白雪舞う聖夜の決闘 1
ナレーター(以降、「>」と表す): 前回、飛ばした割にいつもの分量だったので、今回もツカミの小話なしで行きましょう。
>というわけで、喫茶店の中からスタートです。どういうお店かと言いますと、シアトル系と言われるアレですね。喫茶店と言えば、枚鴨駅前レインボー商店街の暴れ馬事件で被害にあった店もそうでしたね? ……良く思い出せない方は、ノーパン刑事が狙われ状態だったのを切る為に、入ってヌルっと二階から出てきた場所と言えば思い出せますか? どうしても思い出せないなら、またリプレイ再生をしていただいても構いませんが、はっきり言って見直すほど関係があるわけではありません。伝えたかったのは、「今回のお店は、あの時の系列とは別のお店です」という内容ですので。もちろん、音声多重総天然色3D脳内構築活劇なので、「俺の中では同一系列店だぜ!」としていただいても結構です!
>……「あれ? 今回は『音声多重以下略』しなかったな」という声がやはりありますね。たまには言っておかないと忘れてしまいますからでした。実際「3D、どこに入るんだっけ?」と思いました。やっぱり復習は大切ですね。
>さて、オシャレでこだわりのある、あの喫茶店に来ているのは……頭蓋骨博士! あ、今は隈取りをしていないので魚図博士としておきましょう。「隈取りって何だ?」と思ったお子様などは、「Webで検索!」してください。いつか外国人と触れ合った時に、日本文化について意外な質問が飛んできて困ることが起きるかもしれませんからね。予習しておきましょう。
>脱線ついでに、もう一つ言っておくと、「魚図博士」で皆さん、白髪白衣のお爺さんを思い浮かべていると思いますが、実は理香珈さんも魚図姓で博士号を持っていますので、「魚図博士」呼称で間違ってないんですよ。ややこしいので、こちらから混同させるつもりはありませんが、登場人物の会話として「魚図博士」と理香珈さんへ話しかけられるのは、阻止できませんのでご了承ください。ただ、もしそんな時があっても、はっきり「今のは理香珈さんの事です」とお伝えするつもりではあります。そもそもそんなシーンを設けなきゃいいじゃん、という意見はごもっともなのですが、最勝寺先生ですからねぇ。期待しちゃダメですよ。
>しかし、あのお店で魚図博士はきちんとオーダーできたのか、気になりますね? 実は常連客だった、という展開はありえそうですが、魚図博士は「コーヒーなんてどれも大して変わりはない」という発想の人なので、常連客ではありません。だからほとんど初体験です。
>五十過ぎても初体験はやって来るのです。……ええ、魚図博士はまだ六十にはなっていませんよ。老けて見えますか? やっぱり髪が白いと老けてみられやすいんでしょうね。
>魚図博士をサポートしたのは……残念! 多くの方が予想された理香珈さんではありません。いかにもダブル魚図博士になりそうでしたが、一緒にいるのは眼鏡キラリン秘書添谷くん! ……あ、意外にも女性ファンからの喜びの声が届きました。ああいう、「真面目に見えてどこか抜けているキャラ」って需要があるようですね。あ、ただそれだけではダメなようで、若くて……イケてなくてはダメだ、とのこと。ちょっと声を集約するのに手間取ったのは「カワイイ派」と「カッコイイ派」に分かれていたからです。
>どちらにせよ、みなさん、公には「差別はいけない」と言っておきながら、心の声は「外見偏重バッチリ」ですね。いや、いいんですよ。嗜好に従って好きに上塗りできるのが、音声多重(やっぱり略)活劇の売りですからね。
>ですから、アニメ化や実写化の折、「原作では容姿は並のはずなのに」あるいは「ポッチャリ体型と書いていたのに」→『どうしてこのスリムビューティーなんだよ』という事例が起きても問題ありません。それが監督の解釈だった、ということですから。まあ、実際は、人を揃えるまでプロデューサー側の役目なのですが。芸能事務所の都合で看板女優がゴリッと配されるのもまあ仕方ないのです。そういう業界なのですから。
>おっと、ここで最勝寺先生メモが出現しました。「添谷くん、前回の登場時に『語句解説』コーナーで登場させるのを忘れていました」だそうです。私たちには関係なかったですね。続けましょう。
