカートを穿くようになっても、トップレス状態じゃないか。
おっぱいが見放題の世界にいて、サイズを考えたことがないというか、CカップとかDカップとか、意識しなくなってる。
結婚前はいつも妄想していたのに、これは怠慢だろう。
堕落だろうか?
やろうと思えば、大きさ順のおっぱいランキングや形順のおっぱいランキングも作れたのだ。
タキやレンのぺったんこから完成形までの記録だって、貴重な歴史的資料になっただろう。
(黒歴史だがな)
大体、少女のおっぱいをふくらむ前から、完成するまで眺められる男ってどれだけいるというのだ。
妹とかがいても、なかなか見せてもらえず難しいだろうし、娘など思春期になれば親父を汚いものかのように扱うという。
確率的に、頼めばおっぱいを見せてくれたり、上手く行けば触らせてくれる身近な女性というのは『妹』ではなく『姉』なのだ。
基本的に姉という存在は、弟の世話をしてくれるものだ。
少しくらいの我が儘なら、きいてくれる可能性が高い。
『愛する娘よ、父に乳を見せてみなさい』
『死ね! くそ親父』
『妹よ、恵まれない兄に恵まれた乳を見せて欲しい』
『頭腐ってんじゃないの。二度と近寄らないで!』
『お姉ちゃん、僕おっぱい見たこと無いから友達に馬鹿にされるんだ。見せてくれない?』
『まあ、苛められるの? 男の子は仕方ないわね。久しぶりに一緒にお風呂入ってあげるから、お母さんには内緒よ』
『わーい』
しかし、この世界ではみんなトップレスだ。
頼まなくても見せてくれるようなものだ。
ああ、何と言うことだ。
俺は貴重な青春を無駄に過ごしているぞ。
こんな時に、同年代の男友達がいればなんと言われるか。
いや、今からでも取り返せるはずだ。
何しろ、『ももしり3年ちち8年』と言うではないか。
これは、太股とお尻は3年で成長するが、おっぱいは8年間も変わり続けるという、昔の人のありがたい知恵なのだ。
(出典は不明。妄想かも)
まずはナナだ。
確か初対面の時は、『最初はB』などとジャンケンをしていたからBぐらいだったはずだ。
それが、春にタルトに連れられてきたときにはDにはなっていた。
夢見るような少女だったが、おっぱいも夢のようだった。
結婚式の頃にはFカップにはなっていただろう。
俺は、触りながら胸にバラの花を描いた。
あの時の照りと弾力は、いまだに俺の手が覚えている。
そう、こんな風に軟らかいが弾力もあった。
「ユウキ様、みんなが見ている前ではちょっと恥ずかしいです」
ナナが赤くなって恥じらっている。
人妻の色気と少女の恥じらいが渾然一体となって、俺の脳髄を痺れさせている。
俺は何故か、ナナおっぱいを揉んでいた。
「今度、長屋に一部屋借りておきますから、その時にゆっくり」
ナナはそう言うと、戻っていった。
俺は、茫然自失とか泰然自若と呼ばれる状態だった。
内と外ではえらい違いである。
ゆっくりって、ゆっくり何をするのデスカ?
交代するようにサラサが来て、大きなお腹を庇いながらも抱きついて、俺の腕の中で目を閉じた。
その満足そうな顔を見て、俺も優しく抱きしめてしまった。
不覚である。
覚えていても、不覚である。
下半身は、俯角ではなく仰角という方が正しい。
若いのだ。
「ユウキ様、安定期になれば、激しくしなければ大丈夫だそうです」
サラサは暫くすると、そう言って戻っていった。
何が大丈夫なのでショウカ?
