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アルスの在り処  作者: 北織 依茶祢 & HN's
序章
2/10

[とある物書きの校了]



ーー西暦✕✕✕✕年 某日



 幾つもの紙を揃える音がする。


 現代にしてはアナログである原稿用紙の束。数十、いや数百のそれが書き手に、万年筆の代わりに持たれていた。


 (おう、終わったのか)


 立ち上がった「物書き」を見て、同じ空間を共有していたもう一方の人物が口を開く。そのふくよかな人物は、紫煙を吐きながら「書き手」へと手を伸ばした。

 その手に「物書き」は原稿用紙たちを手渡す。


 (ええ、元々書き終えられていたものですから。それは随分と昔ですが)

 (そんで? こいつはどんな物語なんだ)


 するとすぐには答えず、「物書き」は肩をすくめる。


 (それが題名は思い出せていないんです)

 (なら、少しこいつについて聴かせてもらおうか。話してりゃ、思い出すかもな)


 そう言って「煙草吹き」は紙の束を「物書き」に手渡し戻す。そうしてもう一度、紫煙を昇らせる。


 (そうですね、長くなるかもしれませんが…)


 「物書き」は静かに眼を閉じ、語り始めた。





■■■「???」:00.<■■■■>

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