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第1話 公式スレ開設

 「RPGゲーム Your destiny will continue!」の制作会社はゲーム販売から1年が経過したため、公式スレッドを開設した。ゲームをしている〈プレイヤー〉たちはスレッドで情報交換を行うなかで、ゲーム内で分岐があることを〈桃源郷の契約者〉の発言から知る。

 そして、徐々に情報交換を行っていくなかで、ゲームが〈プレイヤー〉が考えていたよりも、複雑で、残酷で、空しくて、様々な人々の思惑が交錯している物語であったことを〈彼ら〉は目の当たりにすることとなる。

1:名無しの勇者

今日この日この時間、通称「YDC」、正式名称「RPGゲーム Your destiny will continue!」の運営はゲーム販売から一年が経過したため、公式スレッドを開設した



2:名無しの勇者

分かりきっていることだと思うけど、ゲームに関する情報の説明でーす


通称「YDC」、正式名称「RPGゲーム Your destiny will continue!」。テレビに映像映し出すタイプのRPG戦略戦闘ゲーム。半年前からPCやスマホでもできるようになった。運営神。クソ難しいけど皆でやろうね!

一年前、少女の「皆、友達はいるか!!」のかけ声から始まるCMが放送開始。それと同時にゲームが販売。CMはそれ以降も増加中。

最新CMは「我が名はカイ。魔王である。今ここに天破の剣を携え、勇者を倒しに来た!」「俺はイロアス。当代の勇者である。今この時、この場に魔王を討伐するために来た!」と言い合う二人の人物のアニメ映像。イロアスかっこいいよね〜。マジ好き。

ストーリーは47章で一章ごとの話は濃密。味方、敵問わず、多くの人達のストーリーが入り乱れる。キャラ多過ぎ問題。世界観的にはいくつもの世界を主人公が行き来することができるというもの。

主人公は勇者で共世界という世界の人間。その勇者が勇者として様々な世界を巡りながら仲間を集め、魔王を討伐するというのが大筋。

要所要所で魔王とその配下達16人と戦う。運営鬼か。公式からは魔王と15人の配下達の名前と容姿、イメージカラー、フラワーが公開。16人目の配下は未公開。主人公含めた勇者一行も大変人気が高いがそれとほぼ同じ、もしくは上回るほどの人気を誇るのが魔王とその配下達である。ホントマジいい。死。

発売から半年後に行われた人気投票では見事、講師、原くん、ドイ、キュウト、カイがトップ10入り。さらにてぃーたんが惜しくもトップ10入りを逃すが11位に。各所で登場するワンポイントアドバイスキャラクターの存在も話題に挙がる。



3:名無しの勇者

一章は主人公が魔王討伐に立ち上がる話。そして戦闘のチュートリアル。戦闘システムについては部隊やキャラクターを動かしていくシミュレーション型

よくあるタイプのRPGだ


やってみるまではそう、思っていた



4:名無しの勇者

≫3 同意


※このスレッドでは戦闘についてとストーリーについてのネタバレが非常に多くなることと思われます。

ネタバレを食らいたくない人は要注意だ!!

荒しもするなよ!慣れてない奴でも大歓迎だ!

公式スレで公式の人が見てるかもしれないからできる範囲でお行儀良くな!



5:名無しの勇者

じゃあ、始めていきましょう

まず、声優は誰ですか?



6:名無しの勇者

≫5 ネタバレも何もしてないなww


Hi,運営さん そういえば16人目は誰ですか



7:名無しの勇者

≫5 6 質問すなやww


Hi, good. 原くんの第三形態変化時のHPフル回復は阻止できない?



8:名無しの勇者

≫5 6 7 皆同意(^_^)


しっかし、本当に声優と16人目は気になるよな。声優達は上手すぎだろ。特に感情の入れ方とか叫び声とか。それも一人確定で子どもいるし

16人目はいつになったら登場することやら(現在32章)



9:名無しの勇者

≫6 一応情報は所々出てるのに出てきそうな気配すらないもんな

主人公やその仲間についてもよく考えられているし、彼らのストーリーもしっかりある。だが、各ボス戦が難易度高すぎで草

そして所々で挟まれる意味ありげな章の意味ありげ過ぎて草



10:名無しの勇者

≫8 次は原くん戦じゃないか。頑張れっっっっwwwwwww



死ぬなよ(屍達



11:名無しの勇者

そういえば声優の話に戻るけどCMのあの声ってメイラの声だったよね。あと他にも「世界の真実はときに残酷だ」ってやつもあるよね。アレは確か原くんだっけ



12:名無しの勇者

メイラとクゥクァの初登場シーン(2章終わり)

