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夢の処女惑星  作者: 菊茶
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45 妻と結婚

 45 妻と結婚




 無事だった全員が梅モドキシャンプーで髪を赤く染めた翌日、ミサコのリハビリで3段目を二人で歩いていた。

 最初の頃から比べれば、かなり良くなったと思うのだが、この辺りから頑張らないときちんとした回復というか、健康な人間並みに近づかないという。

 4段目の入り口付近まで、頑張って歩いてから休憩する。

 夕日に近づいていて、風が涼しい時間帯だ。

 これからは日が落ちるのが早くなり、寒くすらなるだろう。

 真っ赤な顔でフーフー言ってるミサコに水筒を渡す。

 ミサコは、ゆっくりと水を飲んで、息を整えた。


 俺たちは結構な時間をリハビリで過ごしていたが、今までおしゃべりをすることは殆ど無かった。

 余裕が無かったからだろう。

 連れてくるヨリが無言と言うことも影響しているのかも知れない。


「大丈夫か」

「まだ頑張れます」

「今日はこれくらいにしとこう」


 思い出しても、それぐらいしか喋ることはなかった。

 食堂などではミヤビとかサクラコを交えてだが、良くおしゃべりするから、不思議な感じだった。


「ヨリコは凄いです」


 つぶやくようにミサコが言った。


「私、リハビリが始まった頃、セルターに泣いたり喚いたりしてたんです。生まれて初めて歩くのがこんなにつらいものだと思わなかったからです」

「へえ、意外だな。ミサコは強く見えたけど」

「身体の欠陥を理由に、差別されるのがいやでしたから、ついムキになって強がっていたのです。でも、リハビリがこんなにつらいとは思っていませんでした。初めて自分の弱さと向き合わなければなりませんでしたよ。セルターに当たり散らしたりして……」


 まあ、痛いのは誰だって嫌だよな。

 一人きりならなおさらだ。


「そしたら、ヨリが突然来て、ユウキさんの所へ連れて来たんです。驚きました。置いて行かれるなんて思いませんでしたから」


 ああ、俺も驚いた。

 説明もしてくれなかったしな。


「ユウキさんに泣いて我が儘を言ってみろ、という意味だったんですよ。でも、私がそんなこと出来ないのをヨリは見抜いていたんです。私は頑張るしかありませんでした。それから毎日のようにヨリはユウキさんの所へ。何度お願いしても聞いてはくれません。私は毎日、痛い苦しいやめたいというのを飲み込むしかなかったのです。きっとセルターだけだったら、私はいまだに宿舎から出ることも出来なかったでしょうね。こうしてユウキさんと夕日を眺めるなんて、夢のようです」


「これからは、何度でも眺められそうだな」


「いいえ、私はまずここにセルターと一緒に来れなければならなかったんです。それから、頑張って一人でも。ユウキさんといるのは私の甘えで我が儘だと気付きました。このままでは、リハビリも初恋も自分で乗り越えたことになりません。私は自分の力でユウキさんの隣に立ちたいと思います」


