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想いの詩(仮題)

あなたを忘れない

作者: 浮き雲

はじまりはあれど終わりのなき恋は、そっと仕舞って死出の土産に




夏の終わりの


まだ暑い日差しと、涼やかな風が


逢うべくして出逢う


その短い季節は


やがて、穏やかに移ろって


深まりゆく紅葉の葉漏れ陽に似つかわしい


秋の日差しへと昇華されてしまいます




まるで、二人の思い出のような


その僅かな時間は


また、今年も訪れて


いつの間にか、秋の中に溶け込んで消えてしまいました



やがて、冬が来くれば、春を迎え


夏を過ごせば、何度目のこの季節になるのでしょう


季節が繰り返しながらも、時を進めて


似て非なるものに移ろってゆくように


繰り返すたびに、あなたの記憶も


その輪郭を滲ませていきます




それでも、忘れたりはしません


願いでも、罪の意識でもなく


生きている限り、あなたを忘れないのです



森を潤した雨が、河となって海へと注ぎ


太陽に巻き上げられて


やがてまた、大地へと降り注ぐように


あなたへの想いは、廻り続けます




それは、わたし自身に与えた


たったひとつの「永久命令」なのですから




あなたを忘れません


いのち果てるときに、きっと


空へと拡散していく意識が


最後の輪郭を描く、そのときまで


あなたの記憶と贖えない淋しさを友として


あなたを想い続けるのです





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