山本隆次氏の昼下がり
同刻。生徒会室会議スペース(パーテーションで…以下略)のさらに奥側。飯田橋高校生徒会執行部執務室(学習机とパイプ椅子がいくつか並んだだけの……)。
「……多少の反発はあるようですが、マスコミは抑えておきますので、さほど大きな問題にはならないかと」
「そうか、手間をかけてすまなかった。まさか僕のディナーショーと僕のバンドのステージが同じ時間だとは思わなくてね……」
「ほかでもない会長の花道です。こちらこそスケジュールの調整が至らず申し訳ありませんでした」
「うん……それもそうだけど、前夜祭の件はどうなっているかな?」
「あぁ、その件ですが、万事怠りなく進んでおります。サプライズ企画ということで、公表をギリギリまで遅らせました。主催を我が執行部としましたので、何かと専横の気がある式実の連中にとってもいいクスリになるかと……」
「ふん、君も食えない男だね……、まぁいい。僕ももう引退だ。次の選挙のときは……分かっているね」
「はっ……心得ております」
生徒会室の扉が凄まじい音と共に開かれ、パーティションの向こうから響いていた喧騒が一時静まる。
「ちょっと、これどういうことですか! 前夜祭とか、全然聞いてないわよ!!!」
響き渡るキレ気味の美声。竦む式実一同。
「……マスコミは、抑えたんじゃなかったのかな」
「……申し訳、ございませんでした」




