9.獣人種と男
『黒原種』は表舞台に殆ど姿を見せない種族である。その全容を明確に説明できる者はいない。
しかしダークが活動をしている影で彼らの目撃例があり、ダークに協力している形跡が見られる事から暫定的に人間の敵であると位置づけられている。
曰く、彼らはエルフの裏切り者である。曰く、ゆえにエルフと同じで精霊魔法を使いこなす。曰く、彼らの闇の様に赤黒い髪は邪神の加護を受けている。曰く、彼らの肌には呪詛が染み込んでいる。曰く、彼らはデミヒューマンと同様に人を食い殺す。曰く、彼らは人間の滅亡を企てている。曰く。曰く。曰く、彼らは『見捨てられた種族』である。
◆◆◆
「この大陸にある人間の国、普人種国家4国、獣人種国家1国、鉱人種国家1国、森林種国家1国。その全てに魔人の、魔人種の魔の手が掛かっています」
三度全員でテーブルに着いた俺達はコーラルの話しを聞き、その言葉に俺は口をつむぐ。
手が掛かっている。つまり既にダークは見えない所で何かをしている事になる。・・・気に入らない。
「それがどうしたの?」
ヤナギはあまり興味がなさそうだった。スターチスも凛とした表情に変化はない。彼女達はコーラルがダークエルフだった事には最初は驚いていたが、その種族に対してそこまで思う所が無かったらしく、すぐに落ち着きを見せていた。
コーラルはヤナギに目を向ける。それを受けてヤナギは言葉を続ける。
「どんなのが相手でも。それが喧嘩を売ってくるなら」
「斬り捨てるまでです」
ヤナギとスターチスの考えは単純、敵なら殺す。それゆえに分かりやすい。ワービーストは種族的に細かい事は考えない。心で感じたまま行動する者が多い。だからこその結論である。
良いなそういうの。俺もその類いだ。
「とにかく悪い事をしてるんだろ。そいつらは、この国で。この大陸で」
だから俺だって単純に考える。コーラルに詳細を促す。
「そうですね。結論から言えば、野放しにしていれば来たる『魔の種族との全面戦争』だけでなく、近い先に人間種族は大きな痛手を被るでしょう」
「今からで間に合うのか」
手遅れの可能性もある。後手に回るのは避けたいが。
コーラルは力強く肯定する。
「大丈夫です、時間ならまだ余裕があります。それらの工作はとある『儀式』の時に『赤い月』の効果を高める為の暗躍ですから。最悪、それまでに始末をつければ良いのです」
『赤い月』。それは知っている。あの日タイファンが俺に語って聞かせた話しに出ていた。20年周期で未踏破地帯の奥地で昇るらしいが。こっちでは月が赤く染まる話は聞いた事が無い。見た事もだ。ダーク側でしか知り得ていないかなり特殊な事象なのだろう。
20年、つまりは――――――
「あと3年、いやもっと短くを見た方がいいのか?」
クレアが二十歳になる時が赤い月が昇る時であり、それが彼女が魔王として『真の覚醒』に至る時だ。
コーラルは目線を下げ、手を口に当てて考え込む仕草をする。
少しだけそうしてから手を離して再び目を上げ俺達に向ける。
「理想を言うなら1年から2年で見た方がよろしいかもしれません。神種への影響を考えれば早ければ早いほどいいでしょう」
「デウスに何かできるのか、あいつらは」
デウス。思い出すのは空に輝く黄金。『黄金雲』は今でも憶えている。クレアと見た美しい景色の一つとして、大事な2人の思い出として。
「はい。ダークはデウスに干渉し、その存在に邪悪な意志と力を植え付けようとしています」
デウスは世界の調停者である。世界を循環する生命と魔力。それらの浄化・生成・拡散・吸収・収束などの働きをし、世界の調和を保っている。その存在は精霊を生み出し、生まれた精霊は世界へと飛び出し自然の働きの一つとなる。デウスは謂わばこの世界の母とも言える存在である。
