第十四回『汚名』 ー ハッピーエンドと戦慄のラスト ー
『汚名』
1946年 アメリカ モノクロ
アルフレッド・ヒッチコック監督
どうも。ちょうど今日観てきた映画のご紹介です。
今ちょうど、渋谷の映画館でヒッチコック特集をやっていてですね、そこで観てきたんです。といっても、DVD で観たことはあるし、現に今、家にあるんですけどね。
でも、やっぱり DVD より劇場で観たい。映画を観るのに家だなんて……。
お目当てはもちろん、ヒロインを演ずるイングリッド・バーグマン。
かのグレタ・ガルボと同じスウェーデン出身の女優で、出演作で皆さんが馴染み深いであろうと思われるのが、『カサブランカ』(1942)。個人的には『ガス燈』(1944)、『秋のソナタ』(1978)、それと、役柄的には『聖メリーの鐘』(1945)もオススメ。もちろん、以前ご紹介したヒッチコック監督作品『白い恐怖』(1945)も。それと、2015年、生誕百周年を記念して製作されたドキュメンタリー映画『イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優』なんてのもある。
はい、バーグマンのご紹介はこれくらいにしておきます。
まだ観てない作品もあるし……
で、なんだっけ? あ、『汚名』か。
この作品ね、リアルだと非常に話題に出しにくいんですよね。
なぜかって? 邦題タイトルを言っても「なんだって?」と聞き返されるのが常だから。
「え、なに、オメー? おめえ、なに言ってんだ?」
ああ、もう。オメーじゃないっつの。『汚名』だってば。
……いやあ、文字でご紹介できるって便利ですね、はい。
さて、本題へ。
おそらく今、読者の皆さんが気になっていることは、私がご用意した今回のタイトルでしょう。
「第十四回『汚名』 ー ハッピーエンドと戦慄のラスト ー」
あ? なに言ってんだ、オメー。
ハッピーエンドと戦慄って、おかしいべさ。
まあまあ、んなこと言わねえで、観りゃあわかっからよ。
ええ、大事なところのネタバレをしないように、少ーしだけ説明しますとね。
このお話、メロドラマチックサスペンスなんですよ。まあ、『白い恐怖』もそうでしたけど。
で、胆を冷やすようなサスペンスの後に、男女の感動的なハッピーエンドが待っているのですね。まったく、素直じゃない男だったんですよ、彼は。え、この時点でネタバレ? いいんです、この結末はもう、見え見えですから。この後が大事。
もうね、最後をあすこに持っていくというのが、ヒッチコック監督ですね。
メロドラマ・ハッピーエンドでは終わらせない。
彼(監督)からしたら、話の筋なんかもうどうだっていいのでしょう。はいはい、良かったね、お二人さん、どうぞお幸せにーって感じなのでしょう。
ところが、観客としては、そっちの方に感情移入しているもんだから、ラストの不意打ちで、
グハッ、ヤーラレターアッ
となるのでしょう。
本当に意表を突かれる終わり方。これぞ、エンタテインメントです。ぎゃー、持ってかれたー、です。
あ? オメ、さっきからなーに言ってんだ?
近頃、東京ん若えもん言うことは、わかんねえ。
んだら、観ればいい。
観ればわかっから。
ちなみに私、東京の人じゃないですよー。




