表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/19

第十三回『ニュー・シネマ・パラダイス』 ー 映画の楽しみ方 ー

『ニュー・シネマ・パラダイス』

1989年 イタリア・フランス カラー

ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品




お久しぶりの更新です。

フランス映画と日本映画のご紹介が多いので、そろそろ別の国の映画もご紹介しようかな、と思ってのイタリア映画なのですが、調べたらこれもフランスが製作に関わっているのですね。



この映画、ちょうど昨年の今頃、名画座で上映されていたのを観たのですが、音楽がいいですね。

今、聴きながら書いているのですが、ワクワクします。ゆったりとした曲調ながらも好奇心をくすぐるような音楽です。





で、どうしてこの映画をご紹介しようと思ったか。

実は私、話の筋を正確に覚えているわけでもなく……

ただ、怖ーいお母ちゃんが出てきたということと、映画好きの少年が映写室に入り込んで技師を困らせて……というのと、『カサブランカ』のポスターなど、映画ネタがいたるところに出てきたということと、建物の壁をスクリーンにして上映していたシーンもあったなあということと……



ええと、なんだっけ?

そうそう、なぜご紹介しようと思ったか。

この映画を観ての、私のある感想を今でも鮮明に覚えているからです。

それは、

映画の楽しみ方が、今の私たちと違って、生活に根付いているのだな、

というものでした。




映画の中の映画というと、『ミツバチのささやき』や、以前ご紹介した『トリュフォーの思春期』にも似たようなところがあったなと思うのですが、観客が本当に気楽で、本当に「娯楽」として観ているといった印象を受けるのです。もちろん、劇中劇と同じですから、多少デフォルメされたりはしているのかもしれませんが。


対して、今の私たちは、映画というと、暗い箱の中でスクリーンに意識を集中して作品を鑑賞する、という意識が強いのかな、と。他の観客もそれぞれで集中しているから、声を立ててはいけなくて、飲食の音さえ注意しなくてはいけなくて……

いや、もちろんそれは、現代の映画館では当たり前のマナーなので守らなくてはならないのですが、そもそもの映画の捉え方の問題として、私たちは少し、真面目に考えすぎているのではないかな、と。娯楽から離れて、文字どおり「鑑賞」の対象になってしまっているのではないかな、と。うまく言えないけれど、晩御飯を食べながらテレビドラマを眺めるような、そういった娯楽として生活に根付いた感覚があってもいいのかな、と。

(そういう意味もあって、私は「鑑賞」という言葉をあまり使いません。意味的には大差はないかもしれませんが、それでも「映画を観る」と書きます。私なりのこだわりです。)



ただ、今でも名画座なんかに行くと、比較的高齢の方なんか、声を立てて笑っている方もいらっしゃって、「映画館で観るというのは、これなんだよなあ」と温かい気持ちになることもあります。また、これは上映中ではないですが、黒澤明監督の『七人の侍』を観にいったときなんか、上映終了後に館内が大きな拍手に包まれたこともありました。


そう、映画の楽しみって、スクリーンの中だけじゃないんです。





……ということをお伝えしたかった。

肝心の『ニュー・シネマ・パラダイス』の内容について、なんだか思った以上に「印象」しか残っていなかったので、久しぶりに観てみようかな。

たしか年明け(二◯一八年一月一日)に、BS での放映があったはずなので、皆さんもよければ観てください。

私は録画しとこうかな……





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