俺はクラとロマを連れて逃げ出した。
盗むのだけは、いけないことなのだ。
一盗は一等罪が重い。
地球での死刑が確定して、ホエールでも死刑確実の身なのに、ここでも死刑にされてしまう。
初日の相撲団体戦は、各村の代表が5人出て、3勝あげた方が勝ちになる。
タルト村はタルトが抜けても強く、決勝まで勝ち上がり、対戦相手は苦労して勝ち上がってきたダークホース、パルタ村だった。
これは、どう見てもタルト村の優勝は間違いなかった。
先鋒のヤモメ山が負け、次鋒のモリトが勝ち、中堅の子ジャケが勇み足で負けると、副将の父ジャケが豪快な投げで勝った。
スコアが2対2になると、国技館全体はうねるような期待感で盛り上がった。
しかし、大将はコラノである。
準決勝でもラシと熱戦を繰り広げ、最後には投げ勝った猛者である。
パルタ村の大将、パルタも1年間タルト村で修行したとは言え、師匠に当たるコラノ相手じゃ分が悪すぎる。
あっという間に投げられた、と思ったら残した。
どうやらコラノは右足を痛めている。
ラシ戦で負傷したのだろう。
踏ん張りが利かないのだ。
パルタは張り手で掴まらないように逃げていたのをやめて四つに組み、コラノの投げを堪える作戦に切り替えた。
コラノの投げをかろうじて残し続け、大観衆から叫び声を浴びまくった。
約3分の大相撲になり、たった一度だけのパルタの右上手投げがコラノの身体を土俵の外に投げ出した。
リリの勝ち名乗りで、大観衆が大喜びした。
座布団が飛びまくってもおかしくない状況だった。
土俵中央でパルタが男泣きし、コラノが褒め、タルトが抱きついていた。
夜は大宴会だった。
村長たちは、みんな俺のまわりに集まり、接待してくれた。
「我々がユウキ様に奢れる日が来たんですよ」
サンヤがそう言うと、タルトは頷いてから『乾杯』と言って全員にワインを振る舞う。
他の村長も『乾杯』と答えてから、夫人たちにご馳走を運ばせた。
サンヤの猪、ロンの鴨、カリモシの鶏が出て、ギルポンとナルメの共同開発のパン、パルタのブドウジャム、イタモシの塩鮭、カマウの新鮮な野菜料理、ニタのアカニシキの新米と続いた。
最後にタルトのサツマイモの飴煮が出ると、大好評だった。
「ずっと、こればかり食べてましたね」(ニタ)
「見るのも嫌なときもあった」(コラノ)
「今は懐かしいですよ」(サンヤ)
「みんなこれで生き延びたんだぞ」(タルト)
「たまに食べると、美味い」(カリモシ)
「まだ、まだ、贅沢です」(カマウ)
「力が出る」(ラシ)
「うちはまだ、こればかりですが」(イタモシ)
「うちもですよ」(パルタ)
「我々はこれからです」(ギルポン)
「飽きるほどは食べられないですな」(ナルメ)
ロンと新しく村長になる3人は言葉が分からないが、次々と出てくるご馳走に目を輝かせている。
クラとロマは側にいて、やはり夫人たちにご馳走を山盛りにされている。
成長期だから嬉しそうだ。
侍女たちは帰したが、儀式がまだのため、ロマとクラだけ残していたのだ。
妻たちは、ハインナのカートで送り出している。
メープル酒が回り始めた頃、俺は枝豆のスープを配った。
実は料理が上手いクラに、いたずらさせたのだ。
緑の枝豆に、小粒だが強烈な青唐辛子を混ぜてある。
「きょわー」
村長たちは叫び声を上げて飛び回り、水を求めて走り回った。
何人かは、メープル酒を飲んで更に被害を広げている。
俺とクラは、平気で一皿食べ終わった。
慣れているし、氷水を用意してあったのだ。
ロマに一口だけあげたが、大きな瞳に涙を山盛りにして堪えているのが可愛かった。
「殺す気か!」
タルトに呆れられたが、俺とクラが平気で食べてしまったので、更に呆れられた。
「辛いのは赤いものだと油断しました」
サンヤがヒーヒー言いながら涙目だった。
「このところ、やられっぱなしだったからな」
サンヤは苦笑いした。泣き笑いか。
やがて村長たちは自分の村民たちを集め、青唐辛子スープを試させて、被害はドンドン広がっていった。
あちこちで悲鳴が続いた。
俺はクラとロマを両脇に抱いて、毛布を被って久しぶりに干し草の中で眠った。
翌日、熊さんを先頭にして、130人の女神様が歩いてきた。
全員が平伏して迎える中、俺は立って出迎えた。