>格闘技解説ではあることないことを口走り、とにかく信用できない添谷さんですが、秘書としては優秀です。ですから、初めてあの店に訪れてどうすればいいのかわからない魚図博士を放置せず、事前に、並びながらシステムについてざっと解説しました。急な情報流入にアワアワしている魚図博士――頭の回転は早い方なのですがやはり年のせいか、新しいシステムに即時適応とはいきません。――の要望を聞き出し、適したオーダーを決定させます。そして、先に自分がオーダーして例を示した後、魚図博士自身にもオーダーさせて成功体験も重ねさせる、という気遣い。添谷さんへの「こいつ、デキる!」という評価は、密かに後ろに並んでいる人からも得ていました。もう、決まったオーダーしかしていなかったその人は「あ、それってそういう意味だったのか」と再認識させられ、「だったら次はそれにしてみるか」と冒険心をかきたてさせたのです。しかし、店の人にとって添谷情報は、「あれは一般的に、コストの割に値段を乗せやすい」などと内側の情報が豆知識として散りばめられており、それが外れてもいなかったので、「ちょっと止めて」という文句を心の中で呟いていました。
>そして、二人の男が座った席は店の外。東京でも屈指のオシャレ通りなので、店によっては「イケてない客は店の奥へ案内して、通行人に見えないように、という工夫がされるのですが、そうしたいのは山々だけどチェーン店だからここだけ案内制にすると、混乱が生じ、なによりクレームが発生するため、仕方なく客に座席を選ばせていました。
>客が席を選べるシステムだと、オーダーするために並ぶ前の席確保がありかなしか、で揉めることがあります。「おい、俺が並んでいる間に後から来た奴が席を取っちまったじゃねえか」というクレーム発生ですね。満席になるのが半ば前提の問題なので、人気店のみの悩みです。これは、席確保あり、が多数派のようです。事前の席確保なしのルール場合でも、連れが席を確保して、オーダーを受け持つ人と分かれてしまえば、事前席確保になりますからね。それを阻止するには、店が座る席を決めるシステムにするしかありません。それはそれで店からすると手間ですね。
>というわけで、オーダー前の席確保は多くの店で認められているのですが、人を配せず、荷物だけを置いてオーダー列に並ぶ場合もよく見られます。治安の悪い場所じゃその荷物を盗られかねない行為ですね。オーダー前の席確保が通用するのは、治安ゲージが高い場所でこそ通用するのでした。
>治安の良い国で良かったですね。……えー、半裸の男が徘徊する枚鴨市の治安が良いのかどうかは解釈の分かれるところであります。
>まあ、それはそれとして、あの店にとっては、添谷さんは良いとしても、魚図博士は「景観が悪化するから店の前に居るのは止めて」と思われる側の人なのですが、止められません。ここは客が席を決めるルールだからです。しかし店としては、寒い中、外で座りたい客は少数なので、座席の有効利用できたからラッキーかな、という側面もあった。差し引きゼロ……かどうかはわからないが、大きくマイナスではなかった。
>なお、魚図博士の服装はやっぱり白衣――と思っていた方も多かったかもしれないが、さすがに冬の最中にそれは寒いから白いトレンチコート姿だった。「いや、コートの下は白衣だろう」としつこく食い下がる声も聞こえますが、違います。だって、自分でそんな格好しようとしても着にくいですよね? 魚図博士は服装にこだわらない人ですが、さすがに不自然な格好は試みている途中に気づきます。……あ、今探ってみたら、近くのコンビニへ行く時に、コートON白衣は何度もした経験があったようです。どうも考え事をしながら出たら、うっかり着用していたようですね。白衣着用について、コンビニで「あ!」と気付くこともあれば、研究室へ戻ってコートを脱いだ後「あ!」と気付く時もありました。しかし、どちらも「まあ、いいか」で終わり、恥ずかしく思わなかったようです。だから反省に至らず繰り返しちゃうんでしょうね。
>恥ずかしい、という感情は向上に繋がる素晴らしい感情なんです。聞いていますか? 最勝寺先生!
