31 新領民
31 新領民
「儀式は、朝晩3名ずつでよろしゅうございますね」
「そんな、死んじゃうよ。レン」
「しかし、数をこなさないと誰もが身動き取れないのでございます」
ズルイ戦後、我々は皆多忙になった。
ズルイ族の15歳以上は皆サンヤの嫁にして、子供たちは母親に連れて行ってもらったと思っていたのだが、10歳から14歳まで(推定)の少女は、みんな侍女見習いとしてタルトが残していたのだ。
しかも35人である。
プラスして、セバスの孫娘が3人、合計38人の侍女見習いが出来てしまった。
あの、サル親父め。
小作として働かせるのではなく、侍女教育をして嫁に出さなくてはならないのだ。
ラーマは俺たちの他に、38人の食事を作らなければならない。
他に囚人二人もだ。
夫人たちに料理を教え、在庫管理までやっているし、村の食糧管理も指導しなければならない。
家畜の成長から収穫量を考え、鶏舎の卵も毎朝取りに行っている。
助手がひとりでも早く欲しいところだ。
レンは、新たな生徒が38人増えただけで、もう大変である。
言葉を教える前に、生活のルールを教えなくてはならないからだ。
近頃は、サラサに続いてナナまでが夫人枠に収まってしまったので、ヘルパーが減ったのだ。
今のところはカズネが手伝ってくれるし、初歩ならリリも手伝えるから何とか回している。
タキは春の作付けで、大忙しである。
ユウキ領の畑の配分も、八さんと相談しながら決め、村の指導も行っている。
開墾の進捗も把握している。
家畜も殖えてきたので、飼料も確保しなければならず、各家のバランスを考えると、そうそう自作に決めさせられない。
俺は、儀式、作付け田植え、迎賓館の設計、基礎から建設用煉瓦作り、食器や作物の保存容器の作成、侍女たちの受け入れ場所の環境整備、食品加工、タルトの相談など、通常業務を棚上げしても手が回らない。
八さん、熊さんは日常業務に他に、迎賓館の材料収集と基礎工事を行っているから、手伝いは期待できない。
とりあえず侍女見習い35人は、サンヤ族がここにいる間に食べ尽くしたことにより食糧倉庫1号の二階が空いたので、そこで食住を行っている。
領地には入れたが、儀式が済み清潔になるまでは風呂にも領主館にも入ってはならない、という厳しい女神様の命が下っていた。
オペレッタめ。
言語教室は外の草地を使ったり、2段目の畑を見ながら農業の教室を行い、当面乗り切ることにしてある。
「まずは、ラーマの所と言ったのはユウキ様でございますよ。自薦ですが、料理が出来る者5名は今日中に済まさなくてはならないのでございます。特に儀式を終えたユウキ様の侍女見習いは、今日から働いて頂きとうございます」
セバスの3人の孫娘は、タルトが推薦するだけあって、優秀だった。
僅かの期間にタルト村の娘たちから言葉を教わり、ヒアリングは大体はOKで、しゃべる方も片言を脱しつつあるようだ。
洗髪し、洗顔した後、ショートボブにした3人は、ラーマやレンと同じ部族だと思わせる美貌である。
体つきもレンがあと2年もしたらこうなるだろうという感じで、ここで毎日磨いていたら、ラーマには及ばずともサラサ以上になりそうで拙い気がするほどだった。
「あのサル親父め、俺に花嫁見本を連れて歩かせる気だな」
従姉妹同士なのに良く似た3人は年齢も13か14で、あのままカリモシ族にいたら、きっと今年か来年は男どもの間で、奪い合いになっただろう。