メイラ「あー、髪留め取らないでよ!」

クゥクァ「……これ、いつ買ったんやっけ」

メイラ「桃源郷の帰りにクゥくんが渡してくれたんでしょ」

クゥクァ「そうやったか。最近、忘れっぽくてなあ」

メイラ「まったくもう」



13:名無しの勇者

≫12 そのシーンでメイラの髪留めをクゥクァが引っ張るんだよな。それをメイラは嫌がらずに受け入れる。もうすぐ、メイラは勇者と決するってのにその雰囲気すらないんだよな。分かってて見ると悲しいシーンだよな



14:名無しの勇者

≫12 13 しかし、忘れることなかれ

そこのクゥクァという男、非常に厄介な男である。(原くんの方が手こずった奴の言葉)



15:名無しの勇者

クゥクァとかジン戦、大変だよな


そういえば演出分岐とか、この二人、あったのかな。こういうRPGってよくそういうのあるけど。メイラとの絡みとか関係でありそうだけどね。それ以外の人もあるなら分岐気になるな



16:名無しの勇者

≫15 え、メイラ戦から分岐あったんじゃない?



17:名無しの勇者

≫16 メイラは倒したら終わりじゃないのか?

ボイス

「あーあ、負けちゃったか」

「ごめん、ね、かたき、とれなく、て」

「……しにたく、ない、よ」(目に涙を浮かべながら)

(スッと髪から水色の髪留めが地へと落ちる)


聞いてるだけで辛い。小さな少女を倒すんだもん

死にたくないって言われたら救いたいよ



18:名無しの勇者

≫17 子ども殺す罪悪感な


……皆、どこまで進んだのか教えてくれさい。俺っちは20章よ。

きちんと情報共有始めたるで!



19:名無しの勇者

7章です



20:名無しの勇者

15章っすね



21:名無しの勇者

22章……死ぬかと思った



22:名無しの勇者

35章のところまで駆け抜けましたぜ


え、原くんって誰?



23:名無しの勇者

≫22 おい、記憶飛んどるやないか

45章目前ですね。



24:名無しの勇者

11章!!!



25:名無しの勇者

7章爆走中!!!!!



26:名無しの勇者

≫19 25 幹部3人目っておいwwwww

前半勢多いな

42章



27:名無しの勇者

流石にメイラでつまづく奴はいないか

32章



28:名無しの勇者

メイラは魔法世界での初戦闘ボスなのに魔法使わないもんな。首都攻防戦の次に基礎を鍛えられる。ダメージも少ないし、倒しやすい。


まあ、すっげぇ裏取りしてくるけど



29:名無しの勇者

≫28 俺その裏取りで負けた奴ぞ

子どもでも油断できねぇと初めて思ったわ

あの明るい感じとは相対的で頭良すぎだろ



30:名無しの勇者

≫29 我同じぞ

でも、メイラさ、どうして魔王の配下になったかがイマイチ分かんないよね。他の敵とは違って恨みとか怒りとかぶつけてこないし



31:名無しの勇者

≫30 ジンがその代わりかってくらい暴言はいてくるぞ


……おにいたま




32:名無しの勇者

≫31 おい、おまwwwww

それは禁句

……wwwwwwww



33:名無しの勇者

≫31 wwwwwwwwwwwwww



34:名無しの勇者

≫31 ドイがメイラの声まねしたやつか、それwwww

ドイ「おにいたま、かわいー!!」(幼女声)

ジン「鳥肌たつから止めてくれません?!」

ドイ「だって、可愛いじゃない、メイラちゃんの言い間違い。マネしたくなっちゃうよ」

ジン「それは、分かりますけど」

ドイ「ジンくんも可愛いけどね」

ジン「サラッと言うなっ、藪医者がっ!!」


ジンは口わっるいよな



35:名無しの勇者

≫15 16 17 言い忘れてたけど、メイラの敗北演出ってホントにその三つの言葉だけだった?



