第5話 魔王の配下『講師』
「RPGゲーム Your destiny will continue!」の制作会社が開設した公式スレッドにて、〈プレイヤー〉達はゲームのストーリーや魔王の配下の攻略について話をしていく。
〈桃源郷の契約者〉の発言から彼らはゲームには分岐があることを知る。
ゲーム序盤の首都攻防戦、魔王の配下『メイラ』戦、『キラキラキラー』戦、『ドウドウ』戦に分岐があることを知った、スレ民達は攻略方法を共有しながら地獄を作り出す。
そして、9章で明らかに魔王らしき人物が登場したことについてスレ民達は話していたが・・・・・・?
209:名無しの元100
≫208 そうそう、それ。勇者の幼少期から、首都にお呼ばれするまでにストーリーを辿る章。
9章のシーンで一つ気になるシーンがあってさ。9章中盤ら辺で勇者が街中で人助けしてるシーンで韓紅色の眼に桃色の髪の男の人が出てきたじゃん。魔王にそっくりの。
あれ、絶対に魔王だよね
210:名無しの勇者
あー、それは確かに。異様に似てたもんな。公開されてる魔王に服装とか髪型以外は似てたよな
211:名無しの勇者
でも、魔王って街中普通いなくね。
212:名無しの勇者
カイならやりそう
213:名無しの勇者
やりそうではある
214:名無しのロリコン
でも、普通に考えたら勇者に会おうとするか、魔王
それも街中で
215:考察班
どちらにしろ、魔王関係者が過去に勇者に接触していた可能性はあるってことだな。それが魔王本人だったとしても、誰かの変装だったとしても
216:名無しの勇者
むむう、何故、接触したのかは分からないが後にその理由は明かされてほしい。
217:名無しの勇者
分かる。
……ああああああああ、講師は私の胸を深く抉る~~~~♪♪
218:名無しの勇者
急にミュージカル
講師愛が押さえられない人がいるから講師にいくか。
それにしても講師か。なんか、面白かったけど、辛いんだよな
219:名無しの桃源郷の契約者
≫218 それ分かる。めっちゃ笑ったし楽しかったのに辛さもあるから、こう複雑な感情になる。
化物世界では愛されてたよな、講師って
化物世界は基本的に誰でも歓迎って感じで居たたまれなかった
220:名無しの勇者
勇者に対しても悪い感情を向けてくる人は少なかった。だから戦いたくなくなるんだよな
221:名無しの勇者
そんななかで突如、投下された爆弾
「講師は若い頃はやんちゃ坊主でなぁ、よく喧嘩をやっておったわ」(第一村人)
「俺もぶっ飛ばされたことあるぞ、あいつに」(喧嘩人)
「人と化物がよくぶつかっていた時代のときなんてその喧嘩屋精神で人も化物も巻き込んだ喧嘩しておったなぁ」(商人)
「もう900年も昔の話だったか?」(商人と一緒にいた薬屋)
「いやあ、思い返せば昨日のことみたいやな。いなくなったあいつがまた、戻ってきて、また、同じように話せるなんて思いもせんかった」(教師)
222:名無しの勇者
まさかのヤンキー
223:名無しの勇者
聞いている感じはその喧嘩屋精神で化物世界を平和にしたって感じだったよな。
ってか、900年前って一体、何歳なん?
224:名無しの勇者
確か、先代勇者は800年前だったから意外と年代的には近いのか。ドウドウも800年前の先代勇者のこと知ってたようなこと言ってたし
「勇者というものは変わらんな、昔から」って
225:名無しの勇者
まずさ、魔王達に対して化物世界は悪い感情を持ってなかった。逆に魔王を滅ぼす意思持ってる人に対して嫌悪感ある様子だった
226:名無しの勇者
≫225 講師もそんな感じだったよね。勇者に対しても歓迎してくれて、争いを望んでない感じ
227:名無しの勇者
俺的には講師の持ってる盾気になる。あの小さな盾。やってないからあれが何なのか分からん。
228:考察班
≫227 今、言うと面白くないけど言っていいか
ちょっと名無しやめるわ、やめたわ
229:名無しの桃源郷の契約者
≫227 俺も考察班と同じで言うと面白くないけど言って欲しいなら言うけど
230:小説班
≫228 229 言うな!(ガチ)
俺は今、講師の章をやってる途中なんだ!
