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異世界留学生  作者: 曇天
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コレッド王国

 国境を超えてコレッド王国へと馬車を借り入った。 

 きれいな草原が広がり牧歌的な風景だった。

 

「ここはどんな国なんだリビィ、フェルス。

 調べたけど特に特徴的な国でもなかったから、せいぜいポーションに使う薬草の名産地だとしかわからなかったんだけど」


「うん、ボクも入ったことはないから......

 世界一大きな湿地帯、ベルナラ湿地があるぐらい。

 まあ、農業主体の田舎かな」


「オレも伝え聞くには、人間ヒューマンとそれほど変わらんらしいな」


 フェリスがいった。


「人種、文化的にはどうなんだ?」


「うーん、ザインのように明るいのは珍しいってザイン本人がいってたかな。

 どっちかといえば部族的な面があるかも」


「だな。

 とはいえ、オレたちエルフほど保守的でもなく多種族の文化も受け入れるぐらいには寛容だ」


「取りあえず、ザインに会わないと、どこにいけば会えるかな」


「確か、王国北にあるベルナラ湿地帯の近くに住んでるっていってたけど」


 オレ近くの町に一度止まった。

 情報を集めるためだ。

 町外はリザードマンが多いが、ホビットも人間ヒューマンも多くいてそれほど人間ヒューマンの町と変わらなかった。

 人々も焦ってる感じはなかった。


「攻めてくる噂って本当か。

 町もそんな感じでもないけど」


「それを調べるにもギルドにいこう」


 フェルスがオレにいう。


「ここにもギルドがあるんだ」 


「うん、加盟してる国にはあるよ。

 ボクの国にもあるしね」


 オレたちはギルドに向かう。

 大きな看板を掲げてギルドがあった。

 中にはいると、大勢の冒険者がいる。


「かなり冒険者が多いな」


「さっきも話してたが、この国の薬草は高く売れるからな。

 採取の依頼が多いんだ

 ただそれにしても多いな......」

 

「フェルス!」


 フェルスを呼ぶ若い男が近づいてきた。

 背中に槍を背負っている。


「カーブか、どうしてこのギルドに」


「ああ、なんか王国が冒険者を雇っているんだ。

 もしかしたら戦争があるかもしれん」


「戦争が......」


「こいつらは?」


「ああ、オレの友達だ」


「お前の友達......

 まさかバジリスクをやったあの!!」


 フェルスにガーブと呼ばれた男は驚いている。


「そうか、あんたらが噂のルーキーたちか。

 俺はガーブよろしくな」


「ガーブさん。

 それで戦争って」


「まだ確定じゃないが、オークたちが何やら集まっているらしいんだ。

 それでこの国で冒険者たちが集められてるっていわれてな。

 オレたちもきたわけだ」


「やっぱり、ザインはこの戦争に参加するためにきたのかな?」


 リビィがそういう。

 

「多分な......

 早く会いに行かないと」


 オレたちはすぐ町をでてギルドで聞いた北の町ビルサリムに向かった。

 周りが田園から湿地帯に変わる。

 北の町ビルサリムに着いたのは夕方だった。

 

「この町で今日は泊まりだ。

 明日先に行こう」


「わかったフェルス」


「うん。

 じゃあ宿屋かな」


「待った。 

 先にザインがいる場所を探すために、情報を得よう」


「というと、食堂か、飲み屋だな。

 お前たちは食堂にいってくれ、オレは飲み屋を探す。

 宿屋で待ち合わせよう」

 

 そういってフェルスは飲み屋を探しに向かった。


「オレたちは食堂を探そう」


「うん、ちょうどお腹も減ってるしね」


 周囲を歩くと、食堂を見つけた。

 中にはいると鎧をきたリザードマンが多くいた。

 

「おや、人間ヒューマンと、ホビットかい珍しいね」


 そういって恰幅のよいリザードマンのおばさんが話しかけてきた。


「そうなんですか」


「ああ、国境近くならまあ多種族も多いけど、ここら奥地はあまりこないね。

 なにかようなのかい。

 観光客って感じじゃないね。

 まさか冒険者かい?」


「ええ。 あるリザードマンを探していて」  


「おばちゃん。

 ザインってリザードマン知らない?」


 リビィがいうと首をふった。


「おばちゃんじゃなくておねえさんよ」


「おねーさん、ザインってリザードマン知らない?」


「ザイン? 

 ああカイグのザインかい。

 知ってるよこの近くでは有名だからね。

 あんたらザインを探してるのかい?」


「友達なんです。

 カイグって場所ですか」


「いいや。

 この先に住む国境近く警備を担当している部族さ。

 でもなんかピリピリしてんだよ。

 いつもならカイグの村人もこの町にくるんだけど最近こなくてね」


 おばさんは困ったような顔をしている。

 オレとリビィはうなづくと食事を取り宿に向かった。

 少したち宿にフェルスもくる。


「フェルス、ザインの居場所がわかった」


「そうか、こっちもどうやらオークが動いてることは確認した。

 まだ戦争にはなってないが、かなりきな臭いことになってるな」


「やはり......

 だけど魔王はいないんだよな。

 急にオークが戦争しようとしてるっておかしくないか」


「だな。

 魔王が復活したなんてことはないと思うが、確かに唐突すぎるな。

 何かあるのか......」


「まあ、とにかくザインにあって話を聞こうよ」


「そうだな」 



 オレたちは宿に泊まると、次の日食堂のおばさ......おねーさんに聞いた場所にいくことにした。



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