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屋敷編

「よいのじゃよ」

 ふぉふぉふぉ、とダリアには朗らかにパルは笑う。

 ココはあっと気づき1歩下がって道を開けた。

 後ろからオーキッドが来たのだ。

「おはようございます、オーキッド様」

オーキッドは寝間着のまま、寝癖もついたままだった。

「あぁ、おはよう、ココ。姉貴達ももう起きてたんだな。」

 ノアは思わず身構えた。

「やぁ、ノア君。相変わらず可愛らしいし、瞳が美しいね」

 パルとハシェルは朝方のこともありノアに対する刺激に過敏になっていた。ハシェルはノアに手を伸ばそうとするオーキッドの手を掴んだ。ランタナとダリアは呆れ気味に言った。

「やめなさいオーキッド……」

「庶民の女に手を出すくせ、何時になったら治るの?

 ……その点ウィスタリア兄さんはしっかりしてるわよね」

オーキッドが伸ばした手を引っ込ませ、肩を竦めた。

「兄貴と比べられちゃ困るぜ」

 ダリアは正面から堂々とノアに近づく。そして目線をノアの高さに合わせて言った。

「うちの弟が……何度もごめんなさいね。許して頂戴」

 そしてその手は優しくノアのリボンに触れる。

「困ったことがあったら、私に言ってね」

ノアはふと、母がいたらこんな感じなのだろうか、と心の中で思い、表情が和らいだ。それを見てダリアは優しく微笑んだ。

 2人の距離感に若干の羨ましさを覚えたオーキッドは話をそらすようにそういえば、と話し出す。

「いつも一番にかダリア姉貴の次かに起きてる兄貴がいないなんておかしくねーか」

「私が見に行きましょうか?」

 とココが言うと、ダリアが首を振る。

「いいえココ。オーキッドに見に行かせましょう。」

「そういえばそうね。珍しく寝坊でもしたのかしら?」

ランタナが扇子でパタパタと仰ぎながら言う。

 ダリアはあぁ、と深刻そうな顔をしてオーキッドに言った。

「ウィスタリアもきっとお父様のことで落ち込んでるのよ。私とランタナとココが見に行くより貴方が見に行った方がいいでしょう。お母様が亡くなった時も大半落ち込んでいたもの」

「お母様とは、もしかしてあの前当主が決まった時に亡くなった4人の中にいらっしゃった?」

 ハシェルが問うとダリアは深く頷いた。

「名はラベンダー。私たちのお母様です。とても優しい方でした。」

 パルはあぁ、と納得した。

「だからこの家からはラベンダーの香りがするんじゃな……」

 ランタナはパチンと扇子を閉じた。

「お母様の記憶を、忘れないようにする為よ」

「爺様が無くなった次の日、お袋が死んで、兄貴は三日三晩泣いてた」

 オーキッドは悲しそうに続けた。

「……また泣いてるのかもな。姉貴達に涙は見せなくないだろうし、俺が行ってくるよ」

 ダリアは頷き、行ってきて、と声をかけた。

 扉が閉まり、ランタナは扇子を広げ口元を隠す。

「厳しい姉さんの前じゃ泣くに泣けないものね」

 ダリアは少し不機嫌そうに返す。

「あなたみたいな人の前で泣いたら馬鹿にされるかしら?」

 その1方で3人は呪いを解く方法について考えていた。

「手紙は燃やして読んだら解けたよね」

「まずは拳銃をどうにかした方がいいんじゃないですか?」

「うむ。しかし金庫に入ってるとなれば……」

 暫くして。


オーキッドが慌ただしく扉を開けて入ってきた。

「兄貴が!!!兄貴が!!!」

 いっせいにその場が緊張で張り詰めた。

「落ち着きなさいオーキッド。

 ウィスタリアがどうしたというの」

 ランタナもふん、と鼻で笑う。

「子供じゃないんだから。」

 オーキッドが真青な顔で息を大きくつきながら皆の前で重々しげにその言葉を口にした。

「…………兄貴が……、…死んでる……」

パルは一気に険しい表情になり、ダリアは苦しそうに眉を顰めた。

「は……?」

 ランタナは驚きで顔が固まり、その疑問符だけを口にした。

「ウィスタリア様が…!?」

 ココは言葉を失った。

 ダリアはくっ、と堪えて言った。

「ウィスタリアの部屋に行きます、皆さん私から離れないで」

 7人は1列になって皆無言でウィスタリアの部屋へ向かう。

2回の右奥の部屋に到着した。オーキッドがドアノブを回す。

「鍵が、かかっていなくて……兄貴が、ベッドで……」

 言葉を詰まらせながらもオーキッドは説明しようと試みる。

 ドアを開けるとウィスタリアがベッドに突っ伏した様に倒れており右手の近くには銀杯が倒れており、中身がぶちまけられていた。パルが死体に近づき鼻を寄せるとシーツに染みているそれはココアらしい匂いがした。