コーラルは指を1本ずつ立てて説明を続ける。
「空を巡る黄金雲。エルフが棲むエウノミアー大森林に存在する『世界樹』。海をゆく『海神の群魚』。そして邪神に堕とされし『煉獄谷の地虫』が私たちが救うべきデウスです」
4柱のデウス。そして主要国家七国に奴らの手が掛かっている事になる。本当に気に入らない。
あの貴族のような出で立ちのダーク。そいつのニヤニヤとした人を嘲笑う顔が脳裏を過ぎる。気に入らない。ああ、気に入らない。今まで事が思い通り進んで上機嫌になっているであろう奴の顔を想像するだけで激しい怒りが沸き起こる。
「・・・それらにテンタクルというダークは?」
「今回の件で彼は指揮を執る立場です。他のダークに指示を出し、全体を管理しています」
「・・・ははっ」
打てば響く様にコーラルは返事をくれる。そうかやっぱりいるのか奴は。そうかそうか。
俺の身体に力が入る。壊せと心が叫ぶ。奴を壊せと、それは実に待ち遠しい未来への期待である。
「ダークは強い。だからこそ此方も力のある者を可能な限り揃えなければなりません。信頼をおけ、自由に動ける強者を」
「それがボク達?」
「自分は修行中の身。コーラル殿が望む程の力は無いかもしれません」
コーラルの話しを聞き、己の力不足を感じているのかヤナギとスターチスは口に出す。しかし表情に一片の不安や悲壮感などは見当たらない。
心に迷いの無い彼女達。たとえ力が足らずとも、『戦わない』という選択肢はない様だ。
ただの事実確認であろう彼女達の言葉にコーラルはその真意を口にする。
「そうですね。実際に力の底を確認出来たわけではありませんが、カイル様は問題ないでしょう。そしてヤナギ様とスターチス様はダークと戦うには今は少しだけ力不足と言えます」
「ん、わかる」
「伝え聞く話では里長や『王』さえ手古摺る存在。当然です」
コーラルからも断言されたが2人に変わりはない。むしろ何処か楽しそうですらある。
彼女はそんな余裕のある2人の様子を見て笑みを浮かべる。
「そう『今は』、です。私の見立てでは今後の修練次第では問題ないと考えています。そうでしょう? お二人とも」
「当たり前」
「自分達の目指すとこ、それを思えば超えるべき壁でしかありません」
瞳に燃える戦意の高揚。
「ボクとスーちゃんは」
「『王』に成るつもりですから」
彼女達の目標、ワービースト達の強さの象徴である『王』。
彼女達が故郷を出ているのは修行の為か。この国は他種族に対して寛容だ。ここで各地の情報を集めてから他の場所に赴く、そういう風に考えられる。
2人から強い決意が見て取れる。そんな2人が俺に目を向けてきた。
「調子の良い事言った」「自分達はカイル殿に情け無い所を見せました」「信じるのはきっと難しい」「ですが自分達はもう誰にも負けるつもりはありません」「どんなのが相手でも最後に勝つ」「貴方に誓いましょう」
「だから一緒」「御傍に置いて欲しいです」
強い、力を込められた視線。見た者をその熱で燃やすかのようだ。
「・・・気になった事がある」
これから敵と戦う、それに当たって協力する。つまりは仲間だ。それは良い、歓迎する。
だがヤナギとスターチスの発言、俺個人に対しての物で聞き流せないのが多い。それは力を合わせるだけ、という意味では絶対ない。俺に対してある種の想いを込めた発言だ。
「2人の言葉を聞いていたらコーラルの願いとは別に、これからも俺と一緒に居たいから、と聞こえる」
「うん。一緒にいたい」
「・・・ダメですか?」
俺の疑問の声に一気に不安そうになる2人。スターチスにいたっては泣きそうになる。