目印になるからだ。
俺が出迎えなければいつまでたっても平伏が終わらないのである。
熊さんが脇により、先頭のカオルコが到着した。
白い毛皮のロシア風の帽子、白い毛皮のロングブーツ、更に白い毛皮のチョッキにホットパンツ、革のマントに毛皮のケープ姿だ。
がま口のポシェットも下げている。
マントは脚に絡まないよう少しミニ丈だ。
全員が同じ格好である。
最新のファッションに、平伏を終えた女性陣が仰天している。
縫製機とメイドロイドを駆使して作ったから、ナナ&サラサにもない。
ヨリが隣に来る。
警備班は、色違いの黒で統一されている。
白は目立つし、汚れやすいからと、ヨリの意見を参考にした。
だが、十分に目立ち、豪華で美しく見える。
「午後1時から相撲を観戦するが、それまでグループで自由行動とする。警備班は半分ずつ、自由行動にしてくれ」
「わかったわ」
「了解」
「只で飲み食いするな。金を払えよ」
カオルコは手早く注意点などを指示すると、下級生を解放し自由行動させた。
最近は娯楽に飢えている連中だから、すぐにあちこち散っていった。各村の出店は、緊張の瞬間だろう。
だが、これが上手く行けば、商店街に遊びに行くぐらいは許可しようと思っている。
「チカコ!」
「な、何よ」
一人だけ心配な奴がいる。
美しいトラブルメイカーだ。
もう、既に挙動不審である。
「ミヤビとミサコとセルターの言うことを聞いて、大人しくまわってこい」
「子供扱い、しないでよ。ちゃんとできるわよ」
「できなかったら、追放するからな」
「なっ!」
「お前じゃなく、イケメンたちをだ」
「なっ!」
カマウのリヤカーが両国橋を渡っていく。
今日は銀行を開いたから、昨日の売上が米や麦に交換され、各村に運ばれていく。
豊かになれば、この流れは逆になるだろう。
やがては、こちらが消費地に変わるはずだ。
その頃には、侍女は女学生に変わっていることだろう。
個人戦は、予選から始まり、本戦16人になるまで続けられた。
よせばいいのにカリモシは予選に出場して、サンヤの少年にぶん投げられた。
ニタの息子も頑張ったが予選落ちだった。
成長期に栄養を取れるようになった少年たちの体格が良くなっている。
侍女たちが120から130台に変わったように、130台から140台にうつりつつあるのだ。
親父たちの身長は伸びなかったから、若手はみんなタルトより背が高い。
だが、鍛えられ方が違うのか、ベスト16はサンヤの少年兵3人以外は、村長や幹部クラスの親父たちだった。
初出場というか、相撲自体初体験のロンが残り、族長の威厳を保った。
それでも、ベスト8は知った顔ぶれになった。
タルト、父ジャケ、子ジャケのタルト村幹部。
ラシ、マリブの元戦士長。
イタモシ、モリト、パルタの若手村長クラスである。
タルトはイタモシを投げ、子ジャケはパルタを押しだし、マリブはかろうじてモリトを下した。
父ジャケとラシの勝負は年季の入った者同士で、相撲好きを唸らせる勝負になった。
僅かに引いて投げを打つ父ジャケの隙を突いた、ラシに軍配が上がった。
観客は、双方に惜しみない拍手を送った。
準決勝で子ジャケはマリブを寄せ付けず、タルトは力尽きていた感のラシを軽く投げ、決勝はタルト、子ジャケ戦になった。
コラノが脚の負傷で行司をしているから、やはりいつもどおりのメンバーだった。
タルトは興行主だったから、遠慮して出場しないつもりだったのだ。
だが、長年の盟友であるコラノが負傷して、替わりに出場すると、相撲大好きの熱い親父だから遠慮なんか忘れてしまっている。
タルトは豪快に投げ、子ジャケは豪快に転がった。
八さんが、『第2回優勝』と書かれたタルトの姿絵を掲げた。
優勝賞品のラーマ包丁10本と水石けん5樽は、タルトからコラノに渡され、コラノからパルタとイタモシに渡された。
興行主からの敢闘賞と言ったところだろうか。
いい親父たちだった。
女神たちは帰る前に、村長たちにお礼を言われていた。
サクラコはサンヤに塩漬け肉の樽詰めを伝授して、感謝されていた。
アキは肉の保存にローズマリーの使用法を伝授して、ギルポンに崇拝されていた。
ミヤビはラシに、泥炭を泥炭で乾燥させる方法を伝えていた。
