大魔王の召使い
基本的にゆるい話なので気楽に読んでください
魔王、それは魔王軍を統べる長にして人々から恐れられる存在、その中でも圧倒的な力を持つ魔王のことを皆は大魔王と称した
現在魔王軍を統べる魔王カルミラ様も大魔王と恐れられるほどの強大な力をを持つ魔王であるのですが
「魔王様、もう朝ですよ
起きてください」
「むにゃむにゃ
もうちょっとだけー」
「はぁー
ニチアサの魔法戦士メープルを見たいから早く起こ
してと言ったのは魔王様ですよね」
「んーー
は!そうだった、今何時?」
「9時10分です」
「うそーーー
もう始まってるじゃない
10分も見逃しちゃったーー
録画できてるわよね?」
「3日前にブルーレイレコーダーが壊れているから無理
です」
「そうだった、修理の約束をした電気屋さんのトムさ
んはいつ来るんだったけ?」
「明日の9時頃いらっしゃると」
「分かったわ
じゃあ私はオタク友達のパン屋のターニャちゃんの
ところ行ってくるから」
「魔王様、私も行きますからちょっとお待ちを」
そう、先代のお父上がお亡くなりになり、16歳にして魔王の座を継いだカルミラ様はなぜか最も近くにある人間の町「ドーラ」に降り立ち
「私に新品のテレビを売ってください!」
と言い放った
もちろん、最初は町の人間たちも魔王様をとても怖がっていたが、何度も通ううちに魔王様の裏表のない性格を気に入ってしまい今じゃ町のアイドルだ
「ターニャちゃーーーん
今日のメープル予約してある?」
「もちろん、召使いのマルセルさんに頼まれてたか
ら」
「え?そうなの?
もうマルセルは意地悪よね
それならそうと言ってくれればいいのに」
「申し訳ございません
魔王様に寝坊されては困るので」
「まぁいいわ
一緒に見ましょー、ターニャちゃん」
「うん!」
魔王様がここまでオタク生活を送っているのには理由がある
魔王様の前世はアニメもゲームも大好きな普通の女子高生で事故にあい異世界転生を経て魔王の娘として生まれた
私がその事実を知っていることを魔王様は気づいてらっしゃらない
「はぁー、すっかり話し込んじゃった
ん?なにぼーっとしてるのマルセル
帰るわよー」
「はいはい」
魔王様の召使いは大変だ
でも前世からの幼馴染として彼女のことは全力で支えると心に誓っている
「そうそう、ターニャちゃんの店で魔王軍の皆へお土
産買っといたから後で渡しに行くわよ」
いや、支えるというのは建前だ
好きだから、ずっとそばにいたい
読んでいただきありがとうございます
余裕があったら続きを書きます