 「こんなに早く人が2人も死ぬなんて……」

ノアは口を押さえて後ずさり、思わずハシェルの腕を掴んだ。ダリアは震える口で今にも泣きそうな声で言葉を紡ぐ。

「よく出来た、……いい、弟でした……」

 言葉の最後のほうは近くにいたランタナにも聞こえるかどうかという程、細く、小さかった。パルが銀杯を見るが、薔薇の紋章は浮かんではいなかった。

「状況から見れば毒殺のようじゃが、

 ……薔薇の紋章は浮かんでおらんな…」

「毒ではなく、魔女の呪いによるものかと」

 ココが眼鏡を上げてその言葉を口にすると、皆押し黙った。

 魔女の呪いで2人が亡くなった。その呪いの早さに皆が圧倒されていた。ダリアはココに声を掛けた。

「急ぎ遺体を綺麗にして。

 私たちはダイニングルームへ戻ります」

「かしこまりました、レディダリア」

 ココは前当主が亡くなった今、もう既にダリアを当主と認めたのだろう、「お嬢様」ではなく、「レディ」と呼んだ。彼女はくっと眼鏡を上げ、優雅にお辞儀をした。

 

皆は神妙な面持ちでダイニングテーブルを囲んでいた。

時計は午後3時を指し示している。

「あれ?少し時計の色が褪せてるような気がしません?」

 ハシェルが首を傾げ、小声で囁く。

 ノアとパルも見遣るが、時計の文字が薄れていた。

 パルが何かを言いかけた時、ココがティーセットを持ってきた。少しでもみなの気分をあげようといった心意気だろうか。ランタナ、ダリア、オーキッドに1セット、パル、ノア、ハシェルに1セット用意されていた。

