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SILVER  作者: finale
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TEMPORARY ADMISSION INTO A CLUB,A START

 その後、しばらく待ってたら春風先生が鍵を持って音楽室を開けに来た。それじゃ、ちょっと中で待っててね、というと、準備室から何やら打楽器を出しはじめる。

 それをしげしげと眺めていると、

「あ、モモキせんせー! 一年生連れてきましたー!」

 三年生(クラス章の色で分かった。ちなみに、ダークグリーン)が二人一緒に一年生数人を引き連れて音楽室に入ってきた。えーと……多分部長さん、と……副部長さん。よし、覚えてた。

「だから、その呼び方止めろ。お前ら三年がそうやって呼ぶからどんどん下級生に広まってくんだよ」

「はいはい。あ、モモキ先生、パーカス手伝いますね」

「……ああ。あと、新入生獲得心得三ヶ条、忘れないようにって他のにも言っといて」

 ああ、桃輝(とうき)だから桃輝(モモキ)か。帰りのHRで受け取った「夕日ヶ丘中学校教職員紹介」を見つつ、納得。なんか可愛い。親近感わいたから今度からこれで呼ぶことにしよう。ってか、新入生獲得心得三ヶ条ってなんだろう。

<吹部あるある★★★顧問には大抵変な渾名がついている>

<吹部あるある★★☆何故か存在する謎の規則>

 そのうちに、二三年生がなんか荷物を持ってきたり十人位一年生を連れてきたりして、全員が集まったところで仮入部が始まった。

「い、一年生の皆さm、皆さん、ここここんにちは。え、ぼ、僕は部長の、み、水無月(みなづき)(あおい)といいます、え、ええっと、よ、宜しくお願い、しますっ。あ、あの、ましろ、バトンタッチ……」

「えー、一年生の皆さん、こんにちは。俺は副部長を務めさせて頂いてます、蒲公英(たんぽぽ)真白(ましろ)です。水無月の保護者も兼任してまーす。今日は来てくれてありがとうございます、沢山楽器に触れていってください。以上です」

 部長さんと副部長さんの挨拶は終わったけど、私達一年生の頭の中には「保護者」の三文字がぐるぐると回っていた。いや、少なくとも私は回った。でもやっぱり、こういうのって突っ込んだらいけないものなんだろうか。

<吹部あるある★★☆副部長は皆のお父さんお母さん>

「はい、挨拶は程々にして、これから三グループ位に分かれてそれぞれ楽器の演奏体験をしていただきます。えーと今十六人だから、えーと……こっから右、水無月グループ、こっからここまで、蒲公英グループ、こっから左が書記の黒田(くろだ)(かえで)グループ。こんな感じで回ってください」

 グループ分け雑だなぁ……(ちなみに私はこっから右の水無月グループ)。ってか、書記さん(三年生らしい)いたんだ。

<吹部あるある★★☆書記の紹介はいつも付け足し>

「は、はい、じゃあ水無月グループ付いてきてくださーい!」

 部長さんの引率に続いて、私を含めた一年生六人は音楽室を出ていった。

 フルートパートには、どんな先輩がいるんだろう。早く、体験してみたい。

<吹部あるある★★★仮入部は期待まみれ>


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