 いつの間にか、ヨリとセルターが近くに来ていた。


「セルター、あなたも頑張らないとユウキさんに改造されてしまいますよ」

「私はミサコ様専用のメディカルアンドロイドですが」

「この星でユウキさんの庇護を受けている以上、役に立たねばならないのです。あなたもバッテリーとメンテナンスは必要でしょう。ただで手に入るものはありませんよ」


 ミサコは立ち上がり、ヨリに寄っていく。


「ヨリコ、ありがとう。あなたは最高の友達です」

「自分は何もしていませんよ」

「これだけ厳しくしておいて?」

「必要なことをユウキ様にお願いしただけです」

「いいえ、あなたのお陰よ」


 二人は抱き合った。

 ヨリがでかいから男役である。

 が、坊主頭のミサコを男役と見る事も出来る。

 うーん。これは複雑だ。


「でも、これからはライバルになるわ」

「自分は負けませんよ」

「そうね、強敵だからいいの。弱い自分はもう嫌だわ」


 ふたりは抱き合ったまま、笑った。

 何だか良くわからなかったが、良い事みたいだ。

 しかし、俺は気になるものを発見してしまった。


「良い雰囲気の所を悪いが、お二人さん」

「何言ってんですか、もう」

「誤解です」


 二人は離れると赤くなった。


「いや、あれをちょっと見て欲しい」


 俺の指さした先で、イケメンたちが地面を転がっていた。

 明らかに、かゆいのを払っているようにしか見えなかった。




 夜中に、ヨリとミサコが部屋に来た。

 イケメンたちの処置は八さんがやってくれて、確認も取った。

 セルターには口止めしてある。


「チカコはどうして我慢できたんだろう。素振りは見せなかったぞ」


 ケジラミのかゆさは俺も経験済みだ。

 毎日、イケメンたちと遊んでいるチカコが無事のわけはない。


 間違いなく、第一感染者だ。


 感染経路がわからなかったが、家畜ではなく、イケメンたちだったのだ。

 八さんの言ってた卵胞まで見つかった。


「多分、夏に支給されたかゆみ止めを、まだ持っていたのでしょう。みんな使い切ったと思ったのですが」


 夏の畑作業で、虫さされが激増したので急遽作ったかゆみ止めである。

 今回の騒ぎで僅かに残った在庫を出したのだが、元々リーナラボ製で少なかったから、誰ももう持っていないと思っていた。

 量があまりなくて、途中から我慢するものが多くなったからだ。

 みんな、ヘチマ水やキュウリのスライスなどで我慢していた。

 風呂場で叩いたり、氷をつけたりするものまで現れたから、俺も、とっくに使い切ったものだと思っていたのだが。


「それでも、もう使い切ったでしょうね。それに」

「ああ、梅モドキが効いてれば、こんなことしないだろうな」


 いま、チカコは深夜なのに一人で風呂に入っている。

 誰にも知られたくない事があるのだろうし、風呂場には梅モドキシャンプーが置かれている。


 風呂場の出入り口は3方向ある。

 ひとつはユウキ邸の渡り廊下、もう一つは宿舎から脱衣所までの渡り廊下、最後は旧トイレ方向の隙間である。

 しかし、脱衣所の中で、ユウキ邸の渡り廊下と宿舎の渡り廊下は交錯するから、実際は2箇所である。


 俺は外にまわり、トイレ側から中を窺う。


 ヨリとミサコに言われたのだから、覗きではない。

 ではないが、チカコが梅モドキシャンプーで股間を洗っているのを目撃してしまい、フリーズしてしまった。

 イケメンたちに跨っていたのだから、仕方がないのか。


 ヨリが静かに声をかけた。

 ミサコが後ろに寄り添っている。

 別に犯人を捕まえに来たわけではないので、密かに行動する必要はなかったのだが、騒ぎを起こしてみんなに知られると、チカコが可哀想だ。

 そう考えて3人だけでの行動にしたのだった。


 チカコは愕然とした後、嫌々をするように下がり、逃げ出した。

 しかし、そこには俺がいたのである。

 騒がれないように口を塞いで、暴れる身体を押さえつけて風呂場に戻る。

 直ぐに、ミサコとヨリが検査する。


「これが卵胞なんですね」

「残念ながら、下にもあります」


 俺は頷くと、チカコに言った。


「騒ぐと、みんなが集まるぞ。叫んだり暴れたりしないと約束しろ」


 チカコは怯えて、うんうん頷いた。


「お願い、坊主はいや」

「ショートヘアで赦してあげましょう」

「ええっ!」

「自分は、バリカンが確実だと思います」

「えええっ」


 ヨリとミサコは、自然と善玉役と悪玉役に分かれてチカコを誘導する。


「ショートでお願い」

「ではユウキさん、お願いします」


 俺は全体的に短くする、レンのような頭にカットした。


「不思議ですね。どうしてユウキさんは女性の髪のカットなんか出来るのでしょう」

「ああ、子供の頃散髪嫌いでさ。いつもリーナさんに怒られていたんだが、いつだったかリーナさんが自分の髪をカットしてみろと言ってきて、リーナさんの髪をひどいカットにしたことがあるんだ。それでもリーナさんはそのままにしていたから、練習してさ。段々上手くなって、いつの間にかお互いのカットは任せるようになったんだよ。今では化粧まで出来るようになった。まあ、リーナさんも人嫌いなところがある引きこもり体質だったから余計に頑張るようになったのかな」

