表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

張飛VS黒田清隆VS大巨人~世界最強の呑兵衛決定戦! ~

神々が暇を持て余した結果、今度は**「世界最強の呑兵衛決定戦」**を開催!

歴史に名を残す酒豪たち―― 黒田清隆、張飛、そしてフランスの大巨人レネ が激突する。


だが、試合前に用意した酒がすべて消えるという異常事態が発生!?

犯人はまさかの 「レネ」。

さらにはゼウスの酒まで盗まれ、大激怒の最高神が参戦し、勝負はさらにカオスな展開へ――!


神々すら呆れる伝説の酒豪対決、その結末はいかに!?

◆ 暇を持て余した神々

天界の神々は、相も変わらず暇を持て余していた。


「ワインの美味しい季節だねぇ」

「だねぇ~」

「天界、季節関係ないだろう」

「だねぇ~」

「いつでも酒って美味いよねぇ」

「だねぇ~」

「……よし、やるか!」


そうして決まったのは――


「世界最強の呑兵衛決定戦!」


神々が選び抜いた出場者は、以下の3人だった。


●黒田清隆(日本・初代内閣総理大臣にして無類の酒豪)

●張飛(三国志最強クラスの猛将、蜀の五虎将軍の一角、そして伝説的な酒乱)

●レネ(フランスのプロレスラー・「世界8番目の不思議」と呼ばれた大巨人)


彼らがどれだけ飲めるのか、神々は固唾を飲んで見守ることにした。


---


◆ 消えた酒樽

試合を始めようとした瞬間、神々は異変に気づく。


「おい、酒がないぞ?」


用意したはずの大量の酒樽が、忽然と消えていたのだ。

慌てて周囲を見回すと、トイレのドアが開き、のっそりと巨大な男が現れた。


「さあ、本番だ。始めよう。」


出場者のひとり、大巨人レネが、満足げな表情で席についた。


神々「……まさか?」


彼の前には、からっぽの酒樽が山積みになっていた。

そう――試合開始前に、レネが全て飲み干してしまったのだ。


黒田清隆と張飛はドン引きし、神々は頭を抱えた。

しかし、その時――


「酒ならここにあるよ!」


ゼウスの息子であるヘルメスが満面の笑みで、大量のワインと蒸留酒を担いで現れた。

どうやら、ゼウスの酒蔵からくすねてきたらしい。


神々「……あいつ、またやりやがった。どうする?」

「何の話かね?我々は何も知らない。ただヘルメスがお酒を持ってきただけですよ。」

「確かにそうだが…」

「問題があるなら、それはゼウスとヘルメスの問題だよ。つまり親子喧嘩だ!つまりだ…」

「楽しそう…」

「つまり…」

「問題ないな!よし、始めよう!!」


ゼウスの怒りが天界を揺るがす予感を抱えながらも、呑兵衛たちは、ようやく本番の酒宴へと突入するのだった。


---


◆ 怒涛の呑み合い開始!

黒田と張飛は、レネの圧倒的先制に焦り、汚名挽回とばかりに急ピッチで酒を飲み始める。


「この燕人張飛がこんなことで負けてられるか!うおおおおおお!!」

張飛が紹興酒の入った甕を一気飲みした。さすが飲み過ぎが原因で部下に殺されただけはある。


「オイも負けてられもはん!」

後先考えない張飛に触発されて、黒田清隆も負けじと一升瓶をラッパ飲みする。


二人のペースは凄まじく、次々と酒樽が空になっていく。


しかし、レネはなおも悠然としていた。レネは、生前、飛行機に搭載された酒をすべて飲み干したとか、ビール200本を飲んだという伝説を持つ怪物である。


張飛が一瓶を空ける間に、レネは三瓶を開け、黒田が一升瓶を飲み干す間に、レネは樽を抱えて飲み干す。


張飛「こ、こやつ、まさに一人民族大移動!」

黒田「いや、まさに人間山脈だ…」


酒豪2人のペースが落ちてくる中、

レネは朗らかに笑いながら言った。


「このワイン美味いねぇ。どこ産?」とワインの味を楽しむ余裕を見せている。


---


◆ 酒乱 vs 酒豪 vs 大巨人

やがて、黒田と張飛の二人は、危険な本性を現し始める。

歴史に(汚)名を残す酒乱たちが、本格的に制御不能となったのだ。


「チェーイ!薩摩隼人に、酒乱なしじゃぁあああ!!」

「言ったな!? なら勝負だ!」


酩酊した2人は、ついに喧嘩を始める。

薩摩隼人・黒田清隆 vs 蜀の猛将・張飛、二人の戦闘民族の一騎打ちの開幕である。


神々「うおおお、これは名勝負の予感!!」


だが――


フラフラの泥試合になってしまった。


張飛は、丈八蛇矛をつきながら、フラフラと蛇行している。黒田に近づこうとして、足をもつれさせて転ぶ。

黒田は、「太刀、太刀がない」と脇に差している太刀を見つけられない始末。


神々「なんだこれ……」


「しょうがねぇなぁ。」


レネは、大きな腕を伸ばして瀕死の二人を捕まえ、そのまま頭同士を「ゴチン!」とぶつけた。


黒田 & 張飛「ぐぼぉ……」 → KO


神々「……」


「……勝者、レネ。」


---


◆ 最高神ゼウス、激怒!

その時――


ゴロゴロゴロ……ドォン!!


雷鳴と共に、最高神ゼウスが降臨した。


「誰だ!ワシのワインを飲んだ奴は!?」


神々は、ゆっくりとヘルメスを指差した。

しかし、当の本人は大爆笑してる。


しかし、ゼウスの眼光はすぐに、

巨大な男の前に積み上げられた酒樽に向けられる。


中央には、のっそりと立ち上がるフランスの大巨人、レネ。


彼の前には、すでに数十本の空になったワインの大瓶が転がっていた。


「……なるほど。これは貴様の仕業か?」


ゼウスが問い詰めるが、レネは呑気に笑いながら、

手元のワイングラスを優雅に傾ける。


「どうりで美味いと思ったぜ!あんたも飲めよ。」

グラスの中には、ヘルメスが盗んできた、

ゼウスの特別醸造ワインが注がれている。


しかも、それを一口で飲み干し、

さらに大樽を抱え込み、

ワインの注ぎ口をそのまま口に突っ込んで、

一気にラッパ飲みを始めた。


ゴクゴクゴク……!


周囲の神々「……こいつ、まだ飲むのか?」


◆ ゼウス vs レネ


ゼウスは、雷鳴轟かせながら、レネを睨みつける。

「貴様、人の分際で最高神であるこのゼウスの酒を飲んだとということが、どういうことか分かるか!?」


「俺は、あんたらに『酒を好きなだけ飲んで良い』と言われただけだ。文句があるなら、彼らにいえよ。それにこんな上等な酒を前にして、何を怒っているんだ。酒が不味くなるぜ。一緒に飲もうぜ。それとも負けるのが怖いのか?」

そう言ってレネはワインボトルをゼウスに向ける。


ゼウスの顔が怒りで紅潮する。


「よかろう……ワシと呑み比べ勝負だ!!!」


雷のごとき声が響き渡ると、

ゼウスの手には黄金の酒杯が出現する。

ゼウスは注がれたワインを一気に飲み干す。

「美味い!もう一杯!!」

そしてゼウスとレネの一騎打ちが始まった。


ーーー一時間後ーーー



ゼウスの手からグラスが滑り落ちる。


カラン……


彼は、ついに酒の前に膝をついた。


神々「ゼウスが……負けた……!!?」


レネは、大きく息をつくと、

雷をまとったゼウスを横目に、にっこりと笑った。


「お前もまあまあやるな。」


そして、ゴロゴロと低い音が響いた。


ブボオオオオオオオオ!!!!


神々「……は?」


ゼウスの顔の前で、

レネが巨大なオナラを放った。


ゼウス「………………」


神々「………………………………」


沈黙。


レネ「よし、これで完全勝利だな。」


ゼウス「……あぁ、もう、好きにしろ。」


---


◆ 赤ワインと日本の友人

レネはヘルメスのもとへ行き、ニヤリと笑った。


「赤ワイン、まだ持ってるだろ?」

「お土産か?」

「ああ、最近こっちに来た日本の友人にな。」


そう言うと、レネは夕日を背に帰っていく――。


---


◆ 神々は懲りない

「あの大巨人、すごかったな…」

「ああ、あのゼウスを倒しちまったんだからな。」

「つーか、あいつが負けたおかげで、ゼウスの怒り、有耶無耶になったな。」

「まだまだいけるな。」

「次は、ヘルメスに何捕ってきてもらう?」


まだまだ懲りない神々だった――。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