契約者も名無しやめればどうだ
俺も名無しやめた
231:名無しのロリコン
≫228 229 やめてーやめてーやめてくださいー(気にはなる)
232:名無しのパパ
≫228 229 おい、やめろ。なぐるぞ(気にはなる)
233:名無しの勇者
コテハン組総出やん
234:名無しの勇者
コテハン組をコテハン組が止めてる
俺も後で出してほしいかなぁ(気にはなる)
235:名無しの勇者
コテハン組暇人かよ
236:小説班
あの~、ちょっといいですか
237:名無しの勇者
どうした、小説班
238:名無しの元100
どうした、リアルタイム勢
239:名無しの勇者
何だ、元勇者
240:小説班
化物世界で今探索してたんだけど、ちょっと気になる日記見つけたんだけどこれ、皆見たん?
241:名無しの勇者
は? 知らん
242:名無しの勇者
は、なんなん、それ?
243:名無しの勇者
は?
244:考察班
え、
245:名無しの勇者
え
246:名無しのロリコン
え、何ノ(・・)/ソレー
247:名無しの勇者
え、まさかの隠し要素?
248:名無しのパパ
うん?
249:名無しの勇者
はい?
250:名無しの勇者
はい、ん?
251:名無しの桃源郷の契約者
何それ、俺知らない
252:小説班
じゃあ、画像貼るわ。ちょっと待ってて。
253:小説班
ありがとう
【画像】
●月▲日
先生は今日もめちゃおもろい。毎日一緒におっても飽きひんわ。でも今日、珍しく校庭吹き飛ばした奴おったから怒っとったけど、めっちゃ怖かったわ。ビビったわ。後ろから怒気と覇気と圧めっちゃ出とるやん。
知り合いの先公に話聞いたら学生時代はヤンキーやって話があった。学生時代って一体、先生幾つなん、今。それんしてもヤンキーかぁ。長生きな人って昔に何してるかわかんねぇわ。
でもま、良い人には変わりないし、ええか。
□月■日
変な話が耳に入った。勇者が他の世界回っとるって話。先生は大丈夫や言うとるけどホンマに大丈夫なんかな。あの魔王さんが勇者との戦闘は避けろって言っとったから、ヤバいと思うんやけどな。
……先生、嘘つかんといてな。俺、先生のこと信じとるから。
△月▲日
は? 勇者? なんでなんでなんでなんでなんでなん? どうして、勇者が来るん? 嫌や。死んで欲しくない。先生に死んで欲しゅうない。待って待って待って待って。先生は悪うない。魔王さん達も悪うない。悪い人は誰もおらへんのにどうして、皆が悪者だって言われなあかんの?
……先生に早く渡さな。渡さなあかん。先生は死んじゃあかん。先生さえ、生きてとれば。
×月×日
先生にはようやっとやけど、渡せた。めっちゃ心配そうやったけど、笑って大丈夫言ってやった。あん人を心配させたらあかん。あん人の方が大変なんやから。後は、後は先生が勇者と会わんようにするだけ。それが優先事項。それが俺のするべきこと。先生を逃がすことが第一優先なんや。
……ごめんな、先生。
□月○日
あかん。やっぱり勇者は勇者や。押される。押されとる。あかん、これじゃ、負ける。でも、先生は逃げられた。先生は何も知らん。そのまま、何も知らないでいてくれや。
死なんでくれ、先生。
─月─日
……ごめん、先生。
俺は、行くよ
今までありがとうな
俺はあんたのこと、ずっと好いとるからな。絶対に死ぬなよ。
以上、です。
254:名無しの勇者
≫253 何、これ
255:名無しの勇者
256:名無しの勇者
257:名無しの勇者
258:考察班
259:名無しの勇者
260:名無しのパパ
261:名無しの勇者
262:名無しの元100
263:名無しの勇者
264:名無しの桃源郷の契約者
衝撃過ぎて何もできなかった
つまりはあの盾って教え子が造ったものだったってことで、その教え子は前勇者と戦って死んで……
ふぐぅ
265:名無しの喧嘩屋
講師が勇者達に勝ったときのセリフの「……これで、いい、んだ」「お疲れ様、優しい勇者様」
これって、つまり、自分は先代勇者達がしたことと同じように罪のない子ども達(自分からしたら年下。勇者達)を殺してしまった罪悪感から出た言葉ってこと?
盾の加護が発動するのって、教え子が彼を思っていたから発動したってこと?
あの人が盾の話とか昔の話とか、教え子の話になると悲しそうに笑うのって、その教え子を自分が死なせたからってこと?
266:名無しの勇者
≫265 まてまてまてまて
え、予想外のところでダメージがきたぞ
え、講師が?
