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2話 魔法の秘密?

 魔法が使えない少年ロンドは日本から転生した。

 そんな彼にはある特殊な力が宿っていた。

 それにより魔法には弱点がある事を知るのだった。

 俺はその後、部屋の中で一人で考え事をしていた。

 父親の魔法は確かにすごかった。

 だが、それよりも気になるのは……。


「フレイムボルト」


 その魔法の弱点だ。

 いや、正しくは弱点と言うより効果が表れる瞬間。


「物との接触……それを条件に魔法が効果を表す」


 何故俺がそんな事を口に出したのか、それは先程の事だ。

 フレイムボルトを見て、俺はどうやって魔法を使うのかが気になった。

 この世界の人間は4種族居て、それぞれが得意な属性がある。

 俺が属するのはヒューマン、火を得意とする種族だ。

 だが、魔法が使えない。

 だからこそ、俺はそれを見つめていた。

 すると――。


「…………」


 魔法をじっと見つめていたその瞳に映ったのは効果が表れる瞬間だ。

 そして、それは何故か確信できる内容だった。


「魔法には効果が表れる瞬間があるのか? もしそうなら、それを利用すれば……」


 魔法にとって弱点にもなりえる。

 早い話、フレイムボルトの弱点は物との接触そのものだ。

 もしも対象へと当たる前に障害物に接触したら? 効果が表れ、届かない可能性もある。

 そうだとしたら魔法使いは言うほど万能ではない。


「魔法で世界は成り立っている……」


 俺はこの世界の事をそう教わった。

 死んで生まれ変わったからにはその理に従うしかない。

 そう思っていた。

 そして、魔法を真面目に学んでいる。

 それもちゃんとした理由がある。


「天の都の巡礼……」


 この世界は全部で5つの都がある。

 ややこしいが俺達、火属性のヒューマンが住む土の都。

 水属性のセイレーンが住む火の都。

 風属性のグリーヴが住む水の都。

 土属性のエルフの住む風の都。

 そして、神が住まうと言われている天の都。


 中心都市である天の都では巫女たちが集まり、精霊を活性化させる。

 俺がまじめに勉強をしていたのは彼女達の護衛を務めるためだ。

 何故なら、その活性化と言うのは異界の門を開くとされている。

 つまり、日本に地球に行けるかもしれない。

 そうなれば、もう元の暮らしには戻れないとしても……もう、あそこに居れないとしても……。

 両親と友人にたった一言、告げる事は出来る。

 俺の目的はそれだけだ……。


 だが、護衛は当然強い魔法使いじゃなきゃいけない。

 この世界には魔王が居て、そいつは精霊を弱らせ自分達の世界を作ろうとしている。

 それを阻止するのが各地に居る都の巫女と各地を巡り天の都へと向かう巡礼の巫女だ。

 中でも世界の均衡を保つ重要な役割を持つ巡礼の巫女は狙われやすい。


「だけど……俺は」


 魔法が苦手だ。

 これはどう足掻いても変えれなかった。

 魔力があるのかないのかさえ分からない。

 絶対魔力、最強魔法なんてチートスキルありゃしない。

 最悪の転生だ。

 だからと言って諦める訳にはいかない。

 俺はどうしてもたった一言を伝えたいんだ……。


「でも、俺じゃ護衛何て……」


 無理だ、そう思っていた。

 だけど、先程感じた魔法の情報……。


「もし、あれがはったりじゃないなら……」


 これはチートだ。

 魔法には弱点となるものがある……これが俺の妄想ではなく本当の情報だとしたら……。


「イケる、イケるぞ!! 魔法使い相手でもなんとかなるかもしれない」


 俺はそう思った。

 くどいようだがこの世界では魔法使いがすべてだ。

 わざわざ接近して攻撃をする剣士や風の流れに影響される弓手なんて魔法使いの前では雑兵に過ぎない。

 そう思われている。 

 だが、もしそれを覆せるのなら、それが出来るのはあの脳裏に浮かんだ情報だけ……。


「試そう! やれることはやる。絶対に異世界へといや、地球にもう一度だけ行くんだ」


 俺はそう意気込むと早速試したいと思ったが、何時試せるのか分からない。

 親は俺に向かって魔法を使うような屑ではない。

 姉も魔法が苦手だ。

 かと言って何をしてくるか分からないあのおっさん相手じゃ分が悪い。

 練習台になってくれる奴が都合よく居るはずも無かった……。


「それが困る所か」


 都合よく魔法をしかもフレイムボルトを使ってくれそうなやつ。

 そんな奴が……。

 いや、まてよ? あのおっさんは無理だ。

 だけど子供はどうだ?

 あの人も妻ヒューマンで……確か生まれてくる子供は母親に影響される。

 つまり、子供もヒューマンって事だ。

 ヒューマンにはある儀式がある。

 貴族限定だが……成長した子同士を戦わせる。

 勿論、殺し合いではない……そうならない様いつでも割り込める場所に家族や巫女、衛兵が付く。

 そして、それは男同士のみ執り行われる。

 姉はこの行事をしなくていいわけだ。


「…………」


 そして、この儀式は申し出た勝ち……勝負を挑んだら挑まれた方に拒否権は無い。

 あのおっさんの事だ、俺の弱さは分かっている。

 と言う事は……。

 例え子供である俺相手でも勝負を挑んでくる可能性は十分にある。

 勿論殺さないようにと言う条件があるから無茶はしないだろう。

 とすると初期魔法のフレイムボルトを使って来る確率は高い。


「俺ならどうする? 何時仕掛ける?」


 俺はそう口にし……今しかないと考えた。

 何故なら俺はまだ小さい、成長するかもしれない。

 なら、今のうちに父親の顔に泥を塗りたいだろう……。


「よし! じゃぁ、その時だ……!」


 俺はそう言うとニヤリと笑った。

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