36:名無しの勇者

≫35 ああ、そう、だが

……え、おい、まさか


いやいや、まさか……。まさ、か……




37:名無しの勇者

≫35 masaka……



38:名無しの勇者

≫35



39:名無しの勇者

≫35



40:名無しの勇者

あ、じゃ、はりまーす


87ターン経過後

主人公「もう、これ以上っ」

メイラ「……生きろって言うの」(勇者を睨むように見つめる)

主人公「……ああ」

メイラ「……これも運命、なのかな」(自分の手のひらに視線を移し、呟く)

主人公「………………」

メイラ「私達はあなたたちを絶対に許さない。私達の仲間を殺したんだ」(視線をキッと勇者達に戻す)

主人公「ああ」(真っ直ぐにメイラの目を見る)

メイラ「って、そんなこと言ってももう、負けたんだからなんだって話だよね」

(メイラはその場に仰向けで倒れた。ふっと空を見上げていた視線を勇者に移す)

メイラ「あなた、の、言葉に、嘘、はない……ね」

仰向けのまま、彼女は目を瞑った。しかし、それは息を引き取ったのではなく、ただ、スヤスヤと眠っているだけだった。



だ、だって、殺すのが嫌だったんだもん!



41:名無しの勇者

≫40



42:名無しの勇者

≫40



43:名無しの勇者

≫40



44:名無しの勇者

≫40



45:名無しの勇者

≫40 殺さなくて、よかった、のか……?(スゥッ)



46:名無しの勇者

≫45 おい、死ぬな!!

ってか、87ターン?!!!!



47:名無しの勇者

≫40 は、はやく、分岐条件教えて!はよ!!死人が出る!いや、既に出てる!!

そして封印具が出てこないのか?!!

87ターンってマジ?!



48:名無しの桃源郷の契約者

多分なんだけど、2章の首都攻防戦のボスから「古ぼけた手記」「小刀」が全員、ドロップしたはず。そのときにボスの近くに不自然な木、あったろ?

何か、あの妙に毎シーン毎シーン映り込む大きめの木。

どうしても戦闘後に気になったから、それに8回ぶつかったら「簪」が落ちてきた。それを持ったら「桃源郷の契約者」の称号が手に入った。そしてその三つを持ったまま、メイラと戦闘した。メイラはどうしても殺したくなかったので最低限の攻撃しかせずにずっと耐えてたら87ターン目の最後に、今さっきの演出が入った。多分、所持物のなかに「簪」があったからかな、と

今考えると木に8回頭ぶつけるって発想普通ならないし

封印具はここでは出てこなかった



49:名無しの勇者

≫48 2章ってほぼチュートリアル戦闘だろ。確かに超不自然なモーションの木はあったけどwwwwww


頭ぶつけるって、なんだよ



50:名無しのロリコン

≫48 つか、87ターンも殺さずにいれるその精神すごいわ。

俺は、俺はっ



51:名無しの勇者

≫50 ロリコンは草wwwwwwwww

≫48 桃源郷の契約者か。桃源郷って確か、原のときに言及があったよね。あと33章でも言及されてたな。



52:名無しの勇者

≫51 確かに言及されてたな

ってか、桃源郷の契約者、は長いから簪ニキでいいや。簪ニキはどこまでいきましたか!!



53:名無しの桃源郷の契約者

≫52 45章目前

立ちはだかるは魔王カイ。16人目の幹部は未だ出ず

そんな感じで今は休憩中です。頭がショートしました。心がすでに痛みます。


16人目よ、早く出てきてえええええええええ







































 スマホの画面をスライドさせていた指を止める。最新の書き込みだ。「53:名無しの桃源郷の契約者」の文末には叫び声が書かれていた。ふっと声を漏らしてしまう。隣の席にいた──がその声に気が付き、こちらを見る。


「すっごいよ。初っ端から地獄みたいになってきた」


「……ホントだ。スムーズに行くかと思ったら爆弾落ちてる」


 隣の席で仕事していた──にスマホの画面を見せる。──は苦笑いを浮かべた。


「というか、簪ニキさん、見つけたんだ。ふーん、へーん、ほーん、凄いね」


「いや、ホントに。どうして見つけられたんだか。それも45章と」


「ゲームオタクって凄い。私達だったら絶対に見つけられないね」


「分かる。無理」


 ──は私の言葉にうんうんと頷く。


「あ、そうだ、スレッドのこと、他の皆にも知らせよう。皆にも広めてもらって、ね?」


 ふっと何かを思いついた様子の──。そして、次の瞬間には悪ガキのような顔になる。大概、──がこういう顔をするときは良いアイデアを思いついたときだ。


「……ああ、なるほど。それいいねぇ。やろう」


 視線、表情、身体の動き。その全てから──が何を考えているのかが手に取るように分かる。つられて私のニヤリと笑う。


「どうなるかなぁ。これで攻略できるといいね。──『()()』」


「ね、『()()()()』」


 『()()()()』の言葉に頷きながら、私はスマホのメッセージ画面にてスレッドのURLを送信した。

序章と伝説の始まり、終幕。

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