俺だって奪い合いに参加するぞ。
儀式でそう思った。
「とにかく、最初の3人を連れてございますので、ユウキ様はお風呂に行って下さいませ」
「レン。朝のチュウは?」
「寝ぼけてないで、早く起きて下さいませ」
レンは少し赤い顔で胸を隠し、俺にパンツを渡すと、ちょっぴりお尻を振りながら、さっさと行ってしまった。
最近、みんな忙しいから、気が立っているというか、不機嫌というか。
朝のチュウもしてくれない。
いや、レンはチュウしてなかったか。
タキとラーマだけだったかな。
起きない頭を抱えながら、俺は風呂に向かった。
何故か妊婦だらけに違和感が無くなっている風呂場で、妊婦のラーマから渡された歯ブラシを使い、歯を磨きながらシャワーを浴び、『ウオー』を終えると湯船に入った。
直ぐに妊婦たちは引き上げて行き、俺は歯ブラシを濯いで口も濯ぐ。
「おはようございます。チュ」
「お、おはようございます。チュウ」
「おはようございます。チュ」
「おはよう、タバサ、リリ、えーと、アン」
歯ブラシを渡してくれたのはアンだったのだ。
アンは大きなお腹を抱え、カズネに預けていたルルネと手を繋ぐとタバサ、リリと共に出て行った。
ルルネはトテトテ歩くようになった。
カズネは、以前ラーマと間違えて以来大胆になってきて、今朝も俺を屈ませて首に手を回しベロチューする。
「おはようございます。ユウキ様」
「うん、おはよう、カズネ」
嬉しそうな顔を見ると、何にも言えなかった。
カズネはサラサみたいな落ち着いた雰囲気はないが、姉とよく似た良い子なのである。
何も言わなくても、お手伝いをし、自己主張も問われない限りしない。
特に精神的に不安定なアンの面倒を良く見ている。
文句を言われるならわかるが、とても文句など言えない。
大体、嬉しいことされて文句を言うのはおかしい。
レンに連れられて、侍女見習い3人が入ってきた。
セーフ。
何故かそう思った。
「ユウキ様。洗髪と身体洗いは見習いにさせるように指導して下さいませ。最初の洗顔と髪のカット、股洗いはユウキ様のお仕事でございますよ」
『股洗い』ってレンさん。
「おっぱいも洗いたいのでございますね?」
「いいえ、違います」
「そうでございましょうか?」
レンは凄く疑い深い目で見つめてくる。
惚けるが、挙動不審になってしまった。
レンは勝ったという顔をして、最初の3人を呼ぶ。
「ご命名を」
「キャィリゥシュゥ」
「カリス」
「シャァィラェィシェ」
「サラス」
「チョォィリィゥシィュェ」
「トリス」
3人が頭を下げる。先にシャワー、次にカットだ。
侍女見習いに丁寧に頭を流させる。レンは見届けることなく出て行ってしまった。
忙しいのだろう。
ちなみにセバスの孫娘はキン、ギン、ドウと髪の色で名前をつけてしまった。
レンが忙しくて見張っていなかったし、3人同時で照れくさかったからだ。
まあ、日本では長寿で縁起が良い名前とされているし、セバスも名乗りを聞かずに決めてしまったから良いだろう。
俺が日本を出発する頃、女性の名前一番人気は金子だった。
銀子はトップアイドルの鈴子に負けて3位だ。
銅子もベストテンには入っていたと思う。
金偏が流行だった。
宇宙開発が原因だろう。
子がつく名前も上流階級ぽいから流行っている。
皇室の女性が子のつく名前だからと、経済団体の偉い人が発言してかららしい。
カリス、サラス、トリスの3人を短めのマッシュルームカットにし、洗顔は見習いにも覚えるように見せながら行った。