ちょっと待ってほしい。知らないうちに彼女達の中で俺に対する感情が大きくなっている。謝罪と理由の時もそうだったが、いったい何が彼女達の琴線に触れているのか分からない。話しの流れが本筋から離れそうだ。コーラルもきっとそう思っているはず。
「・・・あ。どうぞ私は御気になさらず」
コーラルは笑顔で「ごゆっくり」と言い、機嫌が良さそうにその美貌を輝かせている。何がそんなに楽しいのか。「お茶でも?」いらん、と目線で拒否する。
「・・・俺である理由とかはあるのか?」
今日、初めて会った間柄である。心の移り変わりは聞いたが、それにしたってここまで俺に対して入れ込むというのは理解が難しい。で、あるのなら彼女達の中に何か基準がある筈。それを知りたい。
2人は居住まいを正し、真剣な様子で俺を真っ直ぐに見つめる。
「理由、説明は難しい」「しかし求める所は分かっています」「心の深い所」「獣人の直観の様な物ですが」「離ればなれになるのは寂しい」「今だけの関係、と言うのはスーも嫌です」「ずっと一緒」「貴方と共に」
「「つまり」」
「カー君の事、好きになった」
「カイル殿に、惚れました」
「・・・そうか」
理由を聞いたら告白された。・・・そうか、じゃあ無いだろ俺。
事態が俺の手に余るモノになっているのが、ひしひしと感じる。詳しい理由もヤナギとスターチス達も掴み切れていない様だ。
好意を向けてくれるのは理由を置いておけば素直に嬉しい。
だが俺の心にはクレアがいる。だからこそ俺から彼女達に言える事は決まっている。
「初対面があれだったから、今の2人の好意は素直に嬉しい。ありがとう」
俺の言葉に2人は嬉しそうな雰囲気になった。
それも今から言う言葉を聞くまでだろうけど。外見は一人前でも、心は子供。その心に傷を付けるかもしれないというのは少し心苦しい。だが俺に言わない、という選択は無い。
「・・・だが俺にはもう好きな人がいる。だから2人の気持ちには答えられない」
断った。目の前の彼女達の反応は―――
「「 ? 」」
・・・・・・眉の間を寄せ、よく分からないといった表情で首を傾げられた。それがどうかしたのか? といった感じである。
「 ? 」
その反応に俺も首を傾げるしかなくなる。なんだその反応は。
「 ? 」
「 ? 」
「 ? 」
「「「 ? 」」」
俺達3人の間で困惑が広がっていく。
「ぷっ!・・・っぷふ・・・ふふふふ」
コーラルが口元を手で押さえて笑い出した。
それはもう、まるで堪え切れないといった様子だ。そんな彼女に俺達の視線が集中する。それに気付いたコーラルは一つ咳払いをし、深呼吸をして・・・「くふっ」もう一度吹き出してから姿勢を正した。そして今も困惑しているヤナギとスターチスに対してコーラルは自分に任せるように言ってから、視線を俺の方に向けてくる。
「そうですね・・・カイル様はワービーストの『群れ』と言う物は御存知ですか?」
「『群れ』?」
聞いた事はある。確かワービーストが住居の移動や旅をする時に形成する集団だったはず。小さな物は家族の集まり。大きな物は民族になる。他国に出たワービーストにとっては冒険者でいうチームみたいな物のはず。それが今関係があるのか。
そんな疑問が顔に出ていたのか、コーラルはまるで近所の子供にモノを教える年長者の様な表情で説明を始めてくれる。・・・まあ実際に彼女の方がお姉さんではあるが。
「この説明で事前に知っておくべきはまず、ワービーストの男女比です。ちなみにカイル様はどれぐらいであると考えますか?」
そう言われ、幼少時の記憶と今日ここに来た時に街で見たワービーストの事を思い返す。ワービーストの女性はちらほらと見掛けた気はする。しかし男性のワービーストは見ていない気がする。平原からあまり外へは出ないのか?
