-10-洋画と海外ドラマを鑑よう②吹替えでもいい理由
吹替えだからこその楽しみも。
吹替えでもいいのです。
むしろ、好きなひとは吹替えも楽しんでください。
私が、吹替え肯定派なのには、理由がいくつかあります。
(1)字幕は情報量が少ない
とある映画で、俳優さんの台詞では、例をいくつかあげていたのに。字幕に描いてあった、その例が、あきらかに台詞のほうの数より少なかったのです。
そのとき、気づきました。
あ、字幕って、きっと台詞のぜんぶをきちんと訳してるわけじゃないんだな、って。
ただでさえ、字幕のペースがはやくて、読むのが必死になってしまう映画、ありますよね。
おそらく、字幕をつけるほうも、読む側のことを考えながら、つけてくれていることでしょう。
ですので。
台詞をぜんぶまるごと訳すと、字幕を読むのが負担になりそうなときは。情報量を削って、あるいはシンプルないいまわしにして。読む側が、字幕を追うのに忙殺されないようにしてくれているのでしょう。
吹替えでも、英語とおなじ内容の台詞を日本語だと。おなじ時間でしゃべりきれないとか、口のかたちに、あわないとか。いろんな制約から、その情報量が台詞とおなじとは限りませんが。
少なくとも、字幕の情報も、俳優さんの台詞に絶対に忠実にというわけでもないのです。
(2)映像を見る余裕を
このように、字幕を読むことを「負担」に感じることは、自然なことなのです。ひとによっては「苦役」ではないにしろ、ね。
そして、洋画や海外ドラマは、台詞を追う、脚本だけを楽しむものでもありません(そういう楽しみかたも、あるとはおもいますが)。
やっぱり、映像も楽しみたいですよね。
字幕を読むのに必死で、映像を見ることができなくなってしまうくらいなら、意地をはらずに、吹替えで鑑てしまいましょう。
映像を余裕をもって見ることと。
吹替えでなく、字幕で鑑ること。
俳優さんの演技を見たいなら、後者を優先して字幕でもいいでしょうが。
ゆったり楽しみたければ、前者を選んで、吹替えで鑑てしまえばいいのです。
(3)声優さんを楽しめる
前提として。
吹替えに「あたり」「はずれ」は、あるでしょう(笑)
声優が本業でない俳優さんを起用することには、賛否あるとおもいますけど。俳優さんでも、素晴らしい吹替えをしてくださるかたいらっしゃるので、全否定はしたくないものです。
とまあ、それは前提。
ここからは、おもに、本業の声優さんのはなしになりますが。
吹替えって、声優さん好きには、楽しいんです。
アニメ好きなかたには、言うまでもありませんが。
字幕で、映像に出演している俳優さんの演技を楽しむように。
吹替えでも、声をあてている声優さんの演技を楽しめます。
作品の本来のかたちから考えれば。出演している俳優さんの演技を楽しむほうが、本来的な楽しみかたなのは、そうでしょう。
ですが、せっかく吹替えというものがあるんですから、声優さん好きなかたは、その演技を楽しまなければ、もったいない。
いや、アニメ好きなかたには、ほんと言うまでもありませんけど。
キャスティングを楽しんだり。
声を聴いて、その声優さんだと気づいたり。
この俳優さんには、この声優さんが吹替えを、なんて「持ち役」があったりするのも面白いですね。
たまに、ちがう声優さんが声をあててると違和感があるのも(笑)
そういえば、ある作品の登場人物が、ほかの作品を劇中で鑑賞していることがありました。
ちょうど、両作品のメインキャラを、おなじ声優さんが吹替え担当しておりまして。劇中でテレビから流れるそのキャラの声も、ちゃんとこの声優さんが吹替えておられました。
アニメが好きなかたで、声優さんの演技を楽しんでいるかたが多いように。もちろんそれは、洋画や海外ドラマの吹替えでも楽しめるのです。
(4)むしろ吹替え好きは少なくない
わざわざです。
DVDやBlu-rayに、通常とちがうヴァージョンの吹替えを収録していることを、売りにしている商品やシリーズがあります。
今作では、担当する声優さんが前作と交替してしまっているため。前作までの声優さんで録りなおしたもの。
これまでのDVDやBlu-rayに収録されていた、キャスト陣とはちがう。あのテレビ局で放送された、吹替えヴァージョンを収録したもの。
そういったものが、通常盤のDVDやBlu-rayとはべつに、特別盤として販売されているのです。
もちろん、これらはいわゆるコレクターズアイテム(入手困難という意味ではなく)ですね。
吹替えのキャストにまで、こだわりがあって。あの声優さんでの吹替えを鑑たいだなんて、洋画や海外ドラマ好きだからこそ。
そんなひとたちむけに、吹替えを用意するということは。
吹替えを楽しむのも、洋画や海外ドラマ好きにはたいせつな、ひとつの醍醐味だという証でしょう。
(5)吹替えはわかりやすく訳してくれている
英語などでは、韻を踏んだ言い回しをしたりもしますし。劇中の舞台がおもに海外だけに、日本人にはピンとこない、例えばなしが出たりもします。
字幕なら、その台詞を聴きながら読むからこそ。わかりにくくても、その内容で訳してくれるのでしょうが(韻を踏むときは、わかりやすいように。その部分にカタカナで、あて字のようにルビをふったりしてくれることも)。
吹替えだと、わざわざ、日本語で韻を踏むように意訳してくれたり。日本人にわかりやすい例えに、差し替えてくれたりします。
もとの台詞を楽しみたいひとには、余計なことかもしれませんが(苦笑)楽しんで鑑ることができるように、吹替えの台詞もいろいろ工夫がされているのです。
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どうですか?
吹替え、いいものでしょう?
それでも、かたくなに字幕派のかた。それはそれで、いいと思いますが。
吹替えにも、吹替えの善さがあって。
吹替えが好きなら、ふだん吹替えで鑑ていても、洋画や海外ドラマ好きを自負することにためらう必要はありません。
あ、吹替えがない作品もあるので、字幕でもちゃんと鑑れたほうがいいですけどね(苦笑)
両方、鑑ます。




