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ダブル・デザイア 〜最強の力は神をも超える〜  作者: 真心の里
シン【異世界転移編】・レイド【復讐編】
3/70

プロローグ(シン編)

最も時間をかけて設定や話の流れを考えて描いた作品です。

わかりやすく伏線が張られていたりしますがあまり突っ込まないでいただきたい(笑)

このプロローグを見ずとも話はわかるようになっています。

ですが後々の伏線があったりするので見て頂けるとありがたいです。

「その話は本当なんだろうな」



 容姿の整った青年が神々しい雰囲気を醸し出す可憐な女性に脅すような声で確認をする。



「ええ、私たち女神は嘘をつきません」



 女神を自称するその女性は美しい笑顔と共にそう答える。



(チッ、こいつ俺の読心術が通じない、まず顔を見ているようで光で見えていない

 頭に顔の情報だけが流れ込んでくる感じで気味が悪い)



「あなた不思議ですね、思考が読めない、こんな存在は神以外じゃあなたが初めてです」


「それはありがとうな」



 青年は全く嬉しくなさそうにお礼をする。

 両者とも笑顔になってはいるものの明らかに目は笑っていなかった。



「まぁいい、それで条件だが、もう一度確認したい」


「わかりました、倉間(くらま) (まこと)さん、あなたは2105年4/25 14:54

 制御装置の暴走による爆発により死亡しました、しかし地球から火星への移住への大きな貢献、その際の革新的な無限エネルギーの開発、新原子の発見、遺伝子操作による新種植物、動物による食糧問題の解決、これらの多大なる功績からあなたの能力を高く評価しました。よって一度死んだあなたにもう一度チャンスを与えます。もうひとつの世界に生き、あるものを集めてもらいます」



 そう言って女性は掌から中心に模様がある光った球を出現させた。



「それは神玉、神の力が込められた物です。この神玉はその世界の中心にある巨大な惑星に散りばめられていれば、だれかが持っている可能性もあります。その場合は戦闘になるでしょう、しかし殺してしまっても問題ありません。魂さえ残っていれば私たちの力で生き返らせることができます。」


「俺に人を殺せというのか?」



 真はより目力を強くして女性を威圧する。

 女性は少しもおびえることなく話を進める。



「殺せとは言っていません。殺してもかまわないだけです。

 目的の為に人を殺せないほどあなたは馬鹿ではないでしょう?」


「チッ!」


「話は戻しますが、神玉は合計で100あります。あなたにはすべて集めてもらいたいのです。

 もし集めることができたのならばあなたを現世に生き返らせ、お礼として父親と母親二人とも生き返らせましょう」


「もう一回聞いてもいい条件だ。どちらにもメリットがあり交渉がしっかりと成り立っている

 しかし、足りないな、神玉とか言うふざけた代物がある世界だ、ファンタジーな力があるんだろ」


「そうですね、確かにあなたたちの世界では信じられていないような魔法等がある世界です。

 あなたたちの世界でいうラノベの世界にとても酷似しています。」



 そう言って女性は不思議な力で多くのラノベを空中に出現させる。



「それこそこのラノベのようにステータスというものも存在ます。ステータスは元々創造神おとうさま様が私たちにもどの生物がどれくらい強いのか分かりやすく表すために作ったもので、あなたの世界にはありませんが、あなたなら順応してくれるでしょう。」


「そのステータスってやつの読み方とかないのか? 俺や世界にないもので説明もないんじゃ理解するのに時間がかかる。そんな無駄なことはやりたくないんだ」


「簡単に説明すると…


HP:生命力を表す


MP:魔力量を表す


INT:魔法の攻撃力を表す


STR:一般的な力を表す


DEF:一般的な防御力を表す


DEX:器用さを表す


AGI:速さを表す


LUK:運を表す


MGA:魔法適性を表す


スキルの最高レベルは15。15になるとMAXと表示される。


ステータスの強さです

G-<G<G+<F-<F<F+<E-<E<E+<D-<D<D+<C-<C<C+<B-<B<B+<A-<A<A+<AA<AAA<S-<S<S+……


といった感じですね」



女性が横を指さすと突如として文字が出現する。

その様子に驚く素振りもせずにシンは説明を聞いた。



「いくつか確認したい。STRがAの生物とBの生物が単純な力比べをした時に必ずBの方が負けるのか?」


「そう言うことになりますね。しかし、技術などもありますからステータスに依存すると言うことの方が少ないです」


「わかった、二つ目、スキルってのはなんだ?」


「いわゆる技術や才能を可視化したものです。剣の修行に励むことによって【剣術】というスキルを手に入れることができます。これが技術です。また、修行に励まずとも生まれ持ったスキルも存在します。それが才能です」


「では【剣術Lv2】を努力で手に入れた人間と同じスキルを生まれ持った人間は同じ剣の技術を持つと言うことか?」


「いえ、【剣術】のように本来なら努力で手に入れるものは努力なしに技術を手に入れることはできません。少ない努力で同じ成果を得られるということです。だから言ったでしょう?才能だと」