 軽いサンドイッチや、マカロンなどが入っていて可愛らしくリボンなどがあしらわれていた。

「……兄貴が死んで、親父が死んで、……食欲わかねぇ」

 第1発見者のオーキッドが項垂たまま言う。

「食べなきゃダメよオーキッド……」

 ダリアもハンカチで涙を拭いながらオーキッドをさする。

いつ自分の番が来てもおかしくないと思っているのだろう、ランタナは調子が良くなさそうでしきりに扇子を仰いでいた。

「姉さんは気楽でいいわよね、絶対死なないんだから」

 ハシェルはその言葉を咎めた。

「そんな言い方ないと思います…ダリア様だって怖いはずです、次々に親族がなくなっているんだから」

「余所者が口出ししないでくれる?」

 ランタナは鋭く言葉を放つ。パルは黙って聞いている。

 ハシェルはムキになって言い返した。

「ランタナさんとダリア様は全然違いますね色んな意味で」

「あんた今さんって言ったわね!様をつけなさいよ!んっ!」

 パルが両方の口にサンドイッチを詰め込んだ。

「2人とも気がたっているのじゃろうがまずは落ち着いてご飯を食べるのじゃ。せっかくのご馳走が台無しじゃよ」

ランタナは何かをまだ抗議しようとしたがダリアに制された。

「それ以上は見苦しいわよ、ランタナ」

 泣きながらも芯のあるその声で、ランタナは大人しく席につき、口に詰め込まれたサンドイッチを食べ始めた。

 ノアはマカロンを手に取り、パルはそれを見届けたあとサンドイッチに手をやった。ハシェルは、言い過ぎたかな、と少し反省をしながらもそもそと齧った。

 ダリアやオーキッドもサンドイッチに手を伸ばし、食べ始める。と、ここでダリアがふと思い出した。

「そういえば、お茶会で思い出したのだけれども、魔女のお茶会の話を、聞いたことがあります」

「なんだそれ」

 オーキッドが少し回復したようで泣き腫らした目でダリアを見る。ダリアは古い記憶を思い出すように語り出す。

「確か、当主選びが終わり新しい当主がその座に着くとかつてこの屋敷に財産をもたらし、4人ずつ死ぬ契約を結んだその魔女が現れ、お茶会を開くとか」

「なんじゃと!」

 パルが驚嘆の声をあげる。ハシェルやノアも驚く。

 魔女本人が現れる、ということはその魔女に話をつけるか、魔女を死に至らしめればこの家の呪いは解除される。

 3人はすぐにその考えに至ったが、ダリアやランタナ、オーキッドは事の重大さに未だ気づいていない様子だった。

「新しい当主が決まったときとは何時ですか!?」

ハシェルが問うとダリアは戸惑う。

「……分かりません。何せ、その話はお父様に昔聞いたものですし、魔女の気まぐれで1回開かれただけかもしれませんし。」

 ランタナは眉を片方あげる。

「そんな話聞いたことないわ」

 オーキッドも首を振る。

「俺もないな、……やっぱり親父は姉貴を時期当主として認めたからその話したんだろうし。」

「私とオーキッドが死ねばそのお茶会も開かれるかもね」

 ランタナはつんとした態度で素っ気なく言い放った。

「ランタナ!」

 ダリアは語尾を強くしてランタナを叱りつけた。

 パルは見兼ねて声をかける。

「ランタナ嬢、死ぬのが怖い気持ちはわかる。だがもう少し周りの人間を信用してもよいのじゃぞ」

 ランタナはつんと意見を突っぱねる。

「結構よ、お構いなく」

依然として態度を変えないランタナをダリアが咎める。

「ランタナ」

 ランタナは席を立ち扇子で口元を隠しながら言った。

「皆様の機嫌を損ねたようで申し訳ないわ。私も気分が優れないから、部屋に戻るわ。ごめんあそばせ」

 そしてつかつかと1人、部屋へ戻って行った。

 その日は結局ランタナは夕食にも姿を見せることなく時は過ぎた。

 時計は8時を指し示していた。次々に、後を追うようにため息が上がる。その時ココがノックをして入ってきた。

「皆様、失礼致します、お休みになる前にホットミルクでも如何かと思いまして」

 ダリアが心配そうに尋ねる。

「ランタナは見ましたか?」

 ココが頷く。

「ええ。先程ランタナ様にもホットミルクをお持ち致しました」

 ハシェルもココに尋ねる。

「あの、その…ご機嫌は?」

「機嫌…ですか?」

 ココがハシェルの質問に困ったような顔をしたのを見て、すかさずパルがフォローする。

「すまんの、儂の言葉でランタナ嬢が機嫌を損ねてしまったようでの。ま、気にせんで良い。それよりミルクが冷めてしまうじゃろ、ささ、ココさん。みなに配ってくれ」

 ココが納得がいったようにパルに微笑み、ミルクを次ぎ分けながら言った。

「ランタナ様は高潔な方ですので、パル様のお考えも分かっていらっしゃると思いますよ」

そして下のカートから蜂蜜を取り出すと、ノアは首を傾げた。

「何それ?」

 ハシェルが説明する。

「あれは蜂蜜ですよ。甘くて美味しい…」

「甘いの!!」

 それを見てオーキッドが微笑む。