カオルコはカマウに、物流の管理と情報のやりとりを商売に活かす方法を教えていた。
ミサコはナルメに食器だけでなく、保存容器をあれこれ伝授したらしい。
チカコまでカリモシに串に刺した焼き鳥を伝えて、カリモシの目をハートにさせている。
ヨリは、その体格だけでロンに崇拝されている。
ルミコには、女性ファンが沢山押し寄せている。
まあ、130人もいたのだから、色々なアイデアが村人に流れた事だろう。
国技館市場脇の森の中に、タルトと父ジャケの配慮で、急造の簡易な風呂が用意されていた。
流石に3日間も地面での生活はつらいし、臭い。
夜になってから、ありがたく頂き、ついでにロマの儀式を行った。
ロマの肌は真っ白で官能的だった。
砂色に見えた髪も、丁寧にシャンプーしリンスしブラッシングするとプラチナブロンドに近くなり、強いて言うならばだがリータに似ていた。
現地人にしては大柄だが、おっぱいはふくらみ始めたばかりで、クラよりも僅かに年下に思えた。
唇も肌も桜色に染まると、恥じらっているかのように可愛く見える。
儀式を無事に終えると、クラが自分も洗って欲しいと恥ずかしそうに言ってきた。
これは、覚えている。
レンを洗った時だったか、タキが張り合って言ってきたのと同じだ。
まだ、ぺったんこだったくせに、同じように扱って欲しいと思ったのだろう。
あの時のタキに比べて、クラは十分成長しているように見えるのだが、中身は同じくらいなのかも知れない。
ロマを湯船に入れて、クラを洗ってやった。
恥ずかしそうで、嬉しそうで、くすぐったそうだった。
最後に自分を丸洗いして、湯船につかると、天国だった。
十分に暖まった、クラとロマを並んで立たせて、俺は湯船につかって眺めていた。
これはきっと、王に対する貢ぎ物だ。
サンヤは実務に有能なススを送り込み、ナルメとロンを利用して王が満足する女を送り込んできたのだ。
実務と権威。
ススが大臣候補なら、クラとロマは王妃候補だ。
だが、サンヤに何か下心があるわけではない。
きっと、平和を、それも長く続く平和を望んでいるのだ。
衰退しそうな部族を率いていたサンヤは、飢えと絶望を見て来たのだろう。
奇跡的な繁栄をもたらす王がいるなら、十分に活用したいのだ。
王は王らしく、そうサンヤは思っているのだろう。
女神様に仕える部下ではないことを、サンヤは見抜いているし、俺が時々宇宙に行くのも不安なのだろう。
確かに地上に引き留めるぐらいに、この二人は魅力的だよ、サンヤ。
俺は、この二人を手放せないと思う。
だが、だからと言って、サバイバル中であることを忘れることはできないんだ。
ロリ好きのスケベだからじゃないぞ。
3日目は、冬フェスの最終日で、囲碁と将棋の大会が開かれた。
だが、どの村の女たちも、今回の売上で今後必要な物資の確保に忙しそうだった。
塩、醤油、油は移動販売が安定しているから、現金を用意しておけばいいのだが、味噌の原料の大豆、料理と赤ん坊のためのメープル、男どものために酒も備蓄しなければならない。
芋ばかりの生活が嫌なら、米や麦も買っておきたい。
鮭ビンや塩漬け肉も手に入れ、次の秋の収穫までは遣り繰りしたい。
更に余裕のあるところは、農機具までは無理でも、包丁やハサミ、ジカタビや草履、水石けんに子供の衣装をと奔走し、飢えた時代や狩猟民が嫌だと思っていた頃を忘れてしまったかのような騒ぎである。
売りは売りを呼び、買いは買いを呼ぶ。
ナナ&サラサでも、マントやブーツが手に入らないのかと大騒ぎで、きっと俺は恨まれている事だろう。
銀行での交換業務も、前代未聞の規模になっていることだろう。
キンがどんな思いをしているか考えたくなかった。
それでも、農機具店『ユウマ』がこれから各村の利益を回収してしまうのだ。
隣のナナ&サラサもそうだ。
資本と商品開発と制作が全部俺の所にある限り、金を貯め込んでも力はふるえない。
むしろ、使って農機具にした方が、豊かになれるのだ。
流通量は400万リナを超えたばかりで、やっと1000石である。
村の総人口約2000人の半分は、まだ貧しいのだった。
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