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4話 お嬢様とのフラグをぶっ壊します

「貴方、私の僕になりなさい」


入学式が終わり自分のクラスの教室を探していると

ツインテ金髪巨乳美少女からいきなりそう言われた


彼女はメインヒロインの一人

『椎名まゆみ』

上流貴族の生まれのいわゆるお嬢様だ


本来であれば主人公にちょっかいをかけて

自分の派閥に引き込もうとして失敗しまくる

そして主人公を認めて共にパーティを組んで

ラスボス(俺)を倒す…


「あら?光栄すぎて言葉も出ないのかしらぁ?

いいわ私と時間を共にできる喜びに打ち震えなさい!」


そういや初めてゲームプレイした時はこいつを攻略したっけか?


主人公と廊下ですれ違っただけで決闘申し込んできてバトル始まるから

なんだかんだスライムやゴブリンより倒した回数多いんだよなぁ


「…ねぇ、感激したのはわかったからいい加減なにか喋ったらどうなの?それとも女性と話すのは苦手なのかしら?」


攻撃は痛くないんだけど防御力がやばいんだよなぁ

ゲームプレイしてた時

こいつオークのぶった斬りって技喰らって腹から血を大量に流してぶっ倒れたのにHPみたら1しか喰らってなくて一人でゲラゲラ笑ったわ


「何ニヤニヤしているのよ気持ち悪い…私の僕になるのならないのはっきりしなさい!」


そういや俺この世界に来てから一回も戦闘してねぇな

ゴーレムの爆破で経験値手に入れただけだから戦闘の必要なかったし

モヒカンのチュートリアルはスキップされたし



…ここで試すか


「…!その構え。まさか私と戦おうなんて考えてませんわよね…?代表だかなんだか知らないけど貴族である私に勝てるとでもお思い?いいわ!そのニヤケ面を叩き潰して差し上げますわ!」


生徒の証として渡される学院生バッジには

簡易的はバトルフィールドにワープできる機能がある

発動条件は決闘を申し込んで相手が了承すること


この中ではどれだけ魔法をぶっ放しても壊れないし

例え体がバラバラになるようなダメージを受けても死ぬことがない

力試しにちょうどいい


「身の程知らずな貴方に教えてあげるわ

私こそがこの学園最強の貴族であると!」


『聖騎士のセイントシールド!!』

『召喚魔法 重聖騎士!槍聖騎士!』


十八番の布陣を敷いてきたな


聖騎士の盾は魔法系の攻撃を弱める効果の大楯

物理攻撃は本人の防御力があるから盾で守る必要すらない

だからこそそれ以外を防ぐ盾を呼び出したわけだ


重聖騎士と槍聖騎士は聖騎士の盾発動時のみ呼び出せる召喚獣


重聖騎士は巨大なハンマーを振り回す巨大な鎧の騎士で

槍聖騎士は文字通り槍を使う鎧騎士


速さで翻弄する槍騎士と油断すると一撃でやられる重騎士

そしてこいつらは召喚者が無事な場合なんども召喚される上に

こいつら2体に気を取られていると召喚者からの魔法攻撃による援護射撃を喰らう


一見完璧な布陣に思われるが

忘れてはいけない今はゲーム序盤

そんな頃に戦えるキャラがまともにやり合ったら勝てないなんてことはない


そう実はこれもチュートリアル戦闘のひとつだ


本来であればアイテムである「小型ボム」を使う

小型ボムは投げつけると爆風に当たった相手に防御力の高い低い問わず50の固定ダメージを与える


そして椎名まゆみのこの時点でのHPは50


つまりアイテム一つで勝てるのだ


椎名まゆみはゲーム内ではゴーレムの次に硬い防御力を持っているがその反面

HPが低く設定されており状態異常にも弱く設定されている


まぁそんなアイテム使うつもりはない


今回はチュートリアルではなく力試し

せっかくレベル999になったのだから

俺ツエーしたくなるのが転生した男の子のサガってもんだろ


だから


「…⁉︎」


俺が愛用していた


「なに…この重圧は…ッ」


最強技を試させてもらう


この技は習得するにはレベル999になっていることと起動までに10秒かかってしまうデメリットがあるのだが

発動時に発動者よりもレベルが低い対象に20秒間のデバフ『重圧』と付与する


重圧を付与された者は足がすくんで退避行動、防御行動等がとれなくなる


つまり100%あたる


…まぁレベル999になる頃には倒す敵いないし

裏ボスとかもいないから入手できても入手した頃にはもはや不要の産物であることでも

有名な技だ


そしてもうひとつ有名な理由は


「…発動せよ。」


「…ッ!くる…ッ」


「穿つ魔界の暴虐の一撃ッ!!」


名前がクソダサい



強力な衝撃波を放って敵を倒す広範囲技

こいつの効果は食らった相手の防御力、魔力耐性、鎧や盾などの耐性なにもかもを無視して大ダメージを与えることができる


俺はよくこいつを釣りがめんどくさかったから

海や池に向かってぶっ放して魚を集めていた


だがいちいちこの技名を叫ぶのはなんか恥ずかしかったから


「略して…『うまいぼう』だ」


「名前が………ックソダセェですわ……」


いいや穿つ魔界の暴虐の一撃よりはマシだ


彼女がダウンしたことによりバトルフィールドから廊下に戻された


「貴方…椎名家の長女である私をこんな目に合わせて…タダで済むとお思いですの」


うーん。本来だとここで手を差し伸べて優しい言葉をかけて「ふっおもしれー男」って言われて好感度が上昇するとこなんだが


正直さつきの件があったせいで恋愛はもうしたくない

変に声かけて好感度上げられなくないから…


うん。このまま無視しよ!


「⁉︎ちょっとなんで無視するんですの!せめて手を貸すのが礼儀ではありませんの?!」


あーあーきこえなーい

レベル999あるし貴族にちょっかいかけられてもこの学園か街から逃げればいいし


いざとなったら滅ぼせるしね国ごと


さぁーぼくのクラスはどこかなー


「大貴族である私をここまで辱めて

挙句無視までするなんて……」


「ふふっ面白い男ですわね。」




『椎名まゆみの好感度が999上昇しました。』



え?


は?

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