「へえ、いい話じゃないですか」


 まあ、リーナさんの髪は人毛の移植で、耐用年数がひどく短かったのもあるだけど。


 チカコに一度、シャワーを浴びせて、梅モドキシャンプーで丁寧に洗わせた後、ユウキ邸の2階に移動した。

 頭だけでなく、下半身の処置もあるから、見られないところが良いといわれたからだ。


「幸い、卵胞は指で押せば出てくるので、ピンセットでつまみ取り、軟膏を塗れば大丈夫だろう」

「ユウキ様が処置しますか」


 ヨリは、『さん』じゃなくて『様』をつけて呼んだので、真面目に聞いているのである。

 プライベートならユウキさんと呼ぶ。


「その、下半身の処置は出来ないから二人で頼む。俺は部屋の外にいるから相談は受け付ける」


 ミサコが、くくくと笑いを堪えるが、俺には笑い事ではないのだ。

 後はヨリとミサコに任せて、俺は桶にお湯を入れてヨリに渡し、取り替えるのを繰り返しただけで終わったが、痛みがあるらしく、チカコのうめき声を聞く事になった。

 チカコは熱を出して寝込んだが、風邪をひいた事にして、真相はばれないようにした。

 ショートヘアがよく似合っていたので、後輩たちにはわからなかったようだ。



 このところリーナさんは、ハインナのボディからはがした『ナノプログラム結晶鋼』というのにはまっていて、元々の人嫌いもあってか、あまり顔を見せなくなっていた。


「自己再生する金属だわ。プラズマエンジンが3倍になっても重量が変わらないのよ」


 と、何が『ツボ』だったのか、大はしゃぎである。


 オペレッタの方は、観察が好きなので、130人も観察対象が増えて喜んでいる。

 特に宿舎の4人部屋には窓代わりに金属液晶の端末を貼り付けてあり、毎日環境映像を流したり、寝る前に10人委員会からの要請があった映画やアニメを流しているので、反応が楽しいらしい。

