学校
投稿は主の気まぐれですができるだけ早くしますのでよろしくおねがいします!
※本格的な冒険は2章からです。
立ち込める炎の匂い押し寄せる群衆
「おい逃げろ!大丈夫…ここは俺に任せて先にいけ」
ずっと聞いていたかった毎日聞いていた声「またか…」
今日は義務教育9年間をやっとの思いで抜け出せる卒業式
やっとの思いで学校から抜け出せるこの日はみんなにとって記念の日だろう。
そんな朝にあんな夢見ちまうとは俺もついてねぇ。
なんの波乱もなく卒業式を終え少し落胆しながらクラスに戻ると浮かれている男子共の声が響いていた。
「どいつもこいつも」
と口に出しながら内心浮かれ気味の俺はクラスに入る。
「よっしゃぁぁぁぁぁ!」
と珍しい白髮がトレードマークの俺の友達ゼニスが吠えていた。
「全く、学校を抜け出すのがそんなに嬉しいのか?」と問う。
「嬉しいに決まってんだろ!抜け出すって言ってるアルマもな」二人で笑い合う
ゼニスとは小学一年の頃からの付き合いだ。良き友でいつも一緒にいる。
「そんなに嬉しいの?これからやることなくない?」とクラスのアイドルヒナが呆れ気味に言った。
確かにここにいる大体の奴らが将来のことを決めていないだろう。
だが俺は決めている!
そんな優越感に一人で浸っているとゼニスが
「だってアルマは何するかもう決めてるもんな!」と大声で言った。
全く余計な一言を言ってくれたな。
今の一言でみんな俺の話に興味津々じゃねぇか。ここで言っとくか。
「やるぞ〜冒険者!」
その一言でクラス全体が静まり返る。
誰も一言も喋りださない。嫌な雰囲気になってしまった……。
「おいおいそんなおかしいこと言ったか?」
この一言を口火に男子共が静かにこちらへ歩いてくる。
ゼニスに言ったときはかっこいいって言ってくれたのになぁ。
そんなことを考えながらゼニスに助けてと視線を送るが深いため息をつかれる。
するとクラスの男子全員が
「かっけー!!」
「いつから決めてたんだよ!」「どんな武器使うのか決めた?」
「もう魔法使えんの?」「青黒の髪型のお前が冒険者とか漫画見てぇ!」
おいおい、みんなキラキラ目を輝かせて来てる。まずいな。
「おいおい、お前ら一旦落ち着けって」
そんな声は虚しくクラスの中は男子共が大騒ぎ。
そんなときだった。
「冒険者なんて馬鹿なの!?死ぬかもしれないんだよ?」
クラスで1番真面目なローラが叫んだ。
ドクン…その言葉が俺の胸を強く締め付けた。
あのことは今思い出すべきじゃねえ。忘れろ。
自分の過去に関してはゼニスとヒナにしか話したことはなかった。
この二人しか信用できる友達はいなかった。
「いいじゃねえかよ個人の自由で。なぁアルマ?」
「え?何が?」
やばい、話聞いてなかった。
「人の話は聞けよな」
クラスの級長ロイがため息をつく。
なぜ俺があきれられている?
疑問に思いながらふとうるさい教室を見渡してみるといつの間にか俺のことでクラス内が男子VS女子で大討論している。
知っていたゼニスとヒナは落ち着いて喋っていた。
「俺もいつめんの所に戻るかな」
と思いゼニス達のもとへ歩き出すと
「バン!」
勢いよくドアを開ける男がいた。
「お前ら!最後の最後までケンカか?最後くらいわしを喜ばせるようなことしてくれ!」
我らが担任のカクちゃんこと角田先生の声が聞こえるとみんなポケットに隠していたものを手に取り
「パァーン!」
「角田先生!今までありがと〜!」
角田先生へのビッグサプライズだ。角田先生はみんなに愛されられる親父みたいな存在でみんなにいつも慕われていた。そして今年定年退職だ。
角田先生は俺の目指すべき人の一人だと思っている。
だから分かれるのは本当に悲しいが最後くらい盛大に祝おうと俺が企画した。
「お…お前ら…」
今にも泣き出しそうなカクちゃんを見てヒナが
「カクちゃん泣いてる〜!」
クラスのお別れ会が始まった。