「ノア君も気にいると思うよ。小さな蜜蜂という蜂が花から蜜を集めて作るんだ」

 ノアが感心しているとココがマドラーを蜜壷に入れ、上へ引き上げる。蜂蜜はトロリとして美味しそうだ。

「わぁ……」

 ノアは目をキラキラさせる。

 蜂蜜入りのホットミルクが全員に配られる。皆が口に運ぶ中、ノアは静かに口を寄せ味わった。

「おいしい……」

「そうじゃろそうじゃろ」

 パルはニコニコとノアの様子を見つめる。

 ハシェルやオーキッド、ダリアも微笑ましく見つめていた。

 次の日、朝食を終え、皆がダイニングテーブルに集っていた。ランタナやダリア、オーキッドが席につき深刻そうに話をしていた。パルがそれを見てノック代わりに口を開く。

「皆お早いことで。それに表情が険しいのう」

 ハシェルが欠伸をあげるノアの横で首を傾げながら問う。

「どうしたんですか?みなさんそんなにお集まりになって」

 オーキッドとダリアはこくりと頷き合う。オーキッドがすっとパルを見据えいつもの調子とは全く異なる真面目な態度で言う。

 「この家を出るんだ」

「えっ?」

 ノアが思わず声を上げた。

「どうしてですか?」

 ハシェルが尋ねると今度はダリアが唇をきゅっと結ぶ。

 ランタナがはぁ、と溜息をつき説明する。

「あんた達が犯人かもしれないからよ」

 きついその一言がハシェルとノアを困惑させる。

「僕らそんな事しないよ!!」

「信じてください、僕たちはそんなことしてません。」

 オーキッドは思わず目を逸らす。ダリアは俯いていた。

「なぜそう思われたのじゃ?」

 パルが優しげに聞くとランタナは呆れ顔で言う、

「あんた達が魔法使えるのは知ってるのよ?」

「ほう。それで?」

「父様が死んだ時父様の死を予言してたじゃない!」

「予言などしとらんよ。

 ただ話の流れからそう疑っただけじゃ……それに」

 パルは手のひらを差ししだしながら星の詩を歌う。

 すると、パルの掌に焔が現れる。

 ダリア、ランタナ、オーキッドがあっと驚き席を立つ。

「わしらの力はこのように限定的なのじゃ。

 なんでもできる訳ではない。」

 ノアはオーキッドと、ダリアに訴える。

「僕たちを信じて!」

 ダリアは口元をわなわなと震わせ、溜息のように言った。

「……私はやはり、違うと思います」

「姉さん!」

 ランタナは声を上げて抗議した。

「俺も、3人が犯人とは思わない。……3人で行動してたら

 どこかしらでバレる。それに、全ての部屋のマスターキーを持ってるのはココだけだ」

「でもココが誰かを殺す理由もないわ。」

 ダリアが言うとオーキッドも頷く。

「親父の胸の薔薇の紋章は流石に誰でも偽装できねぇだろ、」

「やっぱり魔女の呪いなのかしら…」

 とここでダリアがあっと思いつく。

「オーキッド、ランタナ、それに皆様方。例の銃がまだ金庫にあるか見に行きませんか?やはり、次誰かを殺すとすれば、あの銃より他ありませんわ。」

 パルはうむと頷いた。

「わしらもどんな銃か見ておきたいしの」

「皆で一緒に行動した方がきっと安全です!」

 ハシェルもパルも口々に賛同した。

 ランタナはひとり不満気な顔を浮かべていた。恐らく、3人が犯人と思ったのはランタナなのだろう。

「余所者にあの銃を見せるなんて…」

「ほっほっほ。すまぬの、ランタナ嬢」

「銃ってどんなだろ…」

 パルはランタナの真似をし口に手を当て笑う一方、ノアは銃を見たことがないらしく、興味津々だった。

 ダリアが先導し、彼女の部屋へみな向かう。階段を上がってすぐ、彼女の部屋はあった。中に入ると天蓋付きのベッドにアンティークなクローゼットや棚が並んでいた。

「失礼します……!」

ハシェルは何となくお辞儀をし、それを見てダリアは笑った。

「そんなに畏まらないで」

ノアはパルの後ろから部屋を覗く。するとそこにある可愛らしい調度品に思わず声を上げた。

「わぁ…!」

 ダリアはふっと微笑み、その後表情を険しくさせる。

「さ、皆早く入って。」

 そして皆が部屋の中に入るとダリアは部屋の内鍵を閉めた。

「みなこちらへ」

 並んでいる中でも一際小さな箪笥に手招きされ皆集まる。

「……開けますよ」

 ダリアが皆に問うと皆こくりと小さく頷いた。

 ダリアも頷き返し上から二番目の箪笥を開けると、その中には少し小さな金庫が入っていた。ダリアは髪に刺してある小さな髪飾りを取る。その先は小さな鍵になっていた。

ダリアはその鍵を金庫の鍵穴に入れようとした。

 その時。

「あら?鍵がかかってないみたいだわ」

「え?」

 全員が凍りつく。何者かが侵入し、鍵を開けたのだろうか?それともただの鍵のかけ忘れだろうか?

「早く中を見て!」

 ランタナが叫ぶ。ダリアが慌ててパカリとその蓋を開けると、中には何の変哲もない、拳銃があった。違う点といえばその銃に、Oliverと刻まれていると言うことくらいだろうか?

