表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/19

【2】星見の丘と秘密基地

【2】星見の丘と秘密基地


 それから、二人はよく遊ぶようになった。


 エリの家は古い煉瓦造りで、壁のあちこちに隙間があり、雨が降ると部屋中が濡れた。

 母親は病床にあり、薬も買えず、食事は干し肉と芋が交互に並ぶ日々だった。


 「……これ、お父さんの靴なの。大きいけど、まだ履けるの」


 そう言って見せた靴は、底が剥がれかけていた。


 だがエリは、それを恥じなかった。笑った。

 「こっちのほうが速く走れる」と誇らしげにすら言った。


 彼らには“秘密基地”があった。

 王都外れの草地、小さな丘の上。壊れた祠の裏を抜けると現れる、星を見上げるだけの場所。


 「ここは、ふたりの国だよ。名前、決めよう?」


「うーん……じゃあ、星の国」


「やだ、それじゃ普通。『アルセリア』ってどう? 星の言葉で“願い”って意味なんだって」


「じゃあ、オレが王で、エリが……」


「女王?」


「……いや、魔法使い」


「……ふふっ、いいね、それ」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