>と、呼びかけたせいか、またも最勝寺先生メモ出現! 言い訳でも書いているんでしょうか? 「白衣は英語ではWhite Coatと書くんだよ」ですか? ……ん? そういえば、魚図博士のトレンチコートは白ですね。つまり、英語表現を経て戻ってくると白衣着用と一緒です! ……えーと、一応乗ってみましたが、英語を介する理由がないので、当方としては無効です。ちなみに、添谷さんはグレーのダウンジャケット。首元からは、青と緑の二色マフラーが見えます。暖かそうです。
添谷(以降、「添」と表す。): 次の刺客か決まりました。
>今回の初セリフからいきなり話を進めてくれました。さすが仕事ができる男ですね。対する魚図博士は大きめの紙コップへハフハフ息を吹きかけています。
>添谷さんが注文時に「外、使っていいですか?」と聞いたので、お店の人は通常より熱めにコーヒーを作ってくれていた。しかし、その気遣いは猫舌の気がある魚図博士には少し辛いようだ。
魚図博士(いつもの「頭」でもいいですが、この場で隈取りをしないでしょうから、以降、「魚」と表す。): 刺客!? もう決まったのか? さすが、貝積の寄越した専門家。仕事が早いな。
添: はい。『早い、安い、上手い』がオルヒトの……
>乗ろうと思ったが、やはり無理があると思って添谷さんが言葉を止める。そして、コーヒーを一口。今回は眼鏡キラリンの代わりに湯気で眼鏡が曇っているぞ。しかし、多くの眼鏡ユーザーと同じく、冬の眼鏡曇りなんぞにいちいち動揺はしない。添谷さんはおそらく見えていないはずだが、黒い手提げカバンから器用にファイルを取り出した。あからさまに「部外秘」と掛かれたそれを、魚図博士へと渡す。受け取った魚図博士は懐から何かを……どうやら歪なほど装飾された片眼鏡のよう――え、今時、片眼鏡ですか? あ、愛用している方には失礼でしたね。お詫びして訂正します。……と、よく聞く決まり文句ですが、「じゃあ、どの部分をどう訂正したんだよ」まで言ってくれない場合も多いですね? ですからここでは……よく考えたら今回の場合、訂正ではなくて、「発言を取り下げます」の方が正しかったですね。お詫びして訂正します。……今のは先に言った「訂正します」を「発言を取り下げます」に訂正した、という意味ですからね。ややこしかったですか? ……はい、わざとややこしくしました。すみません。
>えーと、話を戻して……魚図博士が片眼鏡を付けて、ファイルの表紙をめくると、意外にも大きい文字で書かれていた。さすが添谷さん、読者の視点に立った配慮ですね。視聴者を置き去りにしがちな、どこかのナントカ先生とは大違いです。魚図博士はすぐに眼鏡は必要ないと判断し、再び片眼鏡を懐にしまう。
魚: 下柳光円……坊主の息子のような名前だが、元ボクサーか。
>一頁目に書かれていたのは、対象となる者のプロフィールだった。グローブを構えた若者の写真も載っている。
魚: しかし、ボクサーならリングネームは何かね? 何かこう……例えば、リサーチャー竹田、のように――
添: いや、カタカナ混じりのリングネームって、昭和の発想ですよ、博士。それにリサーチャーって、研究者でしょう! ボクサーじゃおかしいです。
>親しくないかなり年上の方にはツッコミにくいものだが、いつも相手をしているのが貝積社長なだけあって、添谷さんのツッコミには遠慮がない。
魚: では、ブラザーではどうだ? ブラザー竹田!
>カタカナ+名字は古い、と指摘されていたのに、そこは変えずに重ねてくる魚図博士。年を取るとなかなか染み付いた思い込みは洗い落とせないものなのです。
添: ブラザーは……ちょっと対象が広すぎて、否定こそできませんが、ボクサー向きではないですね。
>添谷さん、眼鏡を曇らせたまま眉をしかめる。拭いてもすぐ曇るから、と放置する方はいますが、対する方としてはやはり目が見えないのは気になりますね。……いや、この人の場合は目が見えない事が多いから一緒か。
魚: では……
>考えてから、先にプッと吹き出してしまう魚図博士。これはお笑いでは「やってはいけない行為」として知られています。ネタを言う前に自分で笑うと、客に引かれてしまいかねないからですね。
魚: ブラザーがダメなら、ブラジャーではどうだ? ウヒヒヒヒ……
>言い終えた後も気味悪い笑い声をあげる魚図博士に対して、やっぱり添谷さんは笑っていません。むしろ態度が硬化した雰囲気です。添谷さんは、空いた席に置いた鞄を寄せて、そこから眼鏡ケースを出すと、眼鏡を外してテーブルに置く。そして、視線を落としたまま、眼鏡ケースから取り出したクロスでようやく眼鏡を拭く。
添: 服飾業界の端くれとして、それはちっとも笑えませんね。
>声も冷ややかだ。珍しく怒っているようだ。
魚: おぉ、それは悪かった。
>魚図博士があっさりと詫びた。確かに、先ほどの発言にはブラジャーに対する敬意はなかった。が、今、こうして言ってみて、果たして魚図博士はそこまで考えずに、なんとなく謝った気もします。
魚: しかし、あの貝積も今やブラジャーを作る側か……
>突然、感慨深く空を見上げる魚図博士。その声に、添谷さんが驚いたように顔を上げた。
>お、いつもより目が大きいですね。どうやら眼鏡の度は強いようです。おかげで、眼鏡を外した方がカッコイい、と言われるキャラになりますね。とはいえ、漫画やアニメのように、「眼鏡を外せば別人!」とまでは変わりませんが。……いや、ゴツゴウ・ユニバースじゃ別人レベルなのかもしれないですね。
添: あれ? 社長、下着嫌いだと思っていましたが、ブラジャーは大丈夫、というかむしろ好きだったんですか?