「あってよかったわ…」

「心臓が止まるかと思ったじゃない!」

「これが…ほんとに?」

「ええ。この印字がその証なのです」

 ダリアはそっと銃に触れ、その印字をなぞる。ランタナは、もう飽きたとばかりに大きなあくびをしていた。

 ハシェルは何となく、銃の重量感がないような気がした。

「ちょっと持ってみてもいいですか?」

 するとランタナの鋭い声が飛んでくる。

「姉さん!余所者に絶対触らせたら承知しないわよ!」

 ダリアも苦い顔をしながらハシェルに謝る。

「ごめんなさいね。

 コレだけは当主以外誰にも触らせられないの」

「そうですか…無理を言ってすみません」

 ハシェルが謝ると、ダリアは蓋を閉じながら言った。

「いいえ。謝らないで。私の方こそ、ごめんなさい。

 鍵をかけ忘れるなんて……うっかりしてたわ」

 ダリアはばつが悪そうな顔をした。

「姉貴でもそう言うことあるんだなーー俺なんてしょっちゅうだよ、まぁともかく、あって良かった」

 オーキッドが快活に笑う。

「そうじゃ。あったんじゃから気に落とすことはない」

「どんまいどんまい!」

パルとノアも続け手励ましの言葉を入れる。

 一方でランタナは不服そうな顔をしていた。

「しっかりしてよね、当主なんだから」

 ダリアは鍵をしっかりかけたところで、皆に行った。

「今何時かしら?」

「俺兄貴と違って腕時計持ってないからなぁ」

「ダイニングルームの方に時計がありましたよね?」

 オーキッドが首を振り、ハシェルはダリアに問う。

「ええ、うちにはあの大時計しかないわ…あ」

 その感嘆符を残し、しばし沈黙が流れた後、ダリアは髪飾りを刺し直し、皆に向き直った。

「あの時計も、何かあるんじゃないかと思うの。」

 そしてダリアは自らの推理を語り始めた。

「与えられた四つの魔道具がそれぞれ1人ずつ、殺すのだとしたら、どう思うかしら?」

 オーキッドはえ、と拍子抜けした顔をした。

 ダリアは続けた。

「もしかしたら決められた時に、1人ずつ殺す能力を与えられたのかもしれない。犠牲になるのは4人、与えられたのも4つ。」

 ランタナは扇子をひろげ、黙って話を聞いている。パルとハシェルは確かに、と納得している。一方ノアはなるほどね!と格好をつけている。が、実は全然わかっていなかった。

「先代は手紙で亡くなりました、そして亡くなったウィスタリアのそばには銀杯が落ちていました」

 ダリアは父親と弟の最後の顔を思い出し、泣きそうになりながら言った。

「…とすれば、次はこの拳銃か、時計関連で死ぬはずです」

「ならば、時計を破壊し、拳銃を金庫に閉じ込めておけば、次の殺人は起きないはず、じゃな?」

 パルが問うとダリアは深く頷いた。

「そうです。」

 ランタナは首を傾げる。

「なぁんか単純ねぇ。でも、そうと分かれば…オーキッド!

 あなた壊すの得意でしょ、ばらばらにしちゃいなさい」

 オーキッドはやれやれと腕まくりをし始める。

「しょうがないなぁ…やっちまうか」

 オーキッドの服の下は薄く筋肉が見えた。恐らく、青年時代か少年時代はわんぱくだったのだろう。

 一方でパルはなにか考え込んでいるようだった。

 ハシェルは尋ねようとしたが、考えを邪魔する無と思い、辞めた。皆はダイニングルームに戻ってきた。

「あれ?文字が!」

 開口一番ノアが叫ぶ。つられてみなも時計を見ると時計と文字盤は消え、針は全て上を指し、その上にはtwoll 1と書かれていた。

「やっぱり何か起こす気だったのよ!」

 ダリアが鋭く指摘した。

 パルとハシェルはその文字の意味を考えていた。

「twoll1…時間を表す言葉だったような…」

「そうじゃ。twollは時間、つまりあと1時間という意味じゃな」

 パルが言葉を返す。

「謎解きの必要はないんじゃない?

 もうオーキッドが壊しちゃうし」

 そう言っている間にも、オーキッドは椅子を引きずって来ていた。なんならまた腕まくりをしている。

「俺にまかせろ、家宝だが。

 人を殺す時計なんて叩き割ってやる!」

「頑張れ!」

「のあくんありがとう!君の応援は最高にキュートだよ!」

 と投げキッスをお見舞され、ノアはパルの後ろに青い顔をしてこっそり隠れた。ダリア、ランタナ、ノア、パル、ハシェルがが見守る中、時計は外され、地面に叩き落とされた。

 大きな音を立て、時計は地面に落ちる。

 しかし、ガラスにすら、一片の罅(ひび)が入ることはなかった。オーキッドは時計を足蹴にしながら言う。

「こんなっ!光景っ!親父や兄貴が見たらっ!怒られるだろうなッッ!!」

 破壊しようと試みるも時計は一向に壊れない。あ、とダリアが思いつく。

「確か、私の部屋にハンマーがあったわ。取ってきましょうか?」

「あぁっ!!頼むっ!」

 ダリアは階段を駆け上がっていく。

「ちょっと煩いわよオーキッド…」

 ランタナははぁ、と少し困ったような顔を見せる。

 オーキッドは肩で息をしながらランタナの方をむく。

「これが壊れないと俺と姉貴、どちらかが死ぬんだぜ?」

ランタナはやれやれ、と言ったふうにオーキッドに言う。

「それでも、まだ、上品にやれないわけ?一応貴族なのよ?」

オーキッドはまだしばらく時計と格闘していた。ランタナは疲れたのか、椅子にもたれかかって、その様子を見ていた。

「でもよかったね。解決して。」

 のあがニパッと笑顔を見せる。ハシェルはにこやかに言う。

「そうですね。でも、twoll1の意味が気になります」


 「姉貴遅くね?」

 えぇ、とランタナが返事をする。

「まだ来ないなんて。何かあったのかしら?」

 がたりと音を立ててランタナが立ち上がる。

 パルがある可能性に気づく。

「ダリア嬢の推理が間違っておったとしたら……!」

 慌てて4人が部屋に飛び込む。

 