よく分からないが見ないという事は少ないという事だ。それを踏まえて。
「女性7、男性3ぐらいか?」
ヒューマンは半々ぐらいだと感覚で分かる。それよりもワービーストの男女比は偏っているとなるとコレぐらいの筈―――
「10対0で御座います」
「―――は?」
今なんて?
「冗談です」
なんだその冗談は。ありえないだろ。
「ある程度正確に言えば男性の割合は5毛ぐらいでしょうか」
? 知らない単位が出たぞ。どういう意味だ。
「分かりやすく言えば千人の中に男性が1人いるかいないか。まあ5千分の1といった割合です」
「ちょっと待て!!」
は? 待て待て待て! おかしい絶対におかしい。なんだその男女比は。種族として大丈夫なのかその割合は。そんなに学のない俺でも危険ではないのかと思う数字である。
そんな俺の驚きに対してコーラルはどこ吹く風である。ヤナギとスターチスに目を向けると、特に大きい反応はない。というか2人して「あーそれぐらいかも」とか「あまり男性は見ないですよね」とか殆ど他人事である。
・・・俺か? 俺がおかしいのか? コーラルはそんな俺の反応が分かっていた様に静かに笑っている。彼女は俺に対してワービーストの女性について教えてくれる。
「カイル様。ワービーストの女性は基本的にどの種族とでも子を授かれます。そしてその子は絶対に母親の血に由来した獣人になります。それがこの割合でも種の存続が可能な理由で、そして『群れ』の話しに繋がります」
「あ、ああ分かった。続けてくれ」
知らなかったワービーストの事情。驚いた、本当に驚いた。つまりその性質のお陰でワービーストの男性がいなくても大丈夫という事か。
そして俺は『群れ』についての説明に耳を傾ける。
「ワービーストの『群れ』、その実態は言ってしまえばハーレムの様な物ですね。要するに1人の男性に複数のお嫁さんがいる状態ですね。基本的にワービーストの皆様はそのような『群れ』を御作りになります」
「――――――」
あまりに俺の中の『当たり前』とワービーストの文化が違い過ぎて、開いた口が塞がらない。心に衝撃を受けたままヤナギとスターチスを見る。
「カー君が好きな女の子。きっとボクも好きになれる」
「自分は、その、た・・・たまにでも可愛がって頂ければ」
・・・つまり最初から彼女達は俺と『群れ』を作りたかった事になる。それが意識の食い違いの原因。俺に好きな人がいてもただ1人増えるだけだと考えていた。・・・そんなの分かる訳がない。
「・・・故郷の男性で気になる人は出来なかったのか? あとはこっちに来てからでも」
しかし俺以外にも出会い自体はあったはずだ。彼女達ははっきり言えば魅力的な外見をしている。ヤナギは可愛いしスターチスは綺麗だ。ワービーストもそれ以外の種族の男性も放っておかないはずだ。
ワービーストは強さを尊ぶ。あんな『大人の事情』は知らなかったが、物語などにはワービーストが魅力を感じる条件にそう書かれていたのは覚えている。基本的にワービーストの男性が強いのは英雄譚で取り上げるほど有名だ。強さを尊ぶなら気になる相手はいた筈である。
ヤナギとスターチスが微妙な顔になった。
少しだけ嫌な事を思い出した顔だあれは、俺には分かる。そして彼女達の怒涛の愚痴じみた物が始まる。
「故郷のはない」「基本的に甘やかされますから男は」「強くてもイヤ」「我儘なまま強くなりますからね」「一緒にボコボコにした」「スカッとしましたねアレは」「皆に怒られそうになった」「殆ど夜逃げでしたね自分達」「『王』はそんなのの代表」「比較的分別のある人もいるのですよ。比較的」「全員薙ぎ倒す」「首を洗って待っておけと言った感じですね」「こっちはもっとひどかった」「弱いし性格は良くないですし最悪でしたね来た当初は」「ボコボコにしたかった」「こっちで喧嘩は控えようと決めましたから」「鬱憤が」「そろそろ強い人が多そうな所に行くべきか考えてました」「その時にカー君と会った」「強くて優しい」「理想的」「とても格好良いです。男前です」「わかる」
「わかった。もう大丈夫だ」
話しの流れがまた俺に来たので止める。俺だって流石に恥ずかしい。というかカッコいいは無いと思う。だって顔も服の下の体も傷だらけで醜いもんだぞ。
しかしどう答えたものか。ヒューマンは基本男女一組だからと言うか?
