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ナイト・オブ・スレイヤー  作者: 猫ハーフ
第1章 出会いの始まり編
6/7

救出

 フィンは死の間際の衛兵からフェイスがあの男に連れ去られたことを知り急いで救出に向かう。


「よかった。まだ、フェイスの匂いが残ってる」


 フィンは特殊能力を持っており、数時間程度なら残った匂いを嗅ぎ分けることができる。


 ーまだ、そんなに遠くに行ってないようだ


 フィンはまだ追いつける距離を知り少し安堵する。だが、その近くにはあの男がいることを考え直しすぐに気を引き締め直した。


 匂いをたどり続け、気づいた頃には辺りはすっかり暗く街から離れた森に入り、生い茂った小道を通り抜け、途中森の生き物であろう魔物と遭遇したが軽く攻撃を躱しながら突き進んでいた。


 ーやっと追いついた…ここか。あいつがいるのは


 はぁはぁ…っと肩で息をしながらフィンは目の前にある物をゆっくりと見上げる。


 その前には洞窟なのか。城なのか。そこには大きな空洞に立派な鉄の門が通す物を拒むかのように立ち(そび)えていた。


 きっと中に入ったら何かが待ち構えている。そんな気配が外にだだ漏れている門を見たフィンはフェイスを奪還すべきことに力を入れ直し、その門を押す。


 門は古く錆びているのか金属が擦れるようなギギギっと音を立てゆっくりと開かれる。


 ー下手したらきっと生きて戻れないだろう。でも、なんとしてでも取り戻す。


 フィンはそう心に誓い門を完全に開いた。そしてそれと同時にここから生きて返さないと言わんばかりの敵の、魔物の殺気が風と共にヒシヒシっと全身が痺れるかのように伝わってくる。


 そして、フィンが数歩行くと後ろの門が誰かに閉められたかのように急にバタン!っと勢いよく閉められたのだった。


 ーーー


 現在フェイスは牢屋のような部屋で動けないよう両手両足を頑丈な手錠で締め上げられ、まるで眠っているかのように気を失っていた。


 そして、その部屋にはフェイスの他に人の気配があり笑い声が響いていた。あの男だ。


 男は隠しモニターのような物からフィンが中に入っていく様子を監視していた。


「クックック…来ましたねぇ。待っていましたよ。ようやく交えられるこの喜び!実に嬉々!ですが、準備運動もしないでこの私と交えるなんて癪に触りますねぇ。折角ですし肩慣らしとしてこいつらに行かせましょうか。さぁ行ってらしゃいな。精々この私を楽しめなさい!」


 男は嬉しそうにモニターに映るフィン目掛け杖で指し示し、後ろでグルグルっと音を立てる魔物に指示を出すのだった。


 ーーー


 中に入ってから少し経った頃フィンはあることに気づく。


 ーここは、亜空間か


 亜空間。それは魔王軍のみが使用を許される物理法則が全く通じない禁忌魔法。そして、その空間は使用者ごとの意思により異なる空間を生み出されるという。


 それが、今回の場合いかにも魔王城っと言った雰囲気で所々に銅像があり、あの男が魔獣を従えている様子の銅像や、様々なポーズをとっている男の銅像が並んでいた。


 ー魔物を連れている時点で薄々勘付いていたがやはりあの男は魔王軍の幹部級の者なのだろう。それにしてもこの銅像といい、この空間といいかなり気色悪いな


 自己主張高めの空間にフィンはあの男の趣味の悪さをヒシヒシと感じていた。その気色悪さに引きながらも前に進んでいくと、大きな広間にたどり着いた。


 その瞬間魔物の唸る怒号が響き渡る。


「ブワオーーーーン!」


 っと前方からゴリラのような以上に発達した腕の上半身に、ライオンの下半身のキメラのような巨大な魔物が立ち塞がっていた。


「ゴリオンか」


 普段は怒らせなければ人に害を与えない魔物なのだが、街に現れた魔物のように首輪が嵌められていた。


 恐らくあの首輪が原因なのだろう。


「あれを壊せば落ち着くか」


 そう考えたフィンはフードの懐から隠し持っていた愛用の双剣を取り出し構える。


 それと同時にゴリオンがフィンに向かって走り出し、そのスピードは図体のデカさの割には物凄いスピードで迫ってくる。


 一瞬のうちに間を埋められデカい腕を振り下ろしてくる。フィンは瞬足魔法でその攻撃を避けるが辺り全体にバリバリと震動が伝わった。


 ークソ。これは思ってた以上にヤバいかもな


 あの首輪の影響のせいなのだろうか。ただでさえ通常のゴリオンが危険度マックスレベルだというのに、それより数倍パワーが膨れ上がっている。


 次から次へと攻撃が繰り返される中それを必死をに避け、隙を見つけては首輪目掛けて攻撃するのだが、それを上回るスピードにより弾き返される。


 カキンカキンっと金属が弾かれる音が広間に響き渡る。フィンとゴリオンの攻防が一進一退繰り返される中、これだと埒が開かないとフィンは攻撃魔法バフをかけ首輪目掛けて渾身の一撃を繰り出す。


「瞬足の一突き(フラッシュストライク)!!」


 瞬足魔法と攻撃魔法の融合技。一瞬で相手の隙に攻め込みそのスピードを生かして強力な一突きを叩き込む。


 それは、どんな固いものでも粉々になるはずなのだが、それはびくともしなかった。いや、正直なところビキッとヒビが入ったのだが、有効な一撃とはならなかったのである。


 なんともないようにゴリオンは、強力な技を放った反動で動けないでいるフィンに隙をつくかのように殴りつける。


 殴られたフィンは大きく吹き飛び壁に叩きつけられ「ぐはっ!!」っと血反吐を吐いた。


 なんという重たい一撃だろうか。恐らく今ので何本か骨が折れただろう。あんなの何発もくらったら確実に生きられない。そんな命の危機を悟ったフィンは


「久々に面白くなってきた」


 っと絶望するどころか口元を拭ってニヤリと笑いながら体勢を立て直すのだった。

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