「そんな……ダリア様……」

 ノアは膝から崩れ落ちる。

3人のことを優しく見つめる母のような眼差しが思い出される。

 ダリアは手にハンマーを持っており、その胸には4つの魔道具のひとつ、絶対に心臓を外さない拳銃で撃たれたことを示すバラの紋章が、咲いていた。

 パルは顔を顰めた。

「銃声は聞こえん仕様になっておったのか…」

ランタナが真っ青になって震えていた。

「どういうこと、姉さんが当主じゃないの?どうして姉さんが死ぬの?」

 オーキッドはいつもの口調が崩れ、焦ったように話し出す。

「姉貴が自殺してる……な、何があったんだ…」

 ハシェルが床に落ちている拳銃を拾う。

「ダリア様は自分で自分を撃ったのか……それとも……」

 少し冷静さを取り戻したランタナが鋭い声を出した。

「姉さんは自分で金庫の中にしまったわ。それを、私たちみんなも見てる。完全に自殺よ。魔女の仕業だわ」

 震える手でダリアのドレスの裾を掴むランタナの様子は、まるで幼子のようだった。ハシェルが元気付けようと肩をつかもうとする。

「触らないで!!」

 ランタナは冷たく、ハシェルの差し出した手をたたき落とした。オーキッドはどさりと膝をつく。パルはその時、ダリアの髪に光るものを見つけた。

「これは…!」

 それは、あの髪飾りだった。引き抜いて見ると、やはり、先が鍵になっている。

「パル、それって、ダリア様の鍵じゃない?!」

 すると全員の視線がパルに集まる。

「今引き抜いたのじゃが……」

 気まずそうにパルが言う。ノアもごっめーん!と手を合わせて謝罪している。パルは何を思ったのか、あの金庫のある場所へ向かう。そして小さな棚を引き出し、金庫をむき出しにした。そして、鍵を開けた。

 すると、なんと、拳銃が金庫の中にあったのだ。

 自分を撃ったあと、自分で直して、金庫に鍵までかけられるだろうか?

