見知らぬ草原にて
「……ここは?」
刺すような目の痛みで俺は意識から目覚めた。
映り込んできた景色は妙に高い空に、旋回するように飛んでいる鳥のシルエット。俺は不思議に思い首を振って周囲を確認すると、見慣れない草原が果てしなく広がっていた。
どうやら僕は大の字で寝転んでいるらしい。え、うつ伏せに倒れたはずでは?
(どこだ……ここ)
とりあえず起き上がってみるが、ここがどこかはわからない。少なくとも通学路ではないようだ。住んでいるところではこんな景色は見れないし、遠くに見える山脈は現実感が全くない。だって真っ赤だから、原色に近いレッドだから。
(そういえば……)
俺は思い出した、意識を失う前の不思議な現象を。
「あれはいったい……」
答えを探そうと頭を回転させてみるが、浮かぶ可能性は荒唐無稽なものばかり。頭を抱えるほど現実感がない。
そうだ、これはきっと夢に違いない。ならば--
「ス、ステータス……」
俺はあまりの醜態に両手で頭を抱え込んで発狂してしまう。
(全くどうかしてるぜ俺!!)
なんて間抜けなことをしているんだ俺は。いくら夢だからってそいつは無い、現実じゃないけどリアルを見ようぜ全く……ああ落ち着け落ち着け俺。俺は強くはないが強い子じゃないか、やればできる子頑張る子。
そんな苦悩から上昇した時、ふと視界に入った。妙なものが−−
「……こ、これは」
よく知っているが肉眼で初めて見た。ステータス画面だ、これって−−え?
「なんだこの数値……」
全部1桁でレベルは1。嘘、俺のステータス低すぎなんじゃ……
(いや待て待て、まだ低いかどうかは分からない絶望するにはまだ早い)
でもこれは低い気がする。だってこれもっと桁が表示できそうだもん、この空白地帯は絶対に千とか万とかまで対応してそうだもん−−って
(なにマジになってるんだ俺……)
あと何話かは連続投稿します。