>身近な者だからこそ気付く、細かな特徴のギャップに驚く添谷さんですが、正直なところ私たちにはどうでもよい細か過ぎる特徴です。
魚: え? ……そう言えば、貝積ではなかったような……
>って、違うのかよっ! と添谷さんも……いや、こちらはツッコミを入れられる状態じゃないほど、呆れているようです。
魚: であれば、ブラジャーは竹田だっかな?
>って、えらく竹田押しだな! ……世の中の竹田さん、とりあえず謝っておきます。
添: ……で、下柳光円ですが、現役時代は「見切りの天才」と呼ばれるボクサーでした。
>眼鏡をかけ直し、あっさりと話を戻してくれる添谷さん! ありがとうございます!! もしかして、『パンツイッチョマン弐』で最も必要な人材じゃないでしょうか!?
添: 元々ボクシングという競技は見切りの得意でないと生き残れない世界ですが、その中でもずば抜けた能力の高さを誇っていました。大学時代の試合では、相手のパンチが一発も掠らなかった、という逸話が残っているくらいです。そうして付いた異名が『柳の下の幽霊』。それほど捕らえ所のない存在だと恐れられたのです。
>……脱線を戻してくれるのはいいですが、蘊蓄が長いのが問題ですね。……あれ、「おまゆう」という声が聞こえた気が……。
魚: なるほど。そやつにワシの『カヤックⅡ』を加えると、鬼に金棒、虎に翼――
添: ――はい。暖簾腕押し――
魚: ――いや、それは違うだろう。
添: それほど、捕らえ所のない存在なのです!
魚: なるほど。……いや、やっぱりことわざの意味とは違うぞ――
>流されかけた魚図博士だが、すぐに的確な指摘を加える。
添: ――しかし! 下柳光円はチャンピオンに成れませんでした。
>強引な脱線戻しでごまかした! ええ。皆さんの予想されているとおり、眼鏡キラリン状態です。
魚: そう言えば……ほれ、これじゃな。プロ戦績は三戦二勝一敗。ボクシングはよく知らないが、大したこと、ないんじゃないのか?
>魚図博士が、渡された資料の該当箇所を指差す。
添:仰るとおり。チャンプは多くの場合、その時代ではずば抜けていますので、十戦を超える連勝なんてのはザラにいます。そこに至らなかった下柳光円は所詮二流三流のボクサーだと言われても仕方ありません。ですが、戦士の強さは実績ではありません。ある瞬間、強いかどうかなのですよ。実績は「強かった」だけで、今もそうかという証明には成りません。
>熱く語り出した添谷さんに対して、魚図博士は少し迷惑そうな顔をしたが、興奮している人が得てしてそうであるように、添谷さんも魚図博士のそういう態度は目に入っていないか、目に入っても無視しているようだ。
添: 見切りに関しては天才的な能力を持つ下柳には、幾つか弱点がありました。一つ目は、多くのチャンプが持つような強いパンチがなかった事。しかし、ここは未だ成長する余地がありました。もちろん素質が輝いていない時点で超一流のパンチャーには成れませんが、下柳には代わりに卓越した精密さがありました。これは、ヘッドギアをしているのでKOになりにくいはずのアマチュア時代に多くのKOを出していた事からも証明されています。ガードの、ヘッドギアの合間を鋭く打ち込むのです。
魚: ほお。
>魚図博士の相づちはもう興味を無くし掛けているようだが、添谷さんの語りは暑苦しく続く。
添: 次にスタミナ。プロになって、ラウンド数は延びますが、下柳はそれに対応し切れませんでした。勝った二戦は早くに決着できたから、本人も「早く決めればスタミナなんかいらねえ」と考えていた可能性があります。しかし、三戦目にぶち当たったのが、あの蟹沢紫吹!
