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幕間+八話時点での人物紹介

「大儲けですね」


「そりゃ、私の兄さんだからね」


 伯爵と轟が闘技大会で優勝した舞台裏では、恐ろしい陰謀が渦巻いていた。女帝は伯爵にコンビを組んでいるから闘技大会には一緒に出れない、とは伝えた。しかしそれは嘘だ、女帝はとある目的のために闘技大会への出場を辞退していたのだ。


「あのレイスとかいうエルフには驚きましたが。しかし、三人ともえげつないですね」


「そりゃアリスちゃんにも協力してもらったし」


「『今回の闘技大会では各々の鍛錬のために別々で出ない?』とアリスちゃんが言えば、戦闘馬鹿のライルはころっと了承してくれたからね。アリスちゃんもヒーラーだから大会に出られない分ノリノリだったし」


 談笑して酒を乾杯しているのは女帝、マリア、シャルというパンドラの箱のメンバー。なんとこいつらは一陣の風が優勝しないように内部工作を行わせていたのだ。パンドラの箱最強候補である轟と自身の兄が組めば優勝は固いと女帝は睨んでいた。あとは女帝のコネで大量の資金をかき集めて一点賭けするだけ、レイスとエストという予想外があったものの目論見は見事に成功した。


「総額では400万Kかな? あとで轟ちゃんに奢れば許してくれるでしょ」


「お兄さんは?」


「伝えなくても問題ない」


 兄さんなら嬉々として乗ってくるだろうが、参加者は賭けをすることが出来ない。運営もせっかくの闘技大会が八百長まみれだと面白くないだろうから、参加者には一切伝えてはいなかった。

 こうして大儲けした女帝は【賭博師】の名が付いたとか。










「あー負けたな、レイスが聖魔法かけてくれないからだ」


「優勢だったでしょうが、最後に逆転負けするなんてかっこ悪」


「うるせー」


 一方こちらはエストとレイス、実は彼ら女帝の陰謀を察知し阻止しようと動いたものの、見事に失敗した。


「でもあれは驚いた、ゲームだとしても私の長剣を喰らう覚悟で怯まず向かうなんてなかなかできやしない。あんなことできるのはあなたくらいだと思っていたけど」


「ゲーム馬鹿はいろんなところに居るんだよ。だが俺が驚いたのはやっぱあの神業だな、ぶれで槍を弾く。確かにできないことはないがウルトラマンチャレンジ並に無謀だ」


「何それ?」


「師匠!!」


「おお、ゲイルか」


「決勝進出おめでとうございます」


「お前は俺の弟子なのに一回戦敗退ってどういうことよ? しかもコンビが美少女だし? 【喧嘩屋】とかいう二つ名も付いてるし? 調子のってんじゃねーの」


「師匠にも【黒狼】という二つ名が付きましたよ」


「それ草原のボスじゃねーか、俺は中ボスかよ。ちなみにレイスはどうなんだ、付けられなかったとか」


「【聖剣】よ」


「完膚なきまでに負けた!」




 


「そういや轟さんもSPが10入ったと思いますが、何に?」


「私は…………刀ですね」


 刀は片手剣にSPを4追加で支払うことにより片手剣扱いされる武器種、轟が今まで扱ってきた斧やハンマーとはまるで違う武器だ。


「あの時負けてしまいましたから」


「あれは…………」


「私はあの時、貴方へ託しました。ですがそれは、『私では勝てない』と認めたことになります。少々自分の強さに驕っていました。そして伯爵さんは見事私が倒せなかった敵を打倒し、優勝。ですからもう一度自らを鍛えなおしたい、そう思って刀を使うことにしました」


「私も、驕っていたよ。轟さんが倒れた時、私は今まで何をやっていたんだ、助けられてばかりじゃないか、と思ってね。最後にあんなことができたのも、轟さんのおかげだ。あの時託してくれたからこそ優勝できた」


「伯爵さん――――ありがとうございます」


 私たちは手を伸ばし、握手をした。本当の意味で今、認め合えた気がしたのだ。それは久しく味わっていない感触、私がこのゲームをやって本当に良かったと今思えた。


「お互いにさんを付けて呼び合っていますが、止めませんか? お互いに伯爵、轟と短い方がいいでしょう」


「分かりました、また会いましょう」


 こうして私は轟と別れた。思えば轟との距離感はちぐはぐだった、近くて遠いような壁、うっかりさんを付けずに呼んだこともしばしば。しかし轟は私を一回も伯爵と呼ばなかった、そういう距離感が存在した。それが取り払われたのだ。


「またか…………」


 思えば今回の大会で反省は多い、中でも一番は決勝戦か。あの時敵わないと感じたなら、強くなるしかない。轟は強くなろうともう進み始めている。ならば私も進むのみ、僕の前に道はないだったか……


「とりあえずSPの使い道を決めるか」


 それとも、もともと地上に道はないだったか? 微妙に違ったような気もするが。何にせよ、私は彼にも闘技大会で優勝したことによってトッププレイヤーなのは間違いない、言い換えれば先駆者だ。ならば先へと進むしかないのだろう。 私は強くなるという決意を胸に抱き、進み始めた。





 伯爵 吸血鬼 LV14

 ネーミングは吸血鬼➡ドラキュラ➡伯爵。年齢は不明だが思考がおっさん臭いことは間違いない、方言らしき言動も見られる? 彼の理念としてゲームは楽しむもの、という考えがあり、それが後々の伏線になるかもしれないしならないのかもしれない。ゲーマー歴はそんなに長くなく五年程度、RPGを主に嗜む。


 女帝 魔人 LV12

 今回は暗躍ポジション。兄弟仲が良いわけではない。理由として年が五歳以上離れていることや、兄が妹に劣っていたなど。微妙な関係が続いてたものの、兄が本心を吐露したことにより一緒にゲームを始めた。


 轟 鬼人 LV14

 現実でもそれなりに強い。これからはもっと強くなる。今章でスポットライトが当たった一人。


 ライル 人間 LV16

 闘技大会時点でレベル16だった一流プレイヤー。闘技大会で少々バトルジャンキーな一面が発覚したが、基本は頭が低い良識人である。武器は割となんでも使えるが剣がメイン、理由はかっこいいから。


 ゲイル 獣人(狼) LV13

 珍しく格闘スタイルの獣人。咆哮スキルは彼が最初に取った、エストの弟子。


 マリア エルフ LV11

 まだ伯爵とのかかわりが少ないがこれから活躍するかもしれない、実はお嬢様。ゲームで暗躍するのを楽しみにしている。


 シャル 竜人 LV10 

 パンドラの箱の苦労人、いじられポジションは確定かと思われる。女帝の企みに文句ひとついわず参加するのは女帝を慕っているから、コネが広い彼女を尊敬しているのだ。実際今回の件でますますそう思ったらしい。


 リー 人間 LV14

 ゲイルと共に一回戦敗退。ちなみにペアを組んだきっかけとして、ゲイルが勝負を仕掛けてきてそれに負けたことが挙げられる。ちなみに敗因は咆哮にビビったから。


 アリス エルフ LV12

 まだ本編に名前しか出していないが女帝と知り合いであることは間違いなく、伯爵を優勝させるために内部工作を行ったことは確定。少なくとも腹黒いと思われる。周りのイメージはか弱い女性。


 ヘイム 吸血鬼 LV12

 主人公が苦手にしている相手の一人、性格が苦手なわけではない。主人公を苦戦させたり警備隊長に認められたり実力は高く、一陣の風ナンバーツーの実力を持つ。でも吸血鬼を選んだせいか扱いは不遇らしい。


 エスト 獣人(狼)LV15

 本作最強クラスの一人、今の伯爵と10回戦ったら7回勝てるだろう。ゲイルを完膚なきまでに叩き潰したら師匠になった。今後も物語に関わってくるだろう。


 レイス エルフ LV14

 エルフなのに長剣を使いこなす最強クラスの一人、10回伯爵と戦ったら五回くらい勝てそう。エストとは別のゲームで知り合った仲だとか。聖魔法を回復にあまり使わない。


 ミル 獣人(梟) LV11

 フクロウなのに眼鏡をよく身に着けている獣人、腹黒いという印象が根付いてしまった。ただ、主人公は戦術の一つだからヘイムさえよければ別に問題ないと考えているのが救いか。


 ミーシャ ハーフヴァンパイア LV11

 NPCにも好感度が高く、掲示板でもそれなりに有名な吸血鬼。主人公にリベンジを果たそうとするが、失敗した。だが諦めていない。


 アイス ハーフヴァンパイア LV10

 ハーフヴァンパイアのコンビとしてミーシャと組んでいたら闘技大会に誘われた次第。が、いきなり優勝候補と当たって心で涙を流していた。案の定敗退、元気な友人を見てなんだか馬鹿馬鹿しくなった。


 岩鉄 鬼人 LV11

 ライルは行動が遅く、パートナーを確保できなかったため岩鉄にお願いした。試しに出てみたら魔王と修羅相手に戦うことになって驚き、二刀流をライルが使ったことで怒った、それを早く言え。


 スミス 鬼人 LV10

 書かれてはいないが、主人公は何度か通っているらしい。闘技大会に出ると聞いて伯爵のメンテナンスをしようかと待ち構えていたら、忙しくなるだろうと気を使って伯爵は現れなかった。


 マイン フェアリーLV9

 おっとり系女子。主人公は怒鳴ってしまった引け目があるためなかなか会いにいかないが、彼女はまったく気にしていなかった。裁縫の腕は上の中、よって今後は職人を変えるかもしれない?


 ナイト・サリー・ダン

 今後出るかどうかは未定。三人とも中堅の星あたりの実力。


 フー 獣人(雀) LV5

 今後戦闘に参加することはないと思われる。新聞を発行しているとかしていないとか。主人公が名前を覚える価値はないと思っている主人公と関わった希有な人間、シャルは最終的に認めたから例外?

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