駄目だ。そもそも俺はクレアに告白したが答えを貰った訳ではない。付き合ってるわけではない。保留中だ。独り身である。
なら考え方を変えるしかない。穏便に、しかしはっきりと断らなければ。
「俺の好きな人はヒューマンでな。ワービーストの『群れ』は受け入れない」
・・・筈である。普通に考えて好きな人が自分以外と付き合うなんて嫌だろ?
「つまり・・・」「それは・・・」
やったか?
「「その人を説得できれば良いという事ですね」」
駄目だった。嘘だろ? 一体どうしろと。
俺は別に彼女達が嫌いではない。「好みではない」や「嫌い」だと言えば確実だがそれは嘘になる。
自分の心には嘘は付きたくない。あの日からそうやって生きて来たんだ俺は。だからまだ穏便に断る方法がきっと何かある。あると決まっている。・・・あると思う。・・・あるといいな。
「では保留という事でどうでしょうか皆様」
コーラルが流れを断ち切る様に声を上げた。
「この話しはクレア様を交えて改めてした方が良いでしょう」
「そうする」
「自分もクレア様という方に会いたいです」
「・・・・・・」
つまり問題の先送り、解決はしていない。だけど正直助かった気持ちだ。しかしクレアに怒られそうな気がする。というかこの状況は実際どうなんだ。夜中に女性だらけの部屋に男が1人。ヤナギとスターチスの服装はおそらく出歩く事を想定していない服だ。つまりここに泊まっていく可能性が高い。
・・・駄目な気がするな。早く次の日からの予定を決めてこの家からお暇しなければ。
「コーラル。結局の所俺達は明日からどう動けばいい? 早速何処かへ攻めるのか?」
「その必要は御座いません」
コーラルは懐から何かを取り出す。本ぐらいの大きさの魔道具。あれはギルドで見たぞ、登録の時に使った物だ。しかし服にあんなの入る隙間は無いぞ。服が魔道具なのか、精霊魔法の力なのか。
「まずこれで皆様の登録証を預からせてもらい、そして『チーム登録』をして戴きます」
「はい」「お願いします」
「え」
コーラルが言うやいなやヤナギとスターチスは登録証を渡していた。俺はまだ背負い袋の中だ。
2人の機嫌がだいぶ良い。
「『群れ』への第一歩」「大きな一歩ですね」
そんな既成事実を作ったかのように・・・
「・・・コーラル」
「はい有難う御座います」
どうしようもないので大人しく彼女にカードを渡す。彼女は受け取ったカードを一枚ずつ魔道具に入れていく。3枚とも入ってしまうと、あの時の様に青白く発光してカードが排出された。それを彼女は俺達に返す。
「これで3人はチームになりました。リーダーはカードから設定をお願いします。それは明日でもいいでしょうチーム名も新しくするかもしれないですし」
そう言い、もう使わないらしくあの魔道具は彼女の懐に戻される。私物の様に出し入れしているがあれはギルドの物ではないのだろうか?
「では皆様に明日からお願いする事があります」
彼女は俺達がする仕事を言い渡す。クレアに近づく為の大きな一歩だ。
「この国の王女様に接触し、殺害するために『碧鋼』のクラスまで上がってください」
彼女が俺達に課した仕事は驚愕の内容だった。