>反応を窺うように言葉を止めて、魚図博士を見る添谷さんに、魚図博士は首を左右に振りながら正直に答える。
魚: いや、知らんが。
添: そう。後に『タンク』と称されるほどに頑丈で根性のあるファイターですね!
>やっぱり、この状態の添谷さんは相手の言葉が届いていないみたいですね。
添: 最終的にはランカーになり、あの砂時瞬矢を苦しめた蟹沢に負けたのですから、まあ仕方がないとも考えられるのですが、当時の蟹沢は無名に近く、そんな相手に敗れたなら才能がない、と下柳は引退してしまいます。そう、三つ目の弱点は心。根性や情熱が欠けていたのです。
魚: ふむ。腕力や持久力は『カヤックⅡ』で補えるが、心の強化は難しいな。『初代カヤック』で、いっそ心理を丸ごと飛ばしてみるか?
>興味なさそうにしていた魚図博士が、意外にも、添谷さんの暴走だと思われた独白に、建設的な意見を加えた。
添: いえ、下柳光円の見切りは、高度な駆け引きと技術。岸九浪の時のように闘争本能だけでは発揮されないでしょう。
魚: となると、『カヤックⅡ』か。しかし、心理面の強化はできないという課題は依然残ったまま、か。
添: いえ、自信です。自身の全盛期を超える力があると自覚さえできれば、再び闘志を燃え上がらせるはず。戦士の魂に火を点けるその役目、私にお任せください!
>ニヤリと笑うと眼鏡キラリンさせる添谷さん。あれ? この演出、イケてないぶりを示していたはずなのに、今回はちょっとイケてる感じになっちゃいましたね。
添: ただ、現在、下柳がどこにいるかは、わかっていません。
魚: うむ。そこは、多少アテがある。アテ森という者に聞いてみよう。
添: 信用できる相手なのですか?
魚: 信用できるかどうかはわからん。故に、信用すべきではないが、利用はできる。
>魚図博士が涼しい顔でサラリとちょっと怖いことを言った。この発言、公的にしていたら確実に炎上していましたね。
添: 拉致はまたそちらでお願いします。
>添谷さんも平然と怖いことを言った。もしかすると、貝積社長の下で度々怖い工作をしていたのかもしれませんね。
魚: またリカに頼むか……うーむ、頻度が高いから、また東京に来れないかもしれんな。そうなっても、ワシ自らカヤックⅡを使えば何とかなるか。うむ、それは此方で受けよう。
添: しかし、相手はあのパンツイッチョマン。ヨーデル格闘術の使い手アナベル切山を破り、剛力力士岸九浪をも倒した超人。覚醒ボクサーと化した下柳の処理能力を超えてくる可能性は否定できません。
魚: 確かに。いかに見切れるからとはいえ、例えば飛んでくる銃弾を回避する反応速度は得られぬであろうからな。
>え? ……そういえば、そうですね。ノーパン刑事なら簡単に銃弾を避けてしまうでしょうから、「そういうものなんだ」と普通に感じていましたが、改めて考えるとあの人、すごい能力者だったんですね。しかし、ノーパン刑事でも飛んでくる銃弾より早く動くことはできません。彼は撃たれる前から弾道を予測できるからこそ、安全な立ち位置がわかっているんですね。
添: はい。ですから、今度はパンツイッチョマンの能力を下げる工作も加えようかと。
魚: パンツイッチョマンの弱体化だと!? ……それはもしやパンツを剥ぐのではないか? いや、そうなると、それがそもそもの目的だから本末転倒になるな。
添: ふふ。そうではありません。私は前回の岸九浪との取り組みを見て、パンツイッチョマンの弱点に気付いてしまったのです!
魚: なんだと! さ、さすが、貝積が見込んだ専門家! して、その弱点とは?
添: はい。パンツイッチョマンの弱点は……寒さです!!
>知ってます!!
♯ ドーーン!!
>あまりの衝撃にスタッフが暗転処理をしてしまいました。でも、ここで切っておかないと、こっちじゃ分かり切っている事をドヤ顔で話されるのでしょうから、好判断でした。……添谷さんのファンからは「そういう顔も見たい」という声も聞こえてきますが、ファンってそういうものですからね。誰もが自分の推しを出せと要求するもので、当然みんなの要求には応えられないので無視しましょう。
>しかし、最後のカットは、添谷さんの眼鏡キラリンの新バージョンと言っても良い、「眼鏡の奥の瞳キラリン」でしたね。これなら、ファンも納得でしょう。
>では、また来週~。