「もう、わけがわからないわ…」

 ランタナは両手で顔を覆った。オーキッドは立ち上がり、緩く頭を振りながら言った。

「とにかく、あと時計を壊せば姉貴と俺は助かる…」

 オーキッドはダリアが手にしていたハンマーを拾う。

「行こうぜ姉貴…」

 ランタナは何かを言いかけ、がくりと肩を落とした。

「ええ…私はローズ家当主…に、なってしまったんだから…」

「しっかりしなくちゃ……」

 4人はとぼとぼとダリアの遺体を背にダイニングルームへ向かった。ランタナは何かを呟いていたが、オーキッドが背中をさすっていった。

「らしくないぜ、姉貴」

 するとランタナは張り詰めたように息を吸い、はぁ、と大きく息をついた。

「まったく、なんであんたみたいなちんちくりんが生き残ったのよ?」

 その顔はもう先程までのような泣きそうな顔ではなかった。

 ローズ家当主としての矜恃のある美しい顔だった。

 そしてオーキッドからハンマーを奪った。

「壊せばいいんでしょ、壊せば!姉さんが死んだことで、より確信したわ。やっぱり、ひとつずつが1人ずつ殺すのよ!」

 パルはふぉふぉふぉ、と笑った。

「逞しいのぉ」

 そして4人は外し落とされた時計を前にしていた。 ランタナは勢いよく、銀杯から白ワインを煽った。オーキッドは、始まったぜ…とばかりに両手を上げ、首を振る。

「いくわよ!!」

ランタナは天上にハンマーを掲げる。そして恨みを込めたのだろうか、猛烈に力を込めてハンマーを振り下ろした。それは大きな音を立ててホコリが舞い上がった。

しかし。

「壊れないじゃないの!!」

 時計はビクともしなかった。

「あんたたち、当主命令よ!壊しなさい」

 顔のない使用人たちに壊すよう命じたが、一向に動こうとしない。身動ぎひとつもしなかった。

「…もういいわ。」

 ランタナは呆れたようにハンマーを投げ捨てた。

「だれか!飲み物をついで!」

 すると、先程までが嘘のようにメイドが1人、前に進みでる。

 銀杯に並々と白ワインが注がれる。

はぁ、とランタナがため息を着く。

「泥水みたいな白ワインより、レモネードが飲みたいわァ」

「口を慎め姉貴!」

 オーキッドが語尾を強めて周りを見渡しながら言う。

「俺か姉貴か、どっちがいつ死ぬか分からないんだぞ」

そしてメイドたちや執事たちを一掃して見て言う。

「この間にも毒を仕込まれてるかもしれない」

 するとランタナが呆れ顔でオーキッドを見た

「この銀杯があれば大丈夫よ。絶対に毒を見抜いてくれるわ」

 その時。

「「あっ!!」」

 4人の声が重なった。

 なんと銀杯が黒いバラの紋章を咲かせていたのだ。

 ラベンダーとオーキッドは思わず立ち上がる。

「毒!!!」

 ノア、ハシェルは思わず叫んだ。

「毒よ!下げさせて!!」

「本当に反応したのか…今まで見た事もなかったから疑っていた…本当に毒が入れられたら黒薔薇になったんだな」

ランタナもオーキッドもびっくりした顔で銀杯を見ていた。

 ランタナははっとする。

「誰か私たちを殺そうとしたのね!今までの事件も!そういうことでしょ!!」

 誰も何も言わない。ただ、立っているだけで、それらは意志のないただの道具のようだった。

「言わないならいいわ!ココを呼んできて!」

 するとやはり、皆命令に従う。

 ココが来て、美しくお辞儀をした。

「お呼びでしょうか、ランタナ様」

 その時。

 「そうだ!そういうことか!」

 パルが口を開いた。

「わしらは最初から騙されていたんじゃ」

 そしてパルはハシェルになにか耳打ちし、ハシェルはあっ、と思い至った。だがしかしノアはまだ分からない。

「前提をひっくり返すのじゃ」

「前提をひっくり返す?どういうこと?」

 全員がパルの言葉を待つ。

「まず、前提条件を再確認するぞ。魔女がこの家に授けたものは4つ。白い手紙、時計、拳銃、そして銀杯が5つじゃ。これで間違いないかの。」

「ええ、間違いないわ」

「はい、その通りです」

「そしてそれぞれのものには特性があった、ハシェル」

「はい。白い手紙は果汁で書かれていました、ライターで炙るとそこだけ焦げて文字が現れる。すると黒薔薇の文様とともに内容が現れました。」

「そうじゃな。次に時計。では、次男のオーキッド殿」

「あ…あぁ、時計は30分間時を止められる、だが使用後、時計に黒バラの紋章が現れる、時計は常に壁にかけられてて誰も黒バラの紋章は見てない、代わりに文字盤が消えて謎の言葉が浮かんでた」

「うむ。では次に拳銃の説明を…亡くなられた長女のダリア嬢に変わり、ノア、説明を」

「うん!えーと、これは絶対に心臓を外さない拳銃!打たれたところには黒バラの紋章があらわれる、危険だからダリア様がご自分の金庫に隠されていたはず!だけどなぜかダリア様の金庫から消えていて、ダリア様の胸を貫いていた、だね」

「そうじゃ。じゃがこれは単なるトリックだったのじゃよ」

 そう言ったあと、パルは続けた。

「これの説明はできるな?ハシェル」

「わかりました。まずは犯人をAと仮定する。以後犯人Aと呼称させて頂きます!1つ、犯人Aは何らかの手段を使って先にダリアの部屋の中に忍び込んで、ダリア様に弾丸を撃ち込んだ。2つ、皆で確認しに行った際は無事に帰ってこられた…その時点では拳銃は、確かに金庫の中にあった、

 3つ、ダリア様死亡時も、拳銃は確かに金庫の中にあった……ですね」

「そうじゃ。では、いつ忍び込んだのだと思う」

「んー?ダリア様が1人で自殺したとか?誰にもできないんじゃない?」

 バルはそこでニヤリと笑う。

「いいえ」

 ハシェルは異議を唱えた。

「犯人Aはダリア様が自殺したと思わせたいんです。」

「私たちを疑ってるの!?」

 ランタナが声を荒らげる。

「姉さんは自分で死んだのよ!拳銃は私たちが見に行った時確かに金庫にあったもの!!私たちが殺す気があったならその時殺したら良かったじゃない!二人で口裏を合わせて!」

「いえ…皆さんを疑ってるわけでは……」

「とにかく聞くのじゃランタナ嬢」

 ハシェルの言葉にパルも続く。

「犯人Aはまず、皆さんが金庫を開ける前に忍び込んだ。そして偽物を置いたんです。」

 一同がどよめく。

「ランタナ様でも、ダリア様でも、オーキッド様でもウィスタリア様でも分からない、偽物を。」

「そうじゃのう…いくらダリア嬢が次期当主でも誰かを撃つ訳には行かない。故に」

「「本物かどうか分からない」」

 パルとハシェルの声が重なった。

「じゃあ誰が姉貴を撃ったんだ」

 オーキッドが机にひじを着いて両拳を額に当てた。

 ハシェルは続けた。

「犯人Aはご家族の方が確認するのを…そうですね、例えば…」

「ベッドの下から見ていた、とか」

 全員が沈黙する。次はパルが口を開いた。

「そして、次に、犯人Aはダリア嬢が一人で来たのを確認して、出ていこうとするダリア嬢を背中から撃ったのじゃろう……心臓を撃ち抜くその本物の拳銃で、じゃ」

 ノアがはっと気づく。

「もしかして犯人は…」

「「犯人は?」」

 オーキッドとココの声が交差する。

「犯人は、ランタナ様?」

「なんてことを!この小娘!」

 ランタナが憤慨し、机を両手で強く叩いた。

「だ、だって、ウィスタリア様とダリア様がいなくなったら1番得するのはおばさんじゃん!!」

「お、おばさん…?!この醜女が!!」

「なにそれ!しこめって!!だってふたりが死んだら家督と財産はおばさんのものでしょ?!」

「私だったらもっと上手くやるわよ!家督と財産を手に入れるなら、他の方法だってできるはずだわ!それに、家族全員で見に行った時、私はいたし、その後みんなで広間にいた時も私の姿をあんたは見てんでしょこのお馬鹿!」

