父の形見
「さて…と」
今日は色々あったな。感情の浮き沈みがすごかったし疲れた。
そんなことを考えながら家につくと夕飯を食べ明日の準備をしていた。
「俺は“あれ”を持ってくるか」
アルマは家から少し離れた倉庫に向かった。
その倉庫には俺は入ったことがなかった。
「ほこりくっせぇ」
長く使われていない倉庫の扉を開け、1つの箱を持ち家に帰った。
「これが父ちゃんが残してくれたもの…」
この箱は父ちゃんが生きていた頃に冒険者になる決意ができたら開けろと言われていたものだ。
「なにが入っているんだ?」
箱を開けて見ると1つの銃と100発以上の玉。それと…
「手紙?」
俺はその手紙を開けるとこれが父ちゃんが書いた手紙だということがわかった。
「父ちゃん…」涙が出そうなのをぐっと抑え手紙を読んだ。
『アルマへ』
この手紙を読んでいるってことは俺はもうその世界にはいないらしいな。
だが気にすんなよ!俺はずっとアルマのこと見守ってるからよ!
それに冒険者になる決意をしてくれたのはすげぇ嬉しいぜ!
いっつも俺に冒険話聞かせて!って言ってたんだもんな…。
まぁ昔話は書かないでおくぜ!
その箱に入っている銃は俺からの冒険者祝いだ!
世界で一品物の8玉入れられて2連うち可能な代物だぜ。大事にしろよな!
玉は126発入ってるぜ。キリ悪いけどカンベンな!
俺はこの銃で世界中を旅してきた。
アルマなら必ず俺を超えられる。
世界一の冒険者になれよ!
父 ファスタより
俺はこの手紙を読んでいる間今まで溜め込んでいた物が溢れ出てきた。
本当は父ちゃんともっと一緒に入れたはずなんだ。
もっと冒険話が聞けたはずなんだ。
ある程度冒険者が危険な職業だってことは分かっていた。
それでも父ちゃんが冒険者をしていたことはかっこいいと思っていたし今でも誇りに思っている。
だが父ちゃんは殺された。
巨大な何者かの陰謀によって。
手紙を読み終わり封筒に戻そうとすると封筒の中から2枚の紙が落ちてきた。
1枚の小さな紙にはこう書いてあった。
この紙を村長ファルマスに渡してくれ。
冒険者試験に行く前だ。
必ずお前の助けになってくれる。
短くそう書かれていた。
もう一枚の紙にはさっきの手紙の続きのようなことが書いてあった。
追伸
お前の冒険を縛りたくねぇからこんなことは書きたくなかったんだが状況が変わったためこの手紙を残すことにする。
俺は多分このあと何者かに殺されるだろう。
俺は一生をかけてとあることについて調べてきた。
そのことを調べるために冒険者になったと言ってもいいくらいだ。
だがこの手紙に書く時間はない。
もう一枚の紙に村長あての紙を挟んでおいた。
そこで全てを知ってくれ。
だが勘違いするなよ。
俺はお前に俺の影を追っかけてほしいわけじゃねぇ。
お前の進みたい道を行け。
この手紙については俺は理解ができなかった。
だが1つだけ言えるのは明日村長のファルマスさんから父ちゃんの一生をかけて調べていたことを知れるということだ。
「なんだよ…この気持ち」
怒りと悲しみとワクワク そんな三者三様の気持ちが胸の中に渦巻いてやがる。
「まぁ考えたって今はわかんねぇな」
そうつぶやくと俺は寝床についた。
今日はこの一話しか投稿できません!
土日もあまりできませんが月曜日、火曜日に期待してください!