 覗くなと言っても無駄なので諦めている。

 生徒たちも、映像プログラムが自分たちの反応を見ているのは、視聴率チェックで体験済みなので、気にしてないようだった。

 きっと、風呂も覗いていることだろう。



 俺の方は大変なことになっていた。

 ラーマの髪に白髪を見つけてしまったのだ。

 それも3本もである。

 俺は心配してあれこれラーマにしつこく尋ねると、


「赤ちゃんは、タキに期待するしかありませんね」


 などと言われてしまった。


 俺は涙を流しながら、迎賓館にベッドを新調すると、タルトに宴会のお知らせをし、迎賓館の侍女たちに準備をさせ、ラーマを抱っこしてリーナさんの所へ乗り込んだ。


「俺、ラーマと結婚する!」

「リスクはわかっているの」

「覚悟している」

「馬鹿ね。ラーマのリスクよ」

「二人で乗り越えてみせる」

「馬鹿よ。タキとレンを連れて来なさい」


 俺は何だかわからないがタキとレンを捕まえて、リーナさんの所へ連れて行くと、『式場は居住区』とオペレッタに言われた。


 タキもレンも、そしてラーマも居住区に入るのは初めてだろう。

 厳かな雰囲気に立体映像処理され、十字架のない教会のようになっていた。10平米だが。

 黒い服を着たリーナさんの前にラーマとタキとレンが立たされて、造花だがブーケを持たされた。

 コンソールには俺の両親の姿が映し出されていた。


「祐一、伶子、あなた方の息子は人類初の試みを決心したわよ。多分大人になったと思うわ」


 リーナさんは俺に顔を向けた。


「尼川祐貴、あなたはラーマ、タキ、レンを妻として迎え、いかなる時も平等に愛し続けると誓いますか」

「ち、誓います」

「ラーマ、あなたはユウキの妻として愛し続けることを誓いますか」

「誓います」

「タキ、あなたはユウキの妻として愛し続けることを誓いますか」

「誓います」

「レン、あなたはユウキの妻として愛し続けることを誓いますか」

「誓います」

「あなた方はこれより夫婦です。私たち知性体と、ユウキの両親と、あなた方の心が証人です」


 リーナさんは俺に3人の指輪を渡し、ラーマ、タキ、レンの薬指につけさせた。


「誓いのキスは迎賓館で好きなだけしなさい。熊さんが送ってくれるわ」


 俺たちは居住区から追い出され、待っていた熊さんの御簾馬車に乗り込んだ。

 馬車は空き缶を引き摺りながらゆっくりと迎賓館に行き、ポカンとしている俺たちを置いて戻っていった。

 やがて、八さんがワインを何樽も持ってくると、タルト村の人たちが押し寄せ、良くわからないまま宴会になった。


「ところで、今日は何のお祝いなんだ」

「ラーマと結婚したんだ」

「貝の審判の時にタンゴが許可したろう」

「タキとも結婚したんだ」

「スルトが許可したろう」

「レンとも結婚したんだ」

「カリモシの戦士を相撲で20人投げたじゃないか」


 タルトは今頃何言ってんだ、という顔をして呆れたが、酔っぱらった父ジャケと子ジャケが『おめでとうございます』と言い出すと、男どもとワインを飲み肉を食い歌い踊りまくった。

