来年の春、またここで
掲載日:2026/03/17
俺には友達がいる。
でも、絶賛闘病中だ。
健康な俺にはわからない苦労を背負って、毎日体を治すために頑張っているんだろう。
会うたびに少しやせていっているから、体の大変さはわからなくても、それくらいはわかる。
もうすぐ治るんだ。
そんな言葉を待って、ずっとお見舞いを続けたけど。
なかなかもらえない。
欲しい言葉なんて、もらえないものだ。
人生じゃ、そういうのが普通なんだ。
って、自分に言い聞かせてるけど。
内心はすごく不安だたった。
でも、神様は俺の予想より少しだけ優しかったみたいだ。
来年の春、病院の外に出られるんだ。
そういってくれたのは、その病院から少し離れた公園に、一緒に散歩したとき。
俺は自分のことのように喜んだ。
奇跡ってホントにあるんだなって思って。
来年の春、またここで会おう。
俺は友達と指を絡めて約束をした。
桜の花びらがひらひら舞い降りていく中。
散っていく花びらは寂しさを感じさせるもので、満開のより好きじゃなかったけれど、これからはそうじゃなくなりそうだ。
きっと、別れてもまた会える。
そんな希望を感じさせてくれるから。