ボディ洗いを監督し、自然と6人のおっぱいを見比べる事になった。
大きさ、形、色、弾力、匂い。
評価項目が多すぎて順位は決められないことに気づいたりした。
味とかもあるのだろうか、という恐ろしい思いつきを振り払った。
最後にパカ、ゴシゴシを3回やるとおしまいであるが、一回ごとに心臓が止まるような気がする。
慣れると言うことは無いのだろうか。
見習いが顔を赤くし、新人が顔を赤くした上に涙目だったのは、更に心臓に悪かった。
こんな事がこれから毎日2回も行われると思うと、夜中にラーマの部屋に突撃して、出てこれなくなるかも知れない。
みんなこんな時はどうやって我慢してるんだろう。
同級生がいないと言うのは、参考意見を聞かせてもらえないから、つらいものである。
殴られるだけかも知れないが。
その後、ズルイとカカは3回逃亡し、カカは1週間で引きこもりになった。
ログハウス前は、結構人通りが多いのだ。
特に女たちは毎日通るし、ラーマも一日一回は通るから、カカにはつらい事になったのだろう。
あの優しいラーマに憎まれるというのは、俺も考えたくない部類の話だ。
神田川下流の、東京湾の砂浜に近いところに小屋を建てる予定だったが、今は忙しくて回らない。
海釣りや草地で芋でも栽培して、のんびり暮らしてくれればと思っていたのだが、先になりそうだ。
八さんとログハウスの曳家を検討していると、タルト村長が重要文化財に指定して移設の許可が下りなくなってしまったというのもある。
まあ、彼らが最初に住み暮らした家なのだから仕方がないが。
ログハウス前から東の東京湾方面へ歩き、迎賓館建設地に行く。
途中八さんと、終えた田植えの話をしていてのだが、建設地に来ると八さんは2秒ぐらいフリーズした。
農民モードと大工モードの変更を自ら行っているのだ。
普段はあまりやらないのだが、重要な建築物の時は気持ちを入れ替えるのだそうだ。
作業領域をすべてクリアにしないと、仕事の出来栄えが違ってくると本人が言うのである。
ロボットの熊さんがスイッチを入れ替えるように変わるのとは違って、アンドロイドは難しいのだろう。
俺にも儀式モードとかあればいいのに。
その時を冷静に切り抜けられて、あとは切り替えれば思い出して妄想に耽らなくてすむ。
いやいや、それはもったいないな。
記憶領域にすべて記録しといて、あとで再生して楽しむのだ。
夜中にひとりでいるときにとか、ムフフ。
でも、それって、オペレッタと同じなんじゃ?
ブンブンと頭を振って馬鹿な考えを消し去る。
今までの儀式をすべて再生出来るとしたら、俺は精神を破壊されてしまう。
忘れたり、薄くなっていくから男子高校生の脳は守られるんだ。
馬鹿で良かったよ。
「全部再生可」
「オペレッタ、また考えを読んだな!」
「ユーキ興奮度ベスト10を発表します。第10位は叔母シャケ」
「うそー」
「うそ」
「お前は悪魔か!」
「女神」
がっくりと脱力しながら、熊さんと一緒に迎賓館の基礎工事を行った。
力仕事でもしてないと、またオペレッタに考えを読まれるからだ。
時間も忘れて力仕事に励んでいると、突然目の前に熊さんがトレーを差し出してきた。
ジャガイモを蒸かしたのが3つ。
右端のは味噌が塗られている。
「お昼デス」
「ありがとう」
俺は迷わず味噌を塗ったのを取る。
3つでも、力仕事はきついよなあ、と考えていると
「残りは囚人たちの分デス」