 外にいたタマウ族の連中も酒と肉などが振る舞われて、大宴会をしていた。

 キン、ギン、ドウの3人や侍女たちがめまぐるしく対応していたが、ラーマとタキとレンの3人は俺の隣でタルト村の夫人たちや娘たちの相手をしていた。


 夜は、風呂上がりのラーマと初めて愛し合った。

 ラーマはかなり痛いのを我慢してくれた。

 きちんと優しく受け止めてくれ、女の素晴らしさを教えてくれた。

 俺が眠る頃、タキとレンが来て、4人で眠りについた。


 翌日は、タキが風呂上がりの姿で現れた。

 タキは覚悟していたようだったが、かなりつらいらしかった。

 でも頑張って耐えてくれた。

 俺は一度で我慢した。

 眠るときにはちゃんと4人になっていた


 三日目は、レンが来た。

 抱きしめると、小さく感じがしなかった。

 とても軟らかく温かかった。

 レンも痛みを我慢して乗り越えてくれた。

 4人で眠るのも普通のことに感じた。


 四日目にはユウキ邸に戻り、みんないつもの仕事に戻ったが、夜になると3人の妻のうちの一人が必ず同衾するようになった。

 順番というわけでもなく、連続することもなかったが、妻たちがきちんと管理してくれていることがわかった。

 俺を『ユウキ』と敬称をつけずに呼ぶことと、左手の薬指の指輪が、前と違うことを証明してくれていた。


 ミヤビやヨリが気付いても何も触れて来ないのが、ありがたかった。

 キン、ギン、ドウの3人も大人しかった。

 ハインナだけは相変わらずにじゃれてきたが、門の警備や来客の連絡も進んでしてくれるようになった。

 夜にキスして警備に送り出すと、ご機嫌で不寝番をしてくれている。

 オペレッタが話し相手をするようになったようだ。


 その後、3度目になる鮭漁が隅田川であったが、俺は3人の妻とタルト村の人たちに混ざって、異邦人としての寂しさを感じなかった。

 ラーマが、タキが、レンが、いつも側にいたはずなのに、今はもっと身近に感じた。



「ユウキ、ユウキ」

「ああ、レンか。もう少し寝かせてくれ」

「おっぱいしか見ないで話をするところは相変わらずでございます」

「うーん、そんなことないぞ」

「お尻でも誰だかわかるんでございましょう」

「試しにレンのを見せてくれるかなあ」

「昨夜に散々見たではございませんか」

「朝はまた別なんだよ」

「もう、一度きりでございますよ」


 レンは後ろを向くと、スカートをまくり上げた。


「うん、妻のお尻がある生活はいいなあ」

「何寝ぼけてるんでございます。レンはずっと妻でございましたよ」

「でも、お尻を見せてくれるのは結婚したからだよね」

「だから、寝ぼけてるのでございます。レンはユウキの所に来てからずっと妻でございます。妻と結婚為さったのはユウキの方でございましょう。レンは言われれば、いつでも全部見せましたわ」

「ええっ、おっぱいがこんなに小さかった頃も?」

「当たり前でございます。初日に全部見て触っておきながら、スカートで隠したのはユウキでございましょう?」

「そう言えば、最初は裸だった」

「ここの女は皆裸でございますよ。裸でない方が恥ずかしいでございます」

「そうなの?」

「まあ、今ではスカートの方が当たり前の気がするでございますが。女神様たちの影響でございましょう」

「うーん、環境が悪くなっているのか」

「頭の間違いでございます」


 レンは箪笥からパンツを出すと、俺に渡して出て行った。


 俺は風呂に行き、歯磨きしながらシャワーを浴びる。

 そう言えば、結婚してから『ウオー』はしないでも大丈夫になった。

 これがリア充というものだろうか。

 いや、妻がいるのに欲求不満て、妻に悪いよなあ。


「おはよう、ユウキさん」

「おはよう、ミヤビ」


 湯船には先客がいた。

 いや、いつも誰かがいるんだったっけな。

 タキが来てから一人のお風呂なんて数えるほどしかなかった気がする。

 妊婦だらけの時まであった、


「おはようございます。ユウキさん」

「おはよう、ヨリ」


 ヨリが来て、ぷるんぷるんさせながらシャワーを浴びている。

 流石に大きい。

 でも、下半身は引き締まってウエストも細い。

 そこに、カズネとアンが来た。

 ルルネとモラネも連れている。

 ルルネは2歳はすぎてしっかりと自分で歩く。

 モラネは半年を過ぎた頃か。


「おはようございます、ユウキ様、チュ」

「おはよう、カズネ」

「おはようございます。ユウキ様、チュ」

「おはよう、アン」


 ミサコが自分で歩いてきて、湯船に入ると、


「おはようございます。ユウキさん、チュ」

「ああ、おはよう、ミサコ」


 ミヤビとヨリがフリーズしているので、やっと目が覚めた。


「どどど、どうして君たちが風呂にいるんだ」

「あら、妻だからですよ」

「ええっ?」


「レンさんにレクチャーを受けました。毎朝風呂に一緒に入り、キスをしてまず妻になる。そして、ユウキさんがおっぱいやお尻に興味を持って、見たり触ったりするようになれば、いずれ結婚してもらえると」

「そう言えば忘れてましたね。チュ」

「み、ミヤビ」

「ユウキさん、チュ」

「ヨリまで」

「これで、自分も妻ですね」

「ずるいわ、ヨリ。ミヤビも妻ですよね」

「あら、ミサコが先ですよね」

「君たちは、何か誤解しているぞ」

「あら、私じゃ不足ですか」

「私は妻にしてもらえるんですよね」

「自分は妻になります」


 3つのおっぱいの攻められて、守り抜ける男はいるのだろうか。


「はい」


 俺には、小さく返事をする事だけが、せめてもの抵抗だった。

 その後、キン、ギン、ドウの3人が来て、


「領主様は3人ずつ妻にするらしい」


 と言う、いい加減なデマを流すと、小学生たちにも3人組を作るのが流行始めた。 



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