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Close to You  作者: Tohma
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78 早押し対決2

第1問


 米国の首都はどこでしょう?



華巻の解答兼権を示すランプがついた。悔しがる都。


「米国……お米の国、お米王国!」


ブーと不正解のブザーが鳴り、解答権が都に移る。


自信満々の都。


「お米と言えば……新潟!」


またブーと鳴り、ええっと今度は意外そうな顔をする都。


「正解はアメリカの首都、ワシントンDC。はぁー、まためまいが……」


透野は華巻と都の珍解答によほどショックを受けたのかよろけて、さっきよりもより深く教卓にもたれかかった。



第2問


 九九(くく)の7の段を答えなさい



また華巻のランプが点灯し、最初の解答権を得た。


「ちょっと、これ壊れてるんじゃないの~」


都が不満げにボタンを連打すると即座にピンポーンと鳴り、ランプが点灯する。


「壊れてない、押すタイミングの(わず)かな差」


八幡タイヤが手を横に振りながら、本当に壊れるのでそんなに強く何度も押さないでと都に念を押す。


 解答権を得た華巻は自信たっぷりに九九の7の段を(とな)える。


「7×1=7、7×2=12、7×3=22……」


華巻が答えている途中で無情にもブーと不正解の音が鳴る。


「……7×6=48、7×7=49、7×8=56、7×9=67」


続く都も所々間違えたため、2人とも2問目が終了した時点で0点のままとなった。


「はあぁ~、2人ともまさかこれほどとは……た、倒れそう……」


とうとう司会の透野がこれ以上にないほど教卓にへたれ込んでしまい、動かなくなってしまった。


都と華巻の解答にあまりにもツッコミどころが多く、とうとう限界を迎えたようだ。



「もうダメ……しーちゃん、バトンタッチ」


ひどく憔悴(しょうすい)しきった透野は、後はよろしくと釜井とタッチを交わすと東和に支えられながら教室を後にした。


 その後は釜井と八幡タイヤの司会で番組が進行された。



第3問


 1492年コロンブスが発見したものは?



この問題も華巻が解答権を得た。


「電話!」


「残念。電話はもっと後にアントニオ・メウィッチやグラハム・ベルという人達によって発明されました」


流石(さすが)にエウレカ1の秀才と言われるだけあって釜井が間違い解答にも透野以上の解説を付け加えてくれる。


続いて都が答える。


「コロンブスの卵っていうわよね! 卵、卵を初めて作った人!」


こちらにも(むな)しく不正解の音が流れる。


「正解はアメリカ大陸の発見。1492(いよくに)燃えるコロンブスでおなじみの」



 その後も同じようなやりとりが都と華巻の間で何度も繰り広げられ、お互いに0点のまま、30分が経過した。


最初は熱心に応援していた生徒役のエウレカメンバー達もしだいにトーンダウンし、特に松尾や二瓶は学力テストの開始時のように髪をいじったり、爪を磨いたり……し始めた。



「スタッフさんと話し合った結果、ルールを変更します。先に1問正解した方が勝者とします」


それを聞いたメンバー達はパッと目を輝かせ、わーいやっと帰れると都と華巻に気遣(きづか)素振(そぶ)りも微塵(みじん)も見せず、歓声を上げた。


雨音までも満面の笑みで嬉しそうな顔をしているのが画面に映って、僕も病院内にいるにもかかわらず、思わず声を漏らし笑ってしまった。

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