熊さんはさっさと行ってしまった。
囚人と同じ扱いだと怒るべきか、味噌を塗ってくれたのがラーマの優しさなのだと喜ぶべきなのか。
水汲み場で水を鱈腹飲んで、草の上に寝っ転がった。
「オペレッタ」
「何」
「タルト村の様子は」
「お昼食べて盛り上がってる。ナナの大学芋、サラサのシャケバーガーにブドウジュース」
シャケバーガーか、そんなのも教えたんだっけなあ。
「ラーマは?」
「新人たちの詰めた干し鮭を詰め直してる。涙目」
「どうしてそんな」
「新人たちにジャガイモ食べさせ、自分は作業しながら、タキに食事が手抜きだと怒られてる」
ああ、ラーマ、疑ってごめん。
午後は午前中の2倍の速度で仕事をして、夜の儀式(いやらしい言い方だな。実際いやらしいけど)も何とか乗り切り、侍女38人を正式に配置した。
ユウキ邸の2階にはゲストルームになっていた4部屋が残っているので、ラーマの侍女5人を一部屋、タキの侍女5人を一部屋、レンの侍女5人を一部屋、俺の侍女3人を一部屋に割り当てた。
ちょっと狭いが仕方がない。
残り20人は15畳の旧ユウキ家が割り当てられ、迎賓館が完成するまで、そこで生活してもらう事になった。
しかしだ。
若い女が20人も、うちの階段を上り下りする姿を毎日眺められるのだ。(裸でだぞ)
階段で足音がする度に覗きに行くのってもう大変なのだぞ。
しかも、90度の曲がりが付いた階段って、色んな角度が眺められるからもう大変。
「それは大変ではなく、変態でございます」
「や、やあ、今晩はレンさん。奇遇だね」
「部屋から身体が全部出ていては、覗きにならないのではございませんか」
レンは、目の前の卵が腐っているのではないか、見極めるかのような目で見る。
この目は、カリモシが囚人のカカに石を投げて嫌がらせをしているときに、カリモシを退散させた目だ。
きっと同じだ。
「すみません。申し訳ありませんでした」
とりあえず、謝ってしまった。
美人に蔑まれるのって、かなり心が痛い。
レンはそのまま階段に向かう。
しかし、階段下でぴたりと立ち止まった。
俺は一度部屋に引っ込んだが、怖いもの見たさというか、好奇心というか、スケベ心なのか、そっと覗きに行く。
レンは振り返りもしないで階段の下で立ち止まっていたが、やがてため息をひとつついてから、徐にスカートを脱ぐと、ゆっくりと階段を上っていった。
見事とか、天晴れとか言うのだろうか。
俺は感動に打ち震え、それからしばらくの間『階段覗き』はしなかった。
「まあ、三日間でございましたが」
レンがため息をつきながらパンツを渡してくれる。
「三日もって言ってくれよ」
俺はどうも寝起きが悪い。
この星の一日が15分足りないせいだと思う。
一日15分でも、4日間で1時間の睡眠時間が削られている事になる。
「それより、コラノ第2夫人が産院で準備してございます。多分、次々に生まれることでございましょう」
「大変だ」
俺は、妊婦がいない風呂場でキンに歯ブラシを渡されチュウされると、ウオーをやり、湯船でギンとドウにチュウされてから急いであがり、着替えて産院へ駆けつけた。
あれ?
今はそれどころじゃないか。
「ラーマどんな様子だ」
「おはようございます、ご主人様。チュ」
「おはようございます、ご主人様。チュウ」
「おはようございます、ご主人様。チュ」
「お、おはようございます、ごご、ご主人様。ブチュ」
「おはようございます。ご主人様。チュ」
あれ?
