第一章 第二話 神様...バフではなく、デバフが付いてます。
池の近くで俺は、白くて可愛らしい小さなドラゴンと話していた。このドラゴンは、バハムだ。契約したらなぜか小さくなった。聞くと前の契約者であるジェクトとの約束らしい。その姿を人に見せるなと。神獣と契約してる身、面倒事は避けられない。なるべく減らしたい。今ではバハム自身も同じ気持ちらしい。
え、てか面倒事とは?気軽に契約を持ち込んだが、何も考えていなかった。帰る為の手段の1つとしか考えていなかった。それより、不思議な感じがする。体の中を何かが流れているようだ。少しムズムズする。なんだこれ。
「なぁ、バハム。お前と契約してから体が変なんだよな。なんかこう、血の流れを感じるような。」
「それは魔素だ。今まで何も感じなかったのか?」
この世界には、魔素というものが、浮遊しているらしい。体内へと入り、身体中を循環していく。酸素みたいなものだ。しかし、転生してから1度も感じていなかった。契約後に急に感じるように...なぜだろう。
「ふむ。我にもわからぬことがまだ多いのだろう。...いや、まさかな。 ショウ。魔法を使ってみろ。」
「よし、 俺を元の世界に帰せ!」
まぁ、帰れるわけもなく、変な空気が流れてしまった。別にボケたわけではなく、ただこれで帰れたらハッピーエンドだった、て話だ。外見違うけども。
「はぁ...まぁ、真似してみろ。「青。」」
青と言葉を発した瞬間、どこからか水が1箇所に集まり、ボールとなった。青は、水の魔素を魔法として使う詠唱の1つだ。詠唱の長さによって威力や形が変わるが、詠唱する者の技量が高いほど、長さ関係なく、強い魔法が放てる。
俺も「青」と唱えてみた。しかし、何も起きない。
「出ないぞ?水玉。」
「しっかりやれ。魔素を感じろ。お前の体中を巡っている魔素を。そして創造するのだ。」
今度こそいけると思った。魔素は...感じている。
創造しろ。創造だ。創造!
「青!」
...しかし、何も起こらなかった。
「ダメだぁ。水玉出てこないぞ。」
「まったく、センスの無いやつだ。幼き者でもこれくらいできるというのに...」
「うるさいわ!転生者なんですよ! 魔法とか俺のいた世界になかったし!」
「ほぅ、ジェクトは使えたぞ?それもすべての属性をな。これからの旅路、幾度もお前に試練が訪れるだろう。魔法が使えなければ、元いた世界に帰ること。それどころか、探すことすら不可能だ。いいか?できるまで旅はお預けだ。」
「知らない男と比較するのやめろよ。はぁ...かってにしろ。俺は、魔法が使えなくても帰る方法を探す。ん?」
立ち去ろうとした時、目の前に白い玉があった。なんだこれ。光では無い。メラメラと燃えている。それに熱い。白い...炎?
「出来たではないか。白、とな。」
「え、かってに白?詠唱、てこんなんでいいの?」
「細かいことは気にするな。おかげで分かったことがある。 お前は、魔法が使えない。詳しくは、我の与えた加護無しでは、何もできない。」
「え?ガチで?」
「ガチで。」
俺、バハムと出会ってなかったら詰んでたやつだ。
おい神様!バフじゃなくてデバフが付いてます!