「あっじゃあ違うか…」

 ノアはうーんと首を捻る。

「犯人Aはおばさんに罪をなすりつけようとしてたってこと?」

するとメイドのココがメガネを震える手で押えながら尋ねる。

「ウィスタリア様も、犯人Aが?」

 不安げに、胸を押えながら。

 ノアは溌剌とココの肩を抱く。

「そんなに不安がらなくても大丈夫だよ!きっとハシェルもパルも犯人がわかったんだよ…あっわかった!」

  ハシェルとパルは深く頷く。

「大丈夫じゃよ、そのように怖がらずとも」

「なんと言ったってその犯人Aは…」

「ソナタ(あなた)だからの」


「えっ」


 ノアは思わず声を出してしまった。

「どういうこと?」

 ハシェルはココに指を指して言った。

「あの銀杯のトリックがわかった時、犯人がわかりました」

 パルは、先程みんなが口をつける前に黒薔薇が現れてからずっとしまわれていた銀杯を持ってきた。

「これは、どんな性質があったかな、ランタナ嬢」

 ランタナは先程犯人と疑われたことが不服なようで鼻息を荒くしながらはいはい、と答える。

「毒が入ってたら黒いバラが現れる、でしょ」

 そして続ける。

「ずっと銀杯を使って私たち家族は飲み物を飲んでた。 でもみんなの黒バラが現れたのはウィスタリアが死んだあとよ。ウィスタリアは毒で死んだんじゃないわ。変死か、それか魔法によって殺されたのよ」

 パルはそうじゃな、と口を開いた。

「本当に毒を見分ける銀杯ならばな。」

「えっ?」

「どういうことですか?」

 ノアとオーキッドが口々に問う。

「あれは毒に反応するでしょ。現に私たちが毒を口にしようとした時反応したじゃない?」

「それは本当に毒だったんですか?」

 ハシェルは問いかける。そして、パルが持ってきた銀杯の中にまだ並々と入っている毒を一気に口にした。

「あ!」

 ノアが真っ青な顔でハシェルを指さす。

「しししし、死んじゃうよ!!!ハシェル!!!」

 ランタナでさえあ、と口を開き、オーキッドに至っては動揺のあまり席を立った。しかし、ココは眉一つ動かさない。

 全て飲みほし、ハシェルは真面目な顔で言った。

「これは、レモネードです」

 全員が驚愕した。それはラベンダーが、銀杯の薔薇が出る前にふと口にしたことだ。

『 泥水みたいな白ワインよりレモネードが飲みたいわァ 』

「……そうです。これは、毒を見抜ける銀杯などではありません!!"飲み物を変化させる"銀杯だったんです!!」

ノアとオーキッドは驚愕した。ココは静かに聞いている。

「そう!これでウィスタリア様に毒を次ぎ、ウィスタリア様に銀杯で毒はないと嘘の証明をして見せたんだ、毒を仕込めばココさんの勝ち、その後ウィスタリア様、そしてダリア様が死んでからランタナ様や僕たちに何事も無かったかのように振る舞えばいいんだから、」

「じゃが、ひとつ問題が生じたのじゃ。」

 パルはニンマリと続ける。

「ランタナ嬢が"うっかり"ネタばらし"しかけてしまった」

「あーあれね!」

 ノアが思い出し言う。

「たしかにあのあたしの、レモネードを飲みたい、の一言で黒バラに変わった…けど、普通に毒が盛られて色が変わったのかとあの場にいた全員が思ったわ」

 ラベンダーが顎をさすりながら足を組みなおす。

「どうしてこんなことを?」

 ハシェルが悲しげに問うとココはゆっくり話し出した。

「私の、負けですね。けれど勝ちでもあります、」

「必要な生贄は、あと一人!!」

瞬間隠し持っていた本物の薔薇の銃で自らの胸を撃ち抜いた。

 誰にも止められない速度でそれは行われ、最初から立っていたパルやハシェル、途中から立ち上がっていたオーキッドはとかく、全員が立ち上がり、ココの肩を抱いていたノアは至近距離で行われた惨劇に悲鳴をあげずにはいられなかった。

 ココが放った弾丸は綺麗に彼女の心の臓を貫き黒い美しい薔薇を胸に咲かせていた。ココの顔は安らかだ。

 そのとき、高らかな笑い声が聞こえた。

「あはははは!」

それは招かれざる客の到来だった。

 

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