「おはようございます。ご主人様。ご主人さま、ラーマにはしてくれないんですかー」
「ああ、おはようラーマ。チュ」
「ありがとうございます。まったく、カズネがみんなに教えてしまうから……」
「あの、これってもしかして」
「そうなんです。カズネがご主人様には朝の挨拶をしなければならないなんて教えてしまって。でも、夫人になったら駄目だと教えておきましたから大丈夫です」
何だか、全然大丈夫な気がしないけど大丈夫なんだろうか。
「それより、妊婦たちは?」
「それこそ大丈夫です。沢山食べられた年に難産なんか見たことありませんから」
「そうなの?」
そう言えばリーナさんが、この星には月がないせいか発情期がないと言ってたっけ。
そのせいで動物たちは、いっぱい食べられた年の冬に出産する傾向にあるらしい。
ところがエサを豊富にもらうと、いつでも出産するようになる。
猪や鹿モドキがそうだ。
さすがに人間は妊娠期間が長いから、年に2回も子供を産まないが、沢山食べると妊娠しやすいのは本当らしい。
ならば出産もそうなのだろう。
「でも、気を抜いたら駄目だよ。衛生面だけは慎重に、注意を怠らず」
「はい、皆朝から綺麗にして、あちこちアルコール拭きもしました。妊婦たちの手足も消毒済みですし、お湯も沸かしてあります」
霧吹きで軽く手をアルコール消毒し、部屋に入った。
部屋のベッド三つに、三人の妊婦が両脚を広げて唸っていた。
ゴフッ。
「すみません、アルコールがかかってしまいましたか」
「いや、ラーマ、他のへや、ゴホッ」
「はい、こちらです。助かりました」
そこでは、木にしがみついたコラノ第2夫人がお尻を持ち上げていた。
キィヤァーーーー。
すまない。俺の脳内の悲鳴だった。
「ユウキ様、助かりました」
「一人目が産まれないと次が続かないのです」
カズネとサラサが俺の両腕を一つずつ取ってそんなことを言う。
混乱している俺はそのままベッドに連れて行かれ、第2夫人のお尻の前に座らされる。
「さあ、ユウキ様。左右の手でお尻をさすって下さい」
アノ、ナニカノ冗談デショウカ。
コラノ第2夫人が振り返って、涙目でうんうん頷く。
「さあ、ユウキ様」
カズネとサラサに言われるがまま、目を閉じてさすっていると、直ぐに子供が産まれた。(らしい)
産声が聞こえてくる。
ああ、元気な領民で良かった。
本来は、難産の時に祈祷師がする『おまじない』だと言う。
俺は女神様の代理だから、祈祷師より良く効くだろうと思われている。
勿論、迷信である。
サラサが手早く連れて侍女たちと産湯を使わせている間に、カズネとラーマが第2夫人を処置する。(らしい)
「さあ、ユウキ様、次ですよ」
俺は目を開けると、ラーマに言われるまま第2夫人を抱き上げて、隣のタルト第1夫人と取り替え、そのまま目を閉じて同じ事を繰り返す。
両手を掴むのがナナと涙目のリリに変わっただけだった。(らしい)
その次は母ジャケで、サラサとラーマが左右にいてくれた。(らしい)
その後はもう、俺の脳は麻痺していて良くわからないまま、目を閉じて言われた通り動くだけだった。
最後のアンが木に間に合わず、連れて行った俺にしがみついたまま出産すると、一応終わりのようだ。(らしい)
新領民(赤ん坊)は、みんな元気で、俺は全員から賞賛された。
翌日、俺は有給休暇を取って一日中自分のベッドで過ごした。
忙しいので、ラーマもタキもちょっと顔を出しただけで後は現れなかったが、レンだけは時間を遣り繰りして来てくれて、キン、ギン、ドウを指示しながら俺の世話を焼いてくれた。
夜、うつらうつらしているとレンがベッドの上に来て、俺の前髪をなでつけてくれた。
「ユウキ様。女のお尻は、子供を産むためのものでございます」
「ああ、そうだな」
「遊び半分で覗いたりするものではございません」
「……」
「けれども、レンは見られても平気でございます」
「へえ、どうして」
「レンは、いつかユウキ様の子供を産みとうございます」
「まだ、ずっと先の話みたいだな」
「それまで、ずっと見ていて下さいませ」
レンは俺に軽くキスすると、部屋を出て行った。
スカートは穿いていなかった。
「レン、デレた!」
「ユウキ、私が先に産むんだから」
「ユーキ、わたしも産むー」
この二人は相変わらずだった。
爽やかな風が吹く6月。
迎賓館が完成した。
VIPルーム、大部屋兼カフェ、厨房、侍女の部屋、倉庫、会議室、応接室、補佐官室、領主執務室。調理台、食器棚、井戸にお風呂。
一応、何でも揃っていた。
俺は、侍女見習い38人をみんな迎賓館に配置し、そこで暮らすように指示した。
ユウキ邸は、元の4人に戻り、平和になった。
俺はしばらくの間、2段目で農業に励んだ。
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