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クレオパトラVS楊貴妃 ~東西悪女対決Ⅱ~

地獄の秩序が乱れていた。

クレオパトラと楊貴妃が敗北の鬱憤を晴らすべく、獄卒たちに八つ当たりした結果、ついには待遇改善デモが勃発。

しかし、事態は思わぬ方向へと転がり始める。


そんな中、神々の遊びに巻き込まれたのは、幕末の志士 吉田松陰。

彼の熱すぎる思想が、地獄の女傑たちを新たな境地へと導いてしまう――!?


神々は笑い、閻魔大王は頭を抱え、地獄は未曾有の危機を迎える。

果たして、この騒動の行方は?


「神々の遊び」、第4弾、開幕!

◆ 地獄の混乱と閻魔大王の嘆き

前回の銀座キャバクラでの勝負に敗れたクレオパトラと楊貴妃は、地獄に帰った後も不満を爆発させていた。

獄卒たちにあたり散らし、彼らの士気は地の底まで落ち込み、一部の獄卒は「過剰労働反対!処遇改善を!」とデモを起こす事態に発展。地獄の秩序は乱れ、閻魔大王は頭を抱えていた。

「このままでは地獄が崩壊する!神々め、いい加減にしてくれ…」

とうとう閻魔大王は天界に対し、再戦を求める正式な依頼を送った。


◆ 天界のゆるい会議

一方、緊張感のない天界の神々は、閻魔大王からの嘆願書を読み上げながら大笑いしていた。

「ははは、獄卒がデモだとさ!地獄も変わったものだな。」

「で、どうする?再戦やるのか?」

「もちろんやるさ。ただし、今度は客選びを慎重にしよう。前回の哲学者ソクラテスみたいなのは、閻魔大王に戦争を仕掛けられかねん!」

そうはいっても相変わらず緊張感のない天界の神々は、大爆笑しながら、再戦のための企画会議を行った。

「さて今度は誰を客にしようか?」

「カエサルとかどう?」

「アレはダメだろ。そもそも現世でクレオパトラに落とされてんだから。それではフェアな勝負にならんだろ。」

「じゃあ、カントは?」

「哲学者はやめておこう。また朴念仁を用意したら、閻魔大王、戦争を仕掛けてくるかもしれないよ。あははっ」

あれこれと候補が挙がる中、ある神が手を叩いて言った。

「どうだ、この男は?」

その男とは、幕末の志士、吉田松陰だった。


◆ 吉田松陰選出の理由

松陰の選出理由はこうだった:

童貞説も囁かれるほど、女性との関係がない。

しかし、超がつくほどの生真面目さと情熱を持つため、色仕掛けには予想外の反応をするかもしれない。

何より彼の狂気じみた国への愛は、クレオパトラと楊貴妃のような元トップ層がどう反応するのか興味深い。

「これは面白くなるぞ!」神々は期待に胸を膨らませた。


◆ 銀座キャバクラ特設ステージ:第二幕

再び銀座のキャバクラに舞台が設けられ、吉田松陰が席についた。

彼は緊張した様子でグラスの水を前に座っている。周囲の煌びやかな光やきらびやかな衣装を着たホステスたちに戸惑いつつも、毅然と背筋を伸ばしていた。

「これが銀座という場所か…異様だが、興味深い。」

そこにクレオパトラと楊貴妃が登場。それぞれ宝石と絢爛豪華な装いで松陰に微笑みかける。

「吉田様、遥か東洋の志士にお会いできて光栄ですわ。」

「先生のお疲れを癒して差し上げたいと思い、参りました。」

2人は得意の色気と話術で攻め立てるが、松陰は眉一つ動かさない。

「諸君、ありがたい申し出だが、私は一つ聞きたいことがある。君たちは国を治める立場にあったと聞くが、なぜその道を歩むことになったのだ?」

2人はギクリとしつつも、それぞれが抱えてきた責務と国への思いを語り始める。最初は松陰の熱気に戸惑いを見せていたが、次第に引き込まれていった。


◆ 松陰の熱い説教

松陰の話は次第にヒートアップする。

「我が国では志を持つ者が尽く命を懸け、国を変えようとしている!だが、国とは何か?それは人々の結びつきだ!君たちは国をどう導いてきたのか?」

その語気の強さに、クレオパトラと楊貴妃は思わず背筋を正した。彼の情熱は次第に2人の胸を打ち、元々国を導く立場にいた彼女たちは、いつしか真剣に耳を傾け始めた。

「国を変えるためには、まず人を変えねばならない!そしてそれを成すのは志だ!」

松陰の言葉は力強く、2人は完全に感化されてしまった。


◆ 地獄での攘夷運動

試合後、地獄に戻った2人は、完全に攘夷思想に染まっていた。そして獄卒たちに向かい、熱く語りかける。

「我々は変わらねばならない!この堕落した地獄を変える時が来たのです!」

待遇に不満を持っていた獄卒たちは、次第に彼女たちの熱意に感化され、いつしか「鬼兵隊」という組織を結成していた。そして閻魔大王を頂点とする地獄の体制に反旗を翻すべく立ち上がったのだ。


◆ 天界の大混乱

鬼兵隊の蜂起により、地獄では内乱が勃発。閻魔大王は天界に助けを求めるが、神々はまたしても大爆笑していた。

「攘夷運動だってさ!地獄で維新か!」

「いやいや、あれ松陰のせいだろ!」

しかし、地獄の混乱が天界にまで及ぶと分かると、さすがに神々も真顔になった。

「どうする?このままでは天界と地獄の全面衝突になりかねんぞ!」

こうして天界と地獄が危機的状況に陥ったのである。果たして解決策はあるのだろうか・・・

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