表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三題噺

三題噺第12弾「黄色」「PSP」「憂鬱なメガネ」

作者: 音奏

 ミーン、ミーン、ミーミーミー。

 セミの泣き声がうるさい夏の日、そこに自分はいなかった。

 でも、いないという表現は少しおかしいかもしれない。


 姿が投影されて、そこに映し出されているのだから、ある種の幻影としてそこにいる。


『この映像を見ているということは、自分は日本に帰ってきてないのだろう。そのためにこのビデオメッセージを残しておく。

 今自分は、ある調査のためにアメリカ沖にいた。それは重大な密約を結ぶという情報を得て潜入したのだ。

 その決定的証拠を提示し、今度こそまともな契約じゃないことを示す必要性があった。

 全ては日本のために行うものだった。

 しかし、邪魔だては来るもの。自分は帰ってこれない。

 そのときは、みんなに自分の願いを叶えて欲しい。

 どうか、日本をよくしてくれ。あとは、たのんだ』


 薄暗い狭い部屋の中、ビデオメッセージは終了した。


「隊長……」

 部下の一人目。背が低いが、筋肉ががっしりついている人物が呟いた。

「隊長は死んだものと思え!」

 部下の二人目。背が高く、“憂鬱なメガネ”をかけていた。

「隊長……あんたはいい人すぎたんだ……」

 部下の三人目。“黄色”のハンカチを目にやり、優しそうな目をしていた。

「これから作戦行動に移るぞ! 隊長の意思を継ぐ!」

 部下の四人目。副隊長が指揮を取ろうとした。


「まず、隊長のいたアメリカ沖に潜入して、情報を探る!」

「そのあとは、どうするんです?」

 部下の一人目が訊く。

「“PSP”で各自連絡を取り合う。そして、隊長がなし得なかったことを、われわれの手で実行に移す!」

「おおーー」

「隊長、必ず成し遂げて見せますからね!」

「正義のために!」

「ーー正義のためにーー」



お読みくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