「なるほどな…じゃあスキルとステータスはどっちが優先される?」


「というと?」


「【腕相撲必勝】というスキルがあった場合、ステータスで遥かに差があったとしてもスキル持ちが勝つのか?」


「必勝といった理を無視してしまう可能性があるようなスキルは存在しません。また、あったとしても力では負けますが必勝できるような腕相撲の技術を手に入れることができる。もしくはすでに持っている、感覚でわかるということです」


「なるほど、最後に一つ、異世界なのにアルファベットで書かれているんだな」


「元々アルファベットは神の間で使われていたものですからね、あなた方の世界で使われてる英語はそれの派生のようなものです」


「なら異世界は英語で会話してるってことか?」


「いえ、あなた方とは環境が全くと言っていいほど違いますから言語ももちろん違いますよ」



「それにそこまで細かい情報いらないでしょう?

何が目的かは知らないですけど、詮索はやめていただきたいですね」


「……ステータスというものがある以上、俺たちの世界よ戦闘が日常的に行われてる世界なんだろう? その世界に現代の中では格闘技に長けている俺とはいえ生き残れるわけがない。

 それ相応の力を渡してくれるんだろうな」


「無視ですか……まぁ、そうですね。このラノベのように最強…とはいきませんが神の力を授けましょう」


「神の力か、その口ぶりだと神の力を授かっても勝てないような化け物がいるってことか」


「授けるだけでは神の力には遠く及びません、使いこなす必要性があります。

 その使いこなしている人たちにはいくらあなたとは言え、すぐに勝つのは不可能でしょう」


「俺の眼を使ってもか?」


「そうですね、確かに役には立つかもしれませんが、圧倒的な力の前には

 小細工は通じないものだと知っているはずでしょう?」



 真は諦めたように溜息を吐いて再度女性の顔を見る。

 そして決心したような顔つきで話しかける。



「返事は決まったようですね」


「神なんてものは今でもにわかに信じがたいが、死ぬ瞬間の記憶は完璧に覚えている。その俺がここに存在している時点でお前は神なんだろう。未知の力で認識阻害もされてそうだしな。ここまでの証拠があるんじゃ、信じるしかない。お前の発言が嘘にしろ本当にしろ、俺が死んだことに変わりはない。なら可能性があるほうに賭けるのが合理的だ」


「では、異世界に行ってくれるのですね?」



 真は女性の言葉に頷いて応える。



「あなたはきっと異世界の情報がほしいでしょうが私は契約上何も伝えることはできません」


「了解した、だが一つ質問だ、答えられないのなら問題はない。俺以外に過去、異世界に渡った者はいるのか?」


「います、あなたが想像しているよりも多く世界を渡っています。しかし今回のように違う世界の神が干渉する例はとても少ないです。前に干渉した時は神の世界に連れて行き神話を作るように頼みました。あなたの世界にいくつか神話があったでしょう?

 神の力は信仰されている数だけ大きくなると考えていましたからね。ですが、現実世界と神のいる世界は異なります。進行で手に入れた力も世界を渡ると同時にその力のほとんどを使ってしまうようで意味がありませんでした。この話をしたのもあなたほど知的好奇心が旺盛なら神話の知識ぐらいはすべて頭に入っているでしょう。しかし妄想の部分があるため名前は同じでも異なる分野の神である可能性があります。

 なのであまりあなたの世界の神話にとらわれないようにしてください」


「神話を作った時代というとだいぶ前だな、了解だ、神に関わった世界移動はほぼないと考えていいんだな?」


「そうですね」


「一度死んだ身だが、転生という形になるのか?」


「いえ、あなたの場合はいち早く目的を達成してほしいため体を作りだし転移という形でいきます」


「よかった、俺もいちいち赤ん坊からやりたくないからな」


「もう質問はありませんね」



 真は女性の質問に頷いて答える。



「では、あなたに創造神(おとうさま)のご加護がありますように…」



 女性が手を組んで拝むようにする。

 真の下に魔法陣が浮かび上がり光が真の身を包む。

 光が消えるとそこにはすでに真の姿はなかった。



「…っはぁ…はぁ…まったくあんな存在が魔法すらない世界から自然に生まれるなんて

 神である私の読心術が通じないうえに、こちらの思考まで読むような雰囲気まであった

 …ただでさえ吐き気が出るような下等な存在、いくら計画のためとはいえ気分を害しますね」



 女性は真がいなくなると同時に手をつき荒い息づかいと共に吐き気をもよおしていた。



「ここまで苦労したんです。必ず神玉を集めてもらいますよ、倉間 真さん…いえ、シンさん」



 女性はそう言い残してその場所から忽然と姿を消した。

見て頂きありがとうございます。

誤字や意見など頂けるとありがたいです。

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