あの序盤おふざけマンの講師が?
死んん
267:名無しのロリコン
というか、パパがダメージ負いすぎて全然、姿現さんぞ
268:小説班
なんか、すまん
269:名無しの勇者
「俺はあんたのこと、ずっと好いとるからな。絶対に死ぬなよ。」がヤバい。キツい。キツすぎる。
270:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
271:名無しの勇者
≫268 お前は悪くないぞ
272:名無しの勇者
≫268 お前は悪くないんだ
273:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない……
274:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
275:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
276:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない!
277:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない……はず、だ
278:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
279:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
280:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
281:名無しの元100
≫268 お前は悪くないんぢょ
282:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
283:名無しの勇者
≫268 お前は悪くない
悪いのは、講師、だ……
284:名無しのパパ
復帰するのに三十分もかかった。すまん。衝撃が強すぎた。
285:名無しの勇者
≫284 パパ!
286:名無しの勇者
≫284 あ、おかえりなさい
287:名無しのパパ
先生と生徒の絆が深すぎてキツい。
289:名無しの勇者
ってか、コテハン組全員復活するまでに三十分もかかってる。
290:名無しの勇者
スレッドがめちゃくちゃになったな。これ、よっぽどのことがないとないぞ
291:名無しの勇者
こういうのが先生と生徒の正しい姿なんかな
292:名無しの桃源郷の契約者
≫291 んなわけあるか。理想の姿ではあるけど、ここまで生徒に無理させてる教師が良い教師なわけあるか。それも教師自身も死んで
293:名無しの勇者
≫292 まあ、そうだな。俺はこの二人の関係が好きだからそう、言い切れないけど、正しいかどうかって言われたら正しくはないよな。一番近いのは友人、か?
294:名無しの勇者
でもさ、こう見てると講師って生徒に好かれているよね。
295:名無しの勇者
あ、もしかして盾の加護発動時の「受け取った、──―」ってあれ、生徒の名前呼んでたん!?
296:名無しの勇者
あ
297:名無しの勇者
あ
298:名無しの勇者
あ
「『ナナ先生』、何しとるんや~?」
「YDCの公式スレ見てる。『クゥクァ』も見る?」
背中から掛かる重さ。重い。とにかく重い。成人男性一人分の体重だとしても重い。筋肉質の身体だから特に重い。
筋肉質のある胸筋が背中に触れる。声とその体格で、一瞬で誰が背後に誰がいるのか分かる。
「見る~~。見るからちと待っててな」
「はいはい。じゃあ、その間、ゲームの切り抜きでも見てる」
久々の休み。職場(大学)であまりにも休みを取っていなかったために取るように言われれ、取ったものの、何もすることはない。そのため、偶然「こちら」に来ていた『クゥクァ』と会うことになったが、振り回され、現在進行形で体力消耗中である。なんで、こんな体力無尽なんだよ、お前。
というか、各地の方言で話すの止めんか。脳内翻訳面倒だわ。
スマホの画面、動画投稿サイトのショート動画一覧をスライドしていく。スレは絶望と希望が交互に生まれては死んでいるので見ていて面白い。ショート動画は考察と攻略で溢れている。お互いの文化の違いが良く分かる。
「やっぱ、『講師』の章エグいんやな~。っってか、この小説班さん、よくこの日記見つかったわ。俺見つけられんかったし」
スレの最新まで見終えたのか、『クゥクァ』が俺に自身のスマホを見せながら、そう言った。見るのが早い。流石、『クゥクァ』。
「見つけられるでしょ、『クゥクァ』なら。ってか、見つけられなかったのは初期のクソ難設定だったからだろ」
「いやあ、すごいわぁ」
「話を聞け」
ニコニコと笑う目の前の男。実際、試行は今のYDCの難易度から見れば、難易度鬼畜だったから、クリアできただけ、すごい。俺は無理だった。途中離脱した。
確か、初期の鬼畜設定でクリアできたのは『カイ』、『キュウト』、『クゥクァ』、『キラ』さんだけだったような……。
「んまあ、でも、子ども関係してくっと地獄だっぺ、これ」
「それで地獄にするのが得意なのがあの制作陣だからでしょ。『カラスちゃん』と『カイ』がいたら、駄目だよ。地獄製造機だもん」
お互いの言葉に俺達はお互いに苦笑いを浮かべた。
教師(講師)と生徒の関係に絶望するスレ民、そして、スレを見る大学教師と各地方言男、終幕。




