1.5話 やらかした
あれぇ〜?
女神は生まれて初めて恨まれた
彼女は愛の女神として世界に祝福を与える存在であった
神罰など落としたこともなく
困っている者や助けを乞うものには手を差し伸べてきたまさしく愛の女神の名に恥じない存在であった
だからこんなにも人から怒りの感情を向けられたことはなく
こんな経験は初めてであった。
「なんでぇ?あの子が『高橋さつきちゃん』ってことラブラブになれるように動いたのになんであんなに怒ってるのぉ?」
初めてのことではわわわと動揺する
「この前見たドラマでやってた一度は別れて別の人と結ばれるけど最終的には結ばれてはっぴーえんど!ってやつをやってみただけなのにぃ!」
彼女はどーしてこーなったーと頭を抱えていたが自分がやったことがとてつもない失態であることを理解していなかった。
転生者と神々との間で交わされる約束事は
契約として扱われる重要事項なのである
これは転生時に力を得た転生者が当初の目的を忘れて悪用にたり暴れたりしないようにするためのものであり
契約を反故にした場合重いペナルティが課せられる
だがこれは神々側がこの契約を反故にしないことを前提としたものであり
ペナルティを受けることなど想定していなかった
彼女は思いつきで行った行動によって
契約は反故となったと判定され
世界